鉄分が多い定番野菜ランキングTop10!貧血解消&栄養を逃さず摂取する食事法
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鉄分は血液中の酸素を運ぶ「ヘモグロビン」を構成する重要な成分の一つです。
鉄分不足になるとヘモグロビンが減少するため、貧血や立ちくらみ、めまい、肩こり、体のだるさ、息切れ、動悸など、さまざまな症状として現れます。
1日に摂取したい鉄分量は「成人男性は10mg、成人女性は12mg」です。
女性の方が摂取量が多いのは、毎月の生理が関係しているためで、生理による鉄分不足を解消するために必要な鉄摂取量は1日3.64mgが目安です。
鉄分の摂取には「鉄分を多く含む食品を食べる」ことが必要になります。
鉄には、おもに肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。
今回はスーパーや八百屋でよく見かける定番野菜のなかで、鉄分が多い野菜をランキング形式で紹介しします。
※100gあたりの鉄分含有量は「生」野菜を基準にしています。ゆでたり炒めたりすると、野菜によって鉄分量が増減します。
葉物野菜は、おひたしにすると1人分は約50gになるので、1食あたりに摂取できる鉄分量は( )内の1/2が目安です。
この記事の目次
鉄分が多い野菜ランキングTop10
鉄分が多い野菜の特徴は「青菜類」であること。一方で淡色野菜や黄赤色野菜には少ないです。
◆青菜(あおな)
青い(=緑)色の菜の総称です。
青菜:小松菜、ほうれん草、大根菜など
◆淡色野菜
緑黄色野菜以外の野菜のこと。厚生労働省の基準では「原則可食部100gあたりカロテンの含有量が600μg未満の野菜」を指します。
淡色野菜:キャベツ、白菜、玉レタス、セロリ、カリフラワーなど
◆黄赤色野菜
緑黄色野菜の「緑」以外の総称です。
黄色野菜:かぼちゃ、にんじん、パプリカ(黄)、ズッキーニ(黄)
赤色野菜:トマト、パプリカ(赤)
鉄分は豆類にも多く含まれています。
今回は「野菜」を紹介しているので、野菜に分類されない豆、豆製品に関しては除外しています。
1位:パセリ(7.5mg)
定番野菜のなかでもっとも鉄分が含まれているのは、以外にもパセリです。
パセリには、脂溶性ビタミン「ビタミンK」も豊富に含まれており、骨を丈夫にしたり、血を止めやすかったりする働きがあり、骨粗しょう症や動脈硬化の予防にも効果があるといわれます。
【食べ方】
料理の添え物として使われるパセリの量は、1切れ1g程度なので、鉄分量としては0.075mgくらいしか摂取できません。
パセリをたくさん食べる方法としては「パセリサラダ」が人気ですね。
中東の料理に「タプーリ(タプーレ)」というパセリが主役のサラダがあり、パセリをちぎり、トマトや玉ねぎをみじん切りにして、レモン汁やオリーブオイル、塩、こしょうと和えるだけで完成します。
【選び方】
葉が瑞々しく緑色が濃いもの。葉先が開いていないもの。
2位:大根の菜・切り干し大根(3.1mg)
大根の葉には、脂溶性ビタミン「ビタミンA」と「ビタミンK」が多く含まれています。
ビタミンAには、新陳代謝を高めたり、皮膚や粘膜の乾燥を防いだりする働きがあります。
ちなみに葉大根の鉄量は1.4mgと、大根の葉の1/2以下。
ほかの栄養素も大根の葉よりも劣るので、栄養的な観点から言えば、大根の葉を食べた方が体によいです。
【食べ方】
大根の葉100gは「葉付き大根1本分の量」くらいで、加熱するとかさが減って食べやすくなります。
脂溶性ビタミンは、名前通り「油に溶けやすいビタミン」で、油と一緒にすると吸収率が高まるので、調理法は油炒めが向いています。
大根の葉の定番料理は「ふりかけ」で、細かく刻んで、ごま油で炒めて、しょう油や酒で味付けをします。
かつお節やちりめんじゃこと合わせると、より栄養価がアップします。
【選び方】
葉:青色でみずみずしいもの
大根を干して乾燥させた「切り干し大根」にも鉄分が多く含まれています。
以前は「100gあたり9.7mg」と定番野菜のなかでトップクラスの含有量でしたが「日本食品標準成分表の改訂版(2015年)」では3.1mgとなり、1/3まで減少しています。
これは「加工段階に使われる包丁が、以前は鉄製の包丁だったが、ステンレス製の包丁に代わったため」という理由によるもので、同じような現象はヒジキでも起きています(55mgから6.2mgに減少)。
それでも大根の葉と同量の鉄分が含まれており、大根の葉よりも簡単に入手しやすいので、手軽に鉄分補給が行なえますね。
大根の葉と比較すると、ビタミンAやビタミンKはまったく含まれていませんが、ビタミンB群や食物繊維は何倍も多くなっています。
ビタミンB群には、エネルギー(糖質、脂質、たんぱく質)の代謝を促したり、免疫力を強化したりする働きがあります。
【食べ方】
切り干し大根、煮物、サラダ
4位:菜ばな(2.9mg)
菜ばなは、アブラナ科のなかでも鉄分量が多い葉野菜です。
ビタミンAやビタミンK、葉酸、ビタミンC、ビタミンEなども多く含まれており、肌を健康的に保つ栄養素がバランス良く摂れます。
春野菜の代表格で、ほとんど春の季節にしか見かけない食材なので、旬の味覚として味わって欲しい野菜です。
花が咲くとエグミが増すので、つぼみが開いておらず、葉や茎がやわらかくハリがあるものを選びます。
【食べ方】
おひたし、和え物、煮浸しなど、ゆでて食べることが多いです。1人分の量は50gほど。
菜ばなは葉菜のなかでも傷みやすいので、早めに料理することで栄養価を逃さないようにします。
5位:小松菜(2.8mg)
鉄分を多く含む葉野菜は「ほうれん草」のイメージが強いのですが、実は小松菜の方が2倍以上多く含んでいます。カルシウムもほうれん草の3倍以上。
貧血や骨粗しょう症予防で野菜を食べたくて、ほうれん草と小松菜で迷ったときは、小松菜を選ぶことをおすすめします。
小松菜は一年中出回る葉野菜ですが旬は冬。
冬の寒さで寒締め栽培された「ちぢみ小松菜」は旨味が濃厚で美味しいです。
【食べ方】
たんぱく質を多く含む食材と一緒に調理すると、鉄分とカルシウムの吸収が高まります。
小松菜と相性の良いたんぱく質を含む食材は多く、たとえば「小松菜と厚揚げの煮浸し」「小松菜と油揚げのみそ汁」「小松菜の白和え」、「小松菜の卵とじ」などは代表的ですね。
6位:枝豆(2.7mg)
枝豆は「豆」ではありますが、大豆や豆製品とは違い「野菜類」に分類されており、豆と野菜の両方のよい部分を兼ね備えています。
枝豆には葉酸や銅、ビタミンK、マグネシウム、たんぱく質も多く含まれています。
葉酸はビタミンB12と共に血液を作ったり、銅は鉄から血液中の赤血球が作られるのを助けたり、たんぱく質には非ヘム鉄の吸収率をアップしたりする働きがあり、イメージ以上に貧血を予防する効果に優れています。
枝豆に含まれる「メチオニン」には、アルコールの分解や肝機能の働きを助ける作用があり「ビールと枝豆」の組み合わせは合理的と言えますね。
【食べ方】
塩ゆでするのが一般的な食べ方です。
食べる枝豆の部分は1さやあたり約2~3gなので、100g食べるには約30~50さやの枝豆を用意する必要があります。
7位:サラダ菜(2.4mg)
サラダ菜は主要なレタスのなかでももっとも鉄分量が高い野菜です。
葉は柔らかく、苦味やえぐみもないので、名前通り「サラダ」として生で食べるのに適しています。
サラダ菜にはビタミンKやビタミンAも多く含むので、吸収率を高めるために油系の食材やドレッシングと一緒に食べると良いです。
ただしサニーレタスと比較すると、全体的な栄養価は「やや低め」。鉄分補給にはサラダ菜、それ以外にはサニーレタス、という感じでしょうか。
【食べ方】
定番はサラダですが、葉が柔らかくて1枚1枚がちょうどよい大きさなので、焼肉や野菜を巻いたりして食べるのにも適しています。
8位:水菜(2.1mg)
水菜は京都原産の野菜で「京菜(きょうな)」とも呼ばれます。
ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれており、栄養バランスの良いサラダを作りたいときにも適しています。
【食べ方】
水溶性ビタミンを多く含むので、生のままサラダや付け合せとして食べるのがおすすめです。
さらに貧血予防に特化させるならば、ゆでたささみ(たんぱく質)と合わせたり、パセリやパプリカ、ブロッコリーなどビタミンCの多い野菜と合わせたりします。
ドレッシングもノンオイルよりもオイル系の方が、脂溶性ビタミンの吸収率がアップして、栄養素を逃さず食べられます。
8位:カブの葉(2.1mg)
大根と同じく、根よりも葉の方が栄養価が高いです。
葉は緑黄色野菜に分類されるほど、脂溶性ビタミンのカロテンやビタミンKの含有量が多く、カリウム、カルシウムも多く含まれます。
【食べ方】
脂溶性ビタミンは油と一緒に炒めると吸収率がアップします。
細かく刻んでジャコと一緒に油炒めをして「ふりかけ」にすると、さらにカルシウムが取れる料理になりますね。
根に含まれるビタミンCや消化酵素(ジアスターゼ)は、熱に弱いので、薄くスライスしてサラダにすると良いです。
10位:ほうれん草(2.0mg)
ほうれん草の鉄分量は小松菜と比較すると少ないのですが、カリウムとマグネシウム、ビタミンA、ビタミンK、葉酸、ビタミンEを多く含んでいます。
造血作用がある成分を多く含むので、油やたんぱく質と一緒に摂ることで、さらに貧血解消に効果を発揮します。
ほうれん草の旬は「冬」。
栄養価は夏取りと冬取りで、ほぼ同じですが、唯一ビタミンCは冬の方が3倍も多く含まれています。
【食べ方】
ほうれん草はアクが強い野菜なので、ゆでてアクを抜いてから調理をします。
おひたしが一般的ですが、ごまやピーナツ、豆腐など「和え物」にしたり、卵を入れたり(卵とじ、オムレツ、キッシュなど)すると、栄養価と吸収率がアップします。
最近は「サラダほうれん草」のように、アクが少ない品種もあり、そのままサラダにして食べると、加熱や水による栄養価の流出が少なくて済みます。
野菜から鉄分を摂取する為の食事法
食品に含まれる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。
肉や魚などの動物性食品に含まれるのが「ヘム鉄」、野菜や大豆などの植物性食品に含まれるのが「非ヘム鉄」です。
ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いは吸収率にあります。
- ヘム鉄の吸収率:15~25%
- 非ヘム鉄の吸収率:1~5%
ヘム鉄はたんぱく質と結合しているため、食物繊維やタンニンなどの影響を受けにくく、吸収率が良いという特徴があります。
一方の非ヘム鉄は吸収率が悪く、同じ量の鉄分を摂取してもヘム鉄の1/3~1/10程度しか体に吸収されません。
日本人が食事から摂取する鉄分のほとんどが、吸収率の悪い「非ヘム鉄」と言われます。
鉄分を多く含む野菜をたくさん食べても、思っている以上の鉄分解消効果が期待できない場合があり、食べ方に工夫が必要です。
鉄の吸収を妨げる食品は避ける
元々吸収率の悪い植物性の鉄分の吸収を妨げるものとして、代表的なものが食物繊維です。
食物繊維には鉄とくっつき、腸での鉄分の吸収を妨げます。
ほかにも「タンニン」や「フィチン酸」、「シュウ酸」にも、鉄分の吸収を抑制する効果があります。
そのため、鉄分の多い食品を、鉄分不足解消の目的で食べる際は、以下のような各栄養素を多く含む食品と一緒に食べることは避けた方が良いです。
- 食物繊維:こんにゃく、キノコ、ひじき、寒天、おから、海藻類、豆類
- タンニン:緑茶、烏龍茶、コーヒー、ワイン
- フィチン酸:玄米、豆腐
- シュウ酸:ほうれん草、イモ類、大豆類
ビタミンC、タンパク質と一緒に摂って吸収率アップ
吸収率の悪い非ヘム鉄は、ビタミンCやタンパク質(アミノ酸)を多く含む食品と同時に摂取することで、吸収率が高まります。
◆ビタミンC
ビタミンCには、鉄分や亜鉛などの貧血予防成分の体内への吸収率を高める作用があります。
野菜や果物にもっとも多く含まれており、パプリカやパセリ、とうがらし、ブロッコリー、ゴーヤ、柑橘系(ゆず、すだち、レモン)、アセロラ、キウイなどが挙げられます。
ビタミンCは温度や湿度、紫外線などの影響を受けやすく、時間が経てば経つほど失われていく栄養素です。水溶性ビタミンなので、水で洗い過ぎると流れ出たり、加熱すると壊れたりします。
効率良くビタミンCを摂取するために、以下のような料理法・食べ方をおすすめします。
- できるだけ新鮮なものを生で食べる
- 水で洗った後に細かく切ったり、ちぎったりする
- 加熱時間は短時間にする
- 流れ出たビタミンCごと摂取できるようにスープや汁を飲む
◆たんぱく質(アミノ酸)
たんぱく質は血液中のヘモグロビンの原料となる栄養素です。
ヘモグロビンは酸素とくっつき、体中に酸素を運ぶ働きをします。
たんぱく質を摂取すると、体の中で20種類のアミノ酸に分解されます。
アミノ酸には非ヘム鉄を安定させて、吸収率を高める効果があります。専門用語では「キレート」と呼ばれます。
たんぱく質を多く含む食品としては、魚、肉、豆、乳製品が代表的です。
赤身の肉や魚、豆には鉄分も多く含んでいるので、積極的に摂取したい食品です。
ヘム鉄を含む食品も一緒に摂る
ヘム鉄と非ヘム鉄を一緒に摂取すると、吸収率が高まります。
ヘム鉄は肉、魚、貝類に多く含まれます。肉や魚に関しては、赤身が濃いほど、鉄が多く含まれている傾向にあります。
たとえば、レバー、ハツ、ミノ、赤身肉(モモ、カタ、ロース、ヒレなど脂肪分が少ない部位の肉)が代表的ですね。
ちなみに貧血の原因には「ビタミンB12の不足」も挙げられます。
鉄分の不足による貧血は「鉄欠乏性貧血」、ビタミンB12の不足による貧血は「悪性貧血」と、足りない栄養素によって起こる貧血に違いがあります。
ビタミンB12は野菜や果物にはまったく含まれていない栄養素なので、特にベジタリアンやマクロビオティック実践者は悪性貧血になりやすいです。
貝類(しじみ、あさり)や、レバー、魚(さんま、メザシ)などに、ビタミンB12は多く含まれているので、こちらも意識的に取りたい食品です。
鉄分は食事での摂取がおすすめ
鉄は通常の食事からの摂取であれば、過剰摂取になる心配はありません。
ただしサプリメントや鉄強化食品(『1日分の鉄分』、『鉄分強化』などの表記がある食品)、鉄剤を不適切に利用すると過剰摂取の危険性が高まります。
あくまでも「食事だけでは足りないときの補助的に使うもの」という認識で利用することをおすすめします。
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