実は輸入農産物は危険がいっぱい?ポストハーベスト農薬の問題とは
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ポストハーベスト農薬とは、収穫後の農産物に使用される殺菌剤や防カビ剤のこと。正式名称はPostharvest Application(収穫後の農薬使用)と言います。
外国で生産された農産物(穀物、野菜、果物)は、長期間をかけて日本へと運ばれてくるので、どうしても害虫やカビなどが発生しやすくなります。
ポストハーベスト農薬の使用は、品質の劣化や商品価値が下がることを防ぐために欠かせません。
ただし人体への影響が危険視される薬剤が使用されることもあり、食の安全性を考えると、できれば避けたいものの一つです。
普段の買い物では意識する機会が少ないけれど、知っておきたい「ポストハーベスト農薬」についご紹介します。
ポストハーベスト農薬とは?
農薬ではなく「食品添加物」扱い
食品衛生法では、食品添加物を「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と規定しています。
そのため、収穫後の農産物(=食品)に使用される殺菌剤や防カビ剤は食品添加物扱いになります。多少ややこしいですね。
使用される薬剤と輸入農産物
現在、防カビや殺菌剤として使用が認可されている食品添加物は以下の9種類です。
- オルトフェニルフェノール(OPP)/オルトフェニルフェノールナトリウム
- ジフェニル(DP)
- チアベンダゾール(TBZ)
- イマザリル(IMZ)
- フルジオキソニル(Fl)
- アゾキシストロビン(Az)
- ピリメタニル(Py)
- ジフェノコナゾール
- プロピコナゾール
ポストハーベスト農薬としては「イマザリル、チアベンダゾール、オルトフェニルフェノール、ジフェニル」の4種類が有名所でしたが、近年になって3種類が追加された形です。
上記の食品添加物を使用した場合、包装容器や商品陳列棚に食品添加物の表示があるので、商品を見たときにポストハーベスト農薬が使われているかどうかの判断できます。
輸入農産物(穀物、野菜、果物)のなかで、ポストハーベスト農薬の使用の可能性がある食品をまとめてみました。どれもスーパーで見かけることが多い、身近なものばかりですね。
- 小麦
- 大豆
- 米
- とうもろこし
- じゃがいも
- かぼちゃ
- ナッツ
- 柑橘系(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)
- バナナ
- チェリー
使用による危険性とは?
ポストハーベスト農薬として使用される薬剤のなかには発ガン性や催奇性など、人体へ影響を与える可能性がある成分が含まれているものもあります。
農産物に栽培中に使用するものよりも濃度が強い薬剤を、農産物に直接散布したり、浸けたりしているぶん、残留する農薬(食品添加物)は、どうしても多くなります。
「高い濃度を保ったままポストハーベスト農薬が残留することで、人体に何らかの影響が大きくなるのでは?」と使用を危険視する人も少なくないのは納得の理由ですね。
ただし、収穫前に農薬として使用、または収穫後にポストハーベスト農薬として使用する場合でも、残留濃度は基準値以下にする必要があり、すべての農薬や食品添加物(ポストハーベスト農薬を含む)の残留基準値は決められています。
残留基準値は一日摂取許容量に基づくもので、一日摂取許容量内であれば人体や健康への影響はほとんど心配がないです。
ポストハーベスト農薬の心配を減らす方法
「たまに輸入農産物を食べる」程度であれば、それほど危険視しなくても良さそうですが、それでも摂取しないに越したことはありません。
日本は農産物の多くを輸入に頼っているため、毎日の食生活からポストハーベスト農薬を含む食材を完全になくすことは難しいです。
- 国産、自分が住んでいる地域に近い農産物を選ぶ。
- 原産地や生産者を確認する。
- 輸入農産物は皮を取り除いて食べる。
……などの方法をとることで、できる限りポストハーベスト農薬の摂取を減らすことができます。
またOisixやらでぃっしゅぼーや、大地を守る会などでは「ポストハーベスト処理された農作物は一切取り扱いません」と明言しているところもあります。
有機や減農薬栽培、ポストハーベスト農薬、残留農薬などに関心がある人は、有機野菜系の食材宅配サービスも利用の視野に入れておくと良いかもしれませんね。