春が旬!さやえんどうとスナップエンドウ、グリーンピースの違いと下処理方法&簡単レシピ
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春はマメ科のエンドウが旬を迎えます。
スーパーへ行くと、さやえんどう、スナップエンドウ、グリーンピース、うすい豆などがずらっと並んでいて、どれを選べばよいか迷うほどです。
今回はさやえんどう、スナップエンドウ、グリーンピース、うすい豆の違いと、各食材を使った簡単レシピを紹介します。
この記事の目次
エンドウの違いをイラストで解説
エンドウは食べ方(芽を食べる、サヤと実を食べる、実だけ食べる)で呼び名が変わります。
上記のイラストを参考にしながら、さやえんどう、スナップエンドウ、 グリーンピース、うすい豆の特徴について解説したいと思います。
さやえんどう(絹さや/オランダサヤ)
さやえんどうは、えんどう豆を早採りして、未熟なサヤごと食べるときの呼び名です。
ハウス栽培で一年中見かけますが、旬は春です。
サヤが小さい品種は「絹さや」、大きい品種は「オランダさや」で、絹さやは関東、オランダさやは関西で好まれます。
「スナップエンドウ」も、さやえんどうの一つですが、別で紹介しています。
小ぶりで色合いが鮮やかなので、煮物、みそ汁の具材や丼モノの彩りとしてもよく用いられます。
中の豆が大きすぎると歯ざわりがイマイチになるので、なるべくサヤが薄い(豆が小さい)ものを選びます。
◆旬の時期
3月~6月
◆おもな産地
鹿児島、和歌山、愛知
◆選び方
・サヤにハリがある。
・ヒスイ色が鮮やかで、変色がない。
・中の豆が小さい(育ち過ぎていない)。
・先端のひげ根が白く、ピンとしている。
ビタミンCとβカロテンが豊富
抗酸化作用のあるビタミンCとβカロテンが豊富で、ビタミンEが多い植物油や卵と合わせることで、さらに効果が高まります。
ほかにも糖質の代謝に必要なビタミンB1や食物繊維も多く含まれているので、美肌やダイエットを目指す人にもおすすめです。
水溶性ビタミンが多く、シャキシャキした歯ごたえを楽しむためにも、加熱時間は短めにして、ゆですぎないようにします。
冷蔵室で約1週間保存が可能
さやえんどうは、あまり日持ちがしないので、購入後は早めに使い切ります。
乾燥に弱いので、保存するときは、キッチンペーパーで包んでから、ポリ袋に入れて、冷蔵室で保存します。
また固めにゆでたあと、冷蔵保存も可能です。水気をふき取り、冷蔵用保存袋に入れて、冷蔵室で1ヶ月を目安に保存できます。
さやえんどうの下処理方法(筋取りとゆで方)
さやえんどうのサヤの両側にはスジがあり、食べたときの歯ごたえのよさを邪魔するので、スジ取りをします。
◆さやえんどうの筋取り
1.ヘタの反対側の先端(『花落ち』とも呼ばれる部分)を少し折り、カーブの内側のスジを引きます。
2.続けてヘタを少し折って、カーブの外側のスジを引きます。
ちなみにスナップエンドウと比較して、さやえんどうのスジは固くて太くないので、完全にスジが取れなくても、食べたときに気にならないことも多いです。
さやえんどうにマヨネーズを付けて食べたり、和え物、お浸しにしたりするときは、さっと短時間ゆでます。
煮物や炒め物に使うときは、スジを取ったあと、生のまま使います。
◆さやえんどうのゆで方
1.鍋に水と塩少々(水500ccに小さじ1/2~1)を入れます。
2.沸騰したら、さやえんどうを入れて、ハシで軽く混ぜながら、約40~50秒ゆでます。
3.ゆで終わったら、ザルにあけて、冷水に浸けて冷まします。
冷水に浸けることで、余熱でさらにさやえんどうが柔らかくなるのを防止して、彩りよく仕上げる効果があります。
水に浸け過ぎるとビタミンCなどの水溶性ビタミンが流出しやすいので、さやえんどうが冷えたら、すぐに水気を切ります。
簡単レシピ:絹さやの卵とじ
◆材料(2人分)
絹さや:50g
※絹さやは1枚あたり2~3gなので、10~25枚くらい。
卵:3個
水:100~150cc
めんつゆなど:大さじ1
◆作り方
1.絹さやのスジを取り、卵は割って溶きほぐします。
2.鍋に水とめんつゆを入れて、火にかけます。煮汁が沸騰したら、弱火~中火に下げます。
3.絹さやを入れて、全体が均一に火が通るように、ハシで広げます。
4.30~40秒ほど待って、絹さやが柔らかくなったら、溶き卵を回し入れます。
5.卵が半熟状になったら完成。フタをして30秒~1分ほど置いておくとさらに固まりやすいです。
スナップエンドウ
スナップエンドウは、サヤと実を食べる「さやえんどう」の一つで、アメリカで作られた品種です。
グリーンピースやうすい豆とは違い、豆が大きくなっても、サヤが固くならないので、サヤと実の両方が食べられます。
さやえんどう(絹さや/オランダえんどう)のシャキシャキ感とグリーンピースの甘さが同時に味わえてお得感があります。
豆の青くささが少なく、食べ応えがあるので、サラダや和え物、炒め物にも使いやすいです。
◆旬の時期
3月~6月
◆おもな産地
鹿児島県、熊本県、愛知県
◆選び方
・ヘタの色が鮮やかな緑色
・サヤにハリがある
栄養価はさやえんどうより低め
全体の栄養価は、さやえんどうと比べると、やや低めです。
さやえんどう | スナップエンドウ | |
---|---|---|
βカロテン | 560μg | 400μg |
ビタミンC | 60mg | 43mg |
ビタミンB1 | 0.15mg | 0.13mg |
参照:食品成分データベース – 文部科学省
抗酸化作用のあるビタミンCとβカロテンは、ほかの野菜よりも比較的に多いです。
スナップエンドウは1個あたり7g前後と重さがあり、小鉢1皿分(50g)のスナップエンドウを食べれば、1日に必要なビタミンCの約1/4が摂取できます。
ビタミンCはストレスへの抵抗力を高める作用があり、疲労回復効果のあるビタミンB1も多めなので、何かとストレスや疲れを感じやすい春に食べるのにピッタリの野菜です。
スナップエンドウの筋取りとゆで方
スナップエンドウを保存するときは、キッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて、冷蔵室に入れます。
新鮮なうちに食べた方が栄養価が下がらないので、手に入れたら早めに調理します。
◆スナップエンドウの筋取り
1.ヘタの反対側の先端を少し折って、内側のスジを引っ張ります。
2.ヘタの部分まで来たら、ヘタを少し折り、外側のスジを引いて取ります。
スナップエンドウのスジは太くて固いので、きちんと取り除いた方が、食感がよくなります。
◆スナップエンドウのゆで方
1.鍋に水と塩(水500ccに塩小さじ1)を少々入れます。
2.お湯が沸いたら、スナップエンドウを入れて、1分~2分ほどゆでます。
スナップエンドウの量や好みの固さでゆで時間を調整します。
ゆでている途中にスナップエンドウが浮いてくるので、ときどき上下をひっくり返すように、ハシを入れます。
3.ゆで終わったら、ザルにあけて、すぐに冷水に浸けます。
冷たい水に浸けることで、サヤの色が悪くなるのとさらに柔らかくなるのを防止します。
4.10~30秒経ったら、ザルにあげて、水気を切ります。
大量にスナップエンドウを買ったときは、キッチンペーパーで余分な水分をふき取って、冷凍用保存袋に入れて冷凍してもOKです。
ビタミンCは水溶性ビタミンで、熱に弱く、水に栄養が流出しやすいので、加熱しすぎないように、よく見ておきましょう。
炒め物に使うときは、両側のスジを取れば、下ゆでの必要はなく、そのまま料理に使えます。
簡単レシピ:スナップエンドウと卵の炒め物
◆材料(2人分)
スナップエンドウ:10~15本
卵:2個
油:大さじ1/2~1
塩コショウ:少々
※ベーコンや鶏肉、小エビなどを入れても美味しいです。
◆作り方
1.フライパンに油を入れて、火にかけます。
2.スナップエンドウを入れて1~2分炒めます。
※スナップエンドウを軽く下ゆでしてもよいです。
3.溶き卵を入れて、大きくかき混ぜて、ふんわり半熟状になったら、スナップエンドウと合わせます。
4.塩コショウを加えて、味を整えます。
グリーンピース(実えんどう)
冷凍のグリーンピースは年中手に入りますが、生の方が風味が圧倒的によいので、旬の時期は積極的に食べたいマメ科の野菜です。
グリーンピースは、えんどうの未成熟の実(膨らんでいるが柔らかい実)のことです。
えんどう豆はグリーンピースを成熟させたり、乾燥させたりした豆のことを指します。
ピラフやシュウマイ、かに玉の彩りとして使われることが多いですが、豆ごはん(グリーンピースごはん)やスープ、煮物に使うと水溶性ビタミンも逃さず摂取できます。
◆旬の時期
3~6月
◆おもな産地
和歌山、鹿児島、熊本
◆選び方
・実入りがよく、サヤがふっくら盛り上がっている。
・表面が白く乾いていない。
サヤから実を取り出すと、鮮度が急激に下がるので、グリーンピースはサヤ付きを選んだ方が良いです。
糖質、たんぱく質、食物繊維が豊富
野菜には少ない、体のエネルギー源となる糖質やたんぱく質が豊富です。
ほかにも糖質や脂質をエネルギーに変えるのに必要な、ビタミンB1やB2も含まれています。
グリーンピースに含まれる栄養素のなかでも、食物繊維の含有量は野菜としてはトップクラスに多く、特に不溶性食物繊維の割合が高いです。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して腸内で膨らみ、排泄を促す整腸作用があり、便秘を解消したり、有害物質を体の外に排出したりするのに効果的です。
さやえんどうと同じように、抗酸化作用があるβカロテンも多く含まれています。一方でビタミンCは1/3と少なめです。
実は日持ちしないので、すぐにゆでる
ポリ袋に入れて、冷蔵室で保存します。
あまり日持ちしないので1~2日のうちに使い切れない場合は、冷凍保存が適しています。
サヤから取り出して、固めにゆでて、冷ましたあと、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
グリーンピースの下処理、ゆで方
1.サヤから豆を取り出します。
2.鍋に豆と、豆が浸るくらいの水、塩を少々入れて、火にかけます。
3.沸騰したら、中火に弱めて、2~3分ゆでます。
火を止めたあと、そのまま冷ますことで、シワなくふっくら仕上がります。
独特の青くささが気になるときは長めにゆでる
グリーンピースは「青くさいニオイが苦手」と感じる人は多いと思います。
青くさいニオイは「ヘキサナール」という香り成分で、生野菜や雑草にも含まれています。
「ちょっと青くさいな」と思ったときは、さらに少し長めにゆでると、独特の香りが抜けやすいです。
簡単レシピ:グリーンピースごはん
◆材料
米:2合
グリーンピース:実の状態で100g前後
塩:小さじ1/2
酒:大さじ1
昆布:5cm角を1枚
◆作り方
0.グリーンピースを4~5分ゆでて、そのまま冷ます。「グリーンピースのゆで方」を参照
1.米を洗い、目盛り分の水を入れる。(グリーンピースのゆで汁を入れてもOK)
2.塩、酒昆布を入れて、ご飯を炊く。
3.ご飯が炊き上がったら、グリーンピースの水気を切り、ご飯に混ぜ合わせる。
4.塩気が足りないときは、塩を追加で振り、味をととのえる。
グリーンピースごはんの作り方は、おもに2通りあります。
・グリーンピースをゆでておき、ご飯が炊き上がったタイミングでグリーンピースを入れて混ぜる。
・生のグリーンピースと米を一緒に炊く。
グリーンピースにシワが入らず、好みの固さに仕上げたいときは1の方が向いています。
関西では主流の「うすい豆(うすいえんどう)」
うすい豆(うすいえんどう)は、中の未成熟の実を食べる「実えんどう」の一つです。
産地は和歌山県で、昔から関西で親しまれているため、関東での流通は少ない傾向にあります。
地域ブランドとして「紀州うすい」が有名です。
実が大粒で、繊細な甘みと、ホクホクした食感が特徴的です。
グリーンピースとの違いは、皮が薄く、独特の青くささも少ないことです。
そのため「グリーンピースはニオイが苦手…」という人でも食べやすいので、春の味覚「豆ご飯」も作りやすいです。
◆旬の時期
3~5月
◆おもな産地
和歌山県
※豆ご飯にするときに必要な豆の分量は、以下の通りです。
米2合:豆200g~300g
米3合:豆400g
米4合:豆500g
その他、春が旬の豆野菜「そら豆」
今回はえんどう豆に関係する野菜を紹介しましたが、「そら豆」も春が旬です。
植物性たんぱく質が多く、ビタミンB群やビタミンC、鉄などもバランスよく摂取できます。
サヤから出したものは鮮度や風味が落ちやすいので、なるべくサヤ付き(キレイな緑色で産毛付きがベスト)で買うのがおすすめです。
冷蔵保存でも2~3日程度しか持たないので、食べ切れる量を購入しましょう。
そら豆はサヤから1粒ずつ取り出したあと、黒い部分の反対側に浅く切り込みを入れて、塩ゆでにします。
鍋に水500ccに対して大さじ1/2の塩を入れて、1分半~3分ゆでると、塩味がしっかりきいた、ゆでそら豆に仕上がります。
またサヤごとグリルやオーブントースターに入れて、皮が焦げるまで焼いた「焼きそら豆」も美味しいです。
夏が近付くと、インゲン豆やえんどう豆(完熟した実を乾燥させたもの)、枝豆が出回ります。
春野菜にはほかにも「春キャベツ」や「新じゃが」「新玉ねぎ」もあります。
いずれの野菜もみずみずしく、柔らかいので、春の訪れを感じさせてくれます。
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