DASH村特製の無農薬農薬から知る「特定農薬(特定防御資材)」とは?
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日本テレビ系列で放送中の人気バラエティ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』。
2015年8月16日 放送の出張DASH村では、福島DASH村時代に昭雄さんから作り方を教わった無農薬農薬が登場。
食べられる材料だけで作られる「無農薬農薬」は、ネットを中心に大きな反響を与えました。
山口さんが命名した「無農薬の農薬」は、いわゆる天然農薬と呼ばれるもので、使用されている食材は、特定農薬や判定が保留中になっている資材ばかりです。
あまり聞き馴染みのない言葉ですが、有機栽培でも使用される特定農薬について紹介します。
特定農薬(特定防御資材)とは?
2002年12月の農薬取締法改正によって、登録のない農薬の製造、販売、使用が禁止されました。
これは同年に「発ガン性がある」とされる無登録農薬のダイホルタン(殺菌剤)とプリクトラン(殺虫剤)の全国的な利用が発覚したことが発端です。
特定農薬(特定防御資材)とは、農薬取締法の改正で、農作物の防除に使用される、安全性が確かな薬剤や天敵まで規制されることがないように設けられた制度のこと。
定義は「原材料が農作物や人間、家畜、魚介、動物、植物に害を与える恐れがないことが明らかなものとして、農林水産大臣や環境大臣が指定した農薬」。
要は「特定農薬(特定防御資材)は農薬登録の義務はありません。自分の責任で使っても良いですよ」と政府がお墨付きを与えたものです。
特定農薬(特定防御資材)は、有機栽培で使用される農薬の代替資材の名前でもあります。
指定農薬は現在5種類のみ
2023年現在、指定された特定農薬は重曹、食酢、地場の天敵(地域で採取したテントウムシ、寄生バチ、クモなど)、エチレン、次亜塩素酸水の5種類だけ。
特定農薬の判定が保留になっている資材は約740あり、客観的に効果が証明できるデータを集めたり、安全性をチェックしたりしながら、随時指定される予定です。
【指定農薬】=使ってもよい
重曹、食酢、地場の天敵、エチレン、次亜塩素酸水
【農薬の定義に該当しない】=使ってもよい
UV反射フィルム、反射マルチ、アイガモ、アヒル、牛、コイ、マリーゴールド、落花生、グリセリン、酢酸、防虫網、尿素、鶏フン、ニンニクなど
ちなみに別表1から別表3(PDFファイル)に記載された資材については、「特定農薬(特定防除資材)の検討対象としない」としています。
特に別表の1から2に関しては、法で定める場合を除いて、農林水産大臣の登録を受けなければ、農薬としての製造・加工・輸入・販売・使用はできません。
判定保留の資材は自己責任で使用
農薬取締法第二十四条では「次に掲げる農薬以外の農薬を使用してはならない」としています。
1.容器又は包装に第十六条の規定による表示のある農薬(第十八条第二項の規定によりその販売が禁止されているものを除く。)
2.特定農薬
判定が保留になっている資材を元に作った薬剤は、自己の責任や判断で使用ができます。
保留中の資材を使った薬剤は「防除効果がある」と、農薬として販売はできませんが、栽培中に使用して収穫した農作物を販売することは可能です。
最後に
野菜や果物の栽培には、どうしても農薬の使用が不可欠です。
DASH村特製の無農薬農薬は「できれば化学的なものを使わずに、害虫などを駆除したり、病気を防いだりできるだろうか?」という考えのもとに作られているように思います。
日本テレビのDASH webでは「飲んでも安心、全て食べられる材料で作った「DASH村特製無農薬農薬」のレシピを公開しています。
商業的な農業で応用するのは難しいかもしれませんが、家庭菜園で試してみるぶんには取り組んでみても面白いなと思います。