キッチン用品

フランスの無水鍋「ストウブ」の実力とは?使い勝手の良い種類とサイズの選び方

ストウブ

ストウブは、1974年にストウブ社の創業者フランシス・ストウブと有名シェフたちによって共同開発された「ココット・ストウブ(現:ピコ・ココット)」から始まったフランスのキッチンウェアメーカーです。

ストウブの看板製品「ピコ・ココット」は、元々プロ向けの製品として開発されており、当初はレストランを中心に利用されていましたが、現在は世界各国の一般家庭でも愛用されています。

ル・クルーゼと比較して歴史が浅く、日本進出も2004年と2,000年代に入ってからなので、知名度は少し劣るように感じます。

ただし渋い色合いや無骨なデザイン、熱伝導性や保温性の高さに定評があり、日本での利用者も増えています。

ストウブの特徴

トマト料理

ストウブは煮る、揚げる、蒸す、炒める、炊飯など、様々な用途で使えます。

全体的にやや渋い色合いと「無骨」「頑丈そう」というキーワードが似合うデザインで「ストウブは男性的、ル・クルーゼは女性的」と称されることも多々あります。

無水調理が可能

フタの裏には「ピコ」と呼ばれる突起が付いているのが特徴的で、食材から出た水蒸気がフタに付着して、ピコを伝って落ちます。

重いフタで蒸気を逃さず、水分を効率的に循環させることが可能なので、食材の水分だけで調理する「無水調理」にも適しています。

鋳物ホーロー鍋は熱伝導性と保温性が高く、加熱後は余熱を使って更に調理ができるので、火にかける時間が短くて済み、ガス代や電気代の節約にもなります。

水分を入れない分、煮崩れが起こりにくく、食材の凝縮した旨味が引き立ちます。

「水分量が少ないと食材がパサパサになるのでは?」と思うかもしれませんが、水分は鍋の中で対流して、一定の水分量を保ったまま調理できるので、パサつかず、ジューシーな仕上がりになります。

そもそも水を入れると味が薄まるので、使う調味料の種類や分量も増えやすくなります。

一方、無水調理では食材の本来の甘味や旨味が引き出されるので、少ない調味料と分量でも充分に美味しくなります。

蒸し野菜や蒸し煮なども作りやすく、食材をゆでない分、水溶性ビタミン(ビタミンCなど)の流出も最小限に押さえられるので、食材の栄養を余すところなく取れます。

内側は黒一択で汚れが目立たない

ストウブ全体図

鍋の内側は黒マットエマイユ(=ホーロー)加工になっており、少しザラザラな触り心地です。

その分、通常のホーロー鍋よりも、油なじみが良く、食材が鍋底にくっ付きにくく、焦げにくくなっています。

ル・クルーゼでは白くてツルツルの「サンドホーロー」と黒くて少しザラザラの「マットホーロー」から内側が選べますが、ストウブは黒マットエマイユ一択なのが大きな違いです。

煮汁の色や食材の様子が見えにくいのですが、汚れにくく、鍋底の焦げ付きも分かりにくいので「汚れが目立たない鋳物ホーロー鍋が欲しい」という人に向いています。

ストウブの鋳物ホーロー鍋の種類

ストウブの鋳物ホーロー鍋は「ピコ・ココットラウンド」と、楕円形の「ピコ・ココット オーバル」が定番人気です。

他にも浅めの鍋とドーム型のフタで炒め煮調理に適した「ブレイザー ソテーパン」や、鍋底が蜂の巣型の凹凸がある「ニダベイユ」「グリルパン」「フライパン」「マルチパン」などもあります。

ピコ・ココットラウンド

ピコ・ココットラウンド

ストウブの定番ホーロー鍋

ピコ・ココットラウンドは、ストウブ社の原点とも言える鋳物ホーロー鍋です。

最もベーシックな両手鍋で、煮込み料理や炒め物、揚げ物、蒸し物、炊飯など、何でもオールマイティに使えます。

サイズは10cmから34cmまで2cm刻みでありますが、日常的に使いやすいのは20cm、22cm、24cmあたりです。

20cm 22cm 24cm
直径/持ち手含む 20cm/26.3cm 22cm/28.5cm 24cm/30cm
高さ/フタ含む 9.5cm/14.2cm 9.9cm/15cm 10.5cm/15.3cm
容量 2.2L 2.6L 3.8L
重量 3.6kg 3.98kg 4.6kg

◆ラウンド20cm
1人~2人暮らし向け。

1人暮らしならば数日分の作り置き、2人暮らしならば毎日のおかず作り(2人✕2食分)に重宝するサイズです。

他にも具沢山のスープや汁物、揚げ物も作りやすく、カレーやシチューは半箱(4~5皿分)ならば問題なく作れます。
ご飯は2~3合まで炊くのにちょうど良い大きさです。

3~4人家族であれば「サブ的なお鍋」の役割になりやすいかと思います。

◆ラウンド24cm
3~4人暮らし向け。

煮物、おでん、ポトフなど、大量に作りたい煮込み料理をするのに使いやすい大きさです。
10皿分のカレーやシチューを作っても、途中であふれ出ることなく余裕で作れます。ご飯は4~5合まで炊けます。

重量は4.5kgとずっしり重く、米袋5kgとそれほど変わらない重さになるので、特に取り扱いと保管場所には一層の注意が必要になります。

ストウブのレシピ本を見ると、使われているサイズは「20cm」または「22cm」が圧倒的に多いです。

ただし20cmと24cmの中間サイズである22cmは中途半端な大きさで、使い勝手がイマイチになりやすいです。

例えば、既に20cmの両手鍋を持っていれば、新しく買うのは24cmにサイズアップした方が、確実に多くの料理に使えます。

ストウブでデザート作り系のレシピになると、20cm以下のサイズも使用されていますが、まずは定番サイズを押さえておいた方が色々な用途で使いやすいです。

ピコ・ココット オーバル

ピコ・ココット オーバル

楕円形で、丸ごとの食材の調理向け

ピコ・ココット オーバルは、楕円形(オーバル)が特徴的な鋳物ホーロー鍋です。

例えば、トウモロコシやアスパラガスをゆでたり、ローストチキンやアクアパッツァ、豚の角煮を作ったりと、丸ごとの食材をそのまま調理するのに適しています。

サイズ展開が豊富で、ミニサイズ(11cm)、ミディサイズ(15cm、17cm)、スタンダードサイズ(23cm、27cm)、ラージサイズ(29cm、31cm、33cm、37cm、41cm)があります。

ル・クルーゼにもオーバルはあります(ココット・オーバル)が、サイズが限定されているので、ストウブの方が自宅の食卓にあった大きさが探しやすいです。

一般家庭で使いやすいサイズは、やはりスタンダードサイズの23cm、27cmです。

23cm 27cm
直径/持ち手含む 23cm/29.5cm 27cm/33.5cm
高さ/フタ含む 9.6cm/14.1cm 9.7cm/14.5cm
容量 2.35L 3.2L
重量 3.36kg 4.5kg

◆オーバル23cm
2人暮らし向け。

基本的にラウンド20cmや22cmで作るレシピは、オーバル23cmでも作れます。

ラウンド20cmよりもコップ1杯分(150cc)多く、22cmよりも計量カップ1杯強(250cc)少ないくらいの容量で、レシピ本で良く使われているピコ・ココットオーバルは23cmが多いです。

◆オーバル27cm
2~4人暮らし向け。

ラウンド24cmと26cmの中間くらいの容量で、トウモロコシを丸ごと3本ゆでたり、カレー8皿分作ったりも充分にできるサイズです。

形が楕円な分、ピコ・ココットなど丸型の両手鍋に使い慣れていると、勝手が違うので、最初は取り扱いに戸惑うかもしれません。

特にガスコンロ(五徳に置くタイプ)だと、良い位置に安定させるのに、少し苦労します。

サイズによって、五徳に置いた時に大きくはみ出したり、隣の鍋やフライパンに当たりやすかったりします。

あまりに大きいサイズを購入する時や、二口コンロで置き場所が斜めになっているタイプは、特に充分なシュミレーションを行なって下さい。

また火のあたりが不均一になりやすく、場所によっては焼きムラが起きることもあるので、全体的に混ぜ合わせるような炒め物や煮込み料理に向いています。炊飯には不向きです。

初ストウブの選び方

初めてストウブを購入するならば、ピコ・ココットラウンドの20cmまたは24cmが無難です。

せっかく高級で高品質な鋳物ホーロー鍋を買ったのであれば、良く作る料理で使用頻度が高い鍋のサイズにした方がムダになりません。

組み合わせ的には「ラウンドの20cm&24cm」、「ラウンド20cm&オーバル27cm」にすると、容量が大きく違うので、どのような料理を作る時にも対応できるセットになると思います。

「ラウンドの20cmや22cmあたりの容量で、食材を丸ごと調理したい」という時はオーバル23cmも、選択肢としては充分にありです。

サイズや形に関しては、家族人数や毎回作る料理の量、今使っている両手鍋との兼ね合い、収納場所によっても変わってくるので「どのような用途でストウブが欲しいのか?」を考えながら選ぶと失敗が防げます。

同じ鋳物ホーロー鍋の「ル・クルーゼ」についても紹介しているので、合わせて参考にしていただければ幸いです。

らでぃっしゅぼーや