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西洋にんじんと金時にんじんの違いとは?種類や旬、栄養を比較してみた

西洋にんじんと金時にんじん

にんじん(人参)は、セリ科にんじん属の野菜です。

ビタミンAが多い野菜として知られており、皮膚や粘膜を丈夫にして、免疫力アップにも効果を発揮します。

主に根の部分を食べる「根野菜」で、炒め物や煮物の具材、甘味を活かしたグラッセや野菜ジュースなど、様々な料理に使いやすい食材です。

一般的なにんじんの種類

日本で出回っているにんじんは「西洋系」「東洋系」の2種類あります。

西洋系にんじんは五寸にんじんミニキャロット、東洋系は金時にんじん(京にんじん)が代表的です。

にんじんの原産地はアフガニスタンで、東洋系は江戸時代、西洋系は江戸時代後期に伝わりました。

現在は栽培の難しさから東洋系は生産量が少なく、西洋にんじんが主流になっています。

西洋系:五寸にんじん

にんじん

品種:向陽二号、彩誉、愛紅、揚州五寸など
色:オレンジ
大きさ:15~20cm(根)
重さ:150~200g
旬:4月~7月/10~12月
値段:1本39円~58+税、3本入り97円~198円+税
料理法:煮物、炒め物、サラダ、汁物、ジュース、スイーツなど

にんじんの産地は全国各地にあるので、一年中、出回っていますが、にんじんの旬は年2回あります。

「4~7月(春夏にんじん)」「10~12月(冬にんじん)」で、冬にんじんの方が甘味が強く、栄養価も高いです。

ちなみに、長さ7~10cmほどのミニキャロット(ベビーにんじん)は、西洋系にんじんを品種改良によってミニサイズにしたものです。

使い切りサイズで丸ごと食べやすく、にんじんグラッセやスティックサラダなど、そのままの形を活かした料理に使えます。

以前は「独特の土臭いニオイや風味が苦手」と感じる人も多く、子どもが嫌いな野菜の代表的な存在でした。

近年は独特のニオイや風味を抑えた品種が主流になったことで「子どもが好きな野菜」に上位ランクインするほど、人気の野菜になりました。

例えば有機野菜系宅配サービスの「Oisix(おいしっくす)」で取り扱っているたつやのにんじんは「にんじん嫌いでも食べられる!」と、小さな子どもがいる家庭で大人気の野菜になっています。

東洋系:金時にんじん(京人参)

金時にんじん(京人参)

品種:本紅金時
色:
旬:11~2月
大きさ:約30cm(根)
食感・味:柔らかくて甘味が強い。独特のにんじん臭さが少ない。
料理法:煮物など

金時にんじんは京野菜の代表的な一つで、関西の正月料理に多く用いられます。

独特の赤色は、カロテノイドの一つ、赤い色素の「リコピン」によるものです。

トマトでおなじみのリコピンには強い抗酸化作用があり、血流改善や美肌(メラニン生成を抑制、日焼けの軽減)など健康と美容に役立つ成分です。

栽培が難しく生産量が少ないので、冬、特に11月~12月末のお正月前の「需要期」の時くらいしか見かける機会がありません。

西洋にんじんよりも味が濃くてしっかりしており、加熱しても煮崩れしにくいので、主に煮物など加熱調理する料理に使われます。

一方で生の金時にんじんは、独特の風味やパサパサ感があるので、サラダや野菜スティックのような生食には向いていません。

栄養価に違いあり

栄養士

にんじんといえばビタミンAが多い野菜として知られています。

西洋にんじんと金時にんじんでは、圧倒的に西洋にんじんの方がビタミンAが多く含まれています。

にんじん 金時にんじん ミニキャロット
ビタミンA 720μg 410μg 500μg
αカロテン 3,300μg 250μg 2,200μg
βカロテン 6,900μg 4,800μg 4,900μg
βクリプトキサンチン 0μg 0μg 0μg

ビタミンAは皮膚や粘膜を強くする働きがある脂溶性ビタミンです。

野菜などの植物性食品には、体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」が含まれており、αカロテン、βカロテン、βキサンチンが代表的です。

ビタミンAに変換されなかったプロビタミンAは抗酸化成分として、体に過剰発生した活性酸素を除去する働きをします。

西洋にんじんには、ビタミンAに変換される割合が高い「βカロテン」が豊富に含まれているので、ビタミンAが多い野菜ランキングの上位にもランクインしています。

ちなみに品種改良により、カロテンや甘味が増えて、独特のにおいが減りましたが、その他の栄養に関しては減少していると言われます。

ビタミンAを効率良く取る方法

料理

にんじんは「ビタミンAに特化した野菜」なので、他の栄養素はあまり考えず、どれだけ効率的にビタミンAを取るかが大切になってきます。

βカロテンは皮のすぐ下に多く含まれているので、料理をする時はなるべく皮ごと使ったり、皮を向く時は、なるべく薄くむいたりします。

またビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、油と一緒にとると吸収率が高まります。

料理法別にビタミンAの吸収率を見てみると「油炒め>グラッセ>ゆでる>生のまま>>>素揚げ」になります。

にんじんを素揚げすると、揚げ油にビタミンAが流出してしまうので、揚げる時は衣をつけて天ぷらにすることをおすすめします。

薬用にんじん(朝鮮人参・高麗人参)とは別物

薬用人参

漢方薬や薬膳酒で良く利用される薬用にんじん(朝鮮人参・高麗人参)は「にんじん」の名前が付いていますが、実際はウコギ科の植物で、セリ科ニンジン属のニンジンとは別物です。

実は薬用にんじんの方が古くから日本に伝わっており、薬用にんじんと区別する為に「芹人参(せりにんじん)」と呼ばれていました。

芹(せり)とは、七草がゆに使われるセリ科の植物で、にんじんの葉っぱと芹が似ている(同じセリ科の植物ですし…)ことが名前の由来となっています。

オレンジ・赤以外のにんじんも

カラフルにんじん

にんじんと言えば「オレンジ色」のイメージですが、白、黄、紫など色とりどりの人参があります。

日本で流通しているのは主に「黄色にんじん」と「紫にんじん」です。

島にんじん

島にんじん

島にんじんは沖縄の在来種の東洋にんじんです。

かなり細長い形(根の長さは30~40cm)と薄い黄色が特徴的で、黄色い大根という意味の「チヂークニ」や「キダィクニィ」「キンダイクニ」とも呼ばれます。

島にんじんは、一般的なにんじんと比較して、甘味と柔らかさがあり、独特の香りが強いのも特徴です。収穫時期は11月~2月頃です。

普通のにんじんと同じように使えますが、炒め物(チャンプルーやイリチー)、煮物、汁物など、加熱して使われることが多いです。

島にんじんの独特のにおいが苦手に感じる時は、牛肉やセロリなど味や香りの強い食材と一緒に料理したり、調味料に味噌を使ったりすると、食べやすくなります。

カロテンやリコピンが豊富に含まれており、昔から沖縄では「命薬(ぬちぐすい)」として薬膳料理に利用されてきました。

また島にんじん以外の黄色にんじんとしては、品種名「金美人参」が代表的です。他にも「ゴールドラビット」「イエローハーモニー」などがあります。

果肉は柔らかく甘く、独特のにんじん臭さも少ないので、サラダや野菜スティックなど生食に向いています。

紫にんじん

紫にんじん

紫にんじんは紫色の色素「アントシアニン」を含んだにんじんです。

あまりスーパーの店頭で見かけることが少ないのですが、カゴメの「野菜生活100 紫の野菜」でも使われています。

大きさは五寸にんじんと同じくらいですが、やや細長い形をしています。

品種によって「外側は紫色、中はオレンジ」と「中まで紫色」に違いがあります。

◆皮近くは紫、中はオレンジ
・パープルスティック
・パープルスイート
・パープルヘイズ

◆中まで紫色
・パープルパープル
・ダークパープル

一般的なにんじんと同じような料理に使えます。

ただし紫キャベツと同様に、ゆでるとアントシアニンが流出して汁が紫色になるので、煮物や汁物にはやや不向きです。

野菜スティックやサラダにすると、独特の色合いがアクセントになります。

またにんじんポタージュやフレッシュジュースにすると、一面きれいな紫色が楽しめます。

アントシアニンは酸と反応するので、レモン汁を加えるとピンク色に変わる様子も見ていて面白いです。

西洋にんじん以外のにんじんなど、なかなか市場に出回る機会が少ない珍しい野菜は、Oisixやらでぃっしゅぼーやなど、有機野菜系宅配サービスの得意分野です。

「今まで見たことない」「食べたことがない」と思うような野菜も取り扱っているので、公式サイトを眺めているだけでも面白いです。

らでぃっしゅぼーや