じゃがいもの5通りの保存方法、美味しく長持ちさせるには野菜室が一番?!

※記事内に広告を含む場合があります

当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。

※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

じゃがいもと麻袋

野菜のなかでも、じゃがいもは保存性が高く、大量に収穫、購入しても日持ちがします。

じゃがいもの保存で大切なのが「保存する温度」と「発芽や天然毒素(ソラニンやチャコニン)の抑制」です。

最後の1個まで美味しく食べるために欠かせない、じゃがいもの適切な保存方法について紹介します。

夏場以外は冷暗所で保存(3ヶ月)

基本的には、新聞紙や紙袋、根菜用の保存袋にまとめて入れて、冷暗所で保存します。

冷暗所とは1~14℃(常温:15~25℃より低い温度)で、通気性がよく、日が当たらない涼しい場所のことです。

たとえばベランダ、廊下、車庫、納戸、シンク下、床下収納、食器棚、キッチンラックなどが挙げられます。

夏場など気温が高い時期は、冷暗所にしている場所も温度が高くなり、保存場所に適さなくなるので、野菜室に移し替えるなどします。

保存時は期間・日光・温度に注意

じゃがいもが芽を出す理由は「休眠期間明け」「光」「温度」などが大きく関係します。

◆休眠期間
休眠期間とは「芽が出ない期間」のことで、休眠期間が明けると芽が出始めます。

じゃがいも収穫後、2~3ヶ月は「休眠期間」なので、発芽する条件がそろっていても芽が出ません。

収穫後のじゃがいもは、基本的に倉庫で保管後、出荷されるので、スーパーなどで購入時には休眠期間が過ぎている可能性もあります。

そのため「なるべくじゃがいもの発芽条件を満たさないように保存する」ことが大切です。

ちなみに品種によって休眠期間には違いがあります。

【休眠期間が短い】インカのめざめ<メークイン、キタアカリ<男爵イモ、ホッカイコガネ【休眠期間が長い】

たとえば「家庭菜園でじゃがいもを大量収穫したあとに、長期保存したい」と思う場合は、栽培する品種も意識してみるとよいと思います。

◆光
直射日光に当てると、じゃがいもが発芽しやすくなります。これを「浴光育芽」と言います。

また日光に当たることで、光合成により皮が緑色に変色します。

緑色になった部分には、ソラニンやチャコニンなどの天然毒素が多く含まれており、中毒症状を引き起こす原因になります。

発芽防止や安全性のためにも「冷暗所(暗くて冷たい場所)で保管する」や「新聞紙で包む」など、陽に当たらない対策が必要です。

◆温度
じゃがいもが発芽する温度は、15~20℃が目安です。

5℃以下になると発芽が抑制されるので、冷暗所(1~14℃)での保存が適しています。

夏場の暑い時期になると、冷暗所の場所でも適温以上になりやすいので、野菜室(3~8℃)に入れた方が長持ちします。

ちなみに植物から放出されるエチレンガスは、野菜や果物の追熟を促す植物性ホルモンとして知られています。

じゃがいもの場合は、エチレンガスの影響を受けると発芽がしにくくなるという特徴があります。

たとえばエチレンガスの放出が多く、同じ冷暗所で保存するのに適したリンゴと一緒に保存するとよいです。

ただし「エチレンガスの濃度や保存期間が不適切だと、発芽を助長する」というデータもあるので、無理に一緒にしなくても構いません。

夏場や長期保存には冷蔵庫(野菜室)が最適

じゃがいもの保存に適した温度は「3~5℃」「10~13℃」(適温は諸説あり)です。

夏場など冷暗所での保存が温度的に難しいときは、野菜室に移した方が日持ちします。保存期間は約6ヶ月と、冷暗所よりも2倍近く保ちます。

1.じゃがいもをまとめて新聞紙で包みます。
2.ポリ袋やレジ袋に入れて、軽く袋の口を閉じます。

じゃがいもは0℃近くの低温で保存すると、デンプンを分解して、糖に変える(糖分が多いと凍りにくくなる)ことで、甘みが増します。

北海道産の越冬じゃがいもが甘くて美味しいのは、上記のじゃがいもの性質を利用して、低温貯蔵庫で長時間保存しているためです。

ただしホクホク感が減り、揚げ物にすると(糖分が多い影響で)黒っぽい仕上がりになります。

じゃがいもを調理する前に、20℃の温度環境で1週間ほど置いておけば、糖が消費されるので、焦げにくくなります。

カット済みは水に浸けて冷蔵室へ

皮をむいて切ったじゃがいもを保存するときは、タッパーにじゃがいもと浸るくらいの水を入れて、冷蔵室で保存します。

切った状態のまま置いておくと、じゃがいもに含まれるデンプンやポリフェノールなどの成分が、空気に触れて酸化することで、茶色や黒色へ変色します。

水に浸けることで、変色を防止して、次回使うまでにキレイな状態で保存できます。ただし味は落ちてくるので、数日内に早めに使い切りましょう。

美味しく冷凍保存する方法

家庭の冷蔵庫でじゃがいもを冷凍すると、じゃがいもに含まれる水分が凍り、氷状になることで、体積が膨らみ組織が壊れます。

じゃがいもの水分量は約80%と高く、解凍すると水や旨味成分が多く抜けて、スカスカな状態になり、食感や味がかなり落ちます。

美味しさを保ったまま冷凍保存するには、おもに2通りの方法があります。

  • マッシュポテトにする
  • そのままor半加熱で冷凍。冷凍状態で加熱調理する

その際「薄く平べったくして、厚みを均一にする」「ラップや保存袋の空気を抜く」「金属バットに置く」などして、素早く凍らせたり、冷凍による細胞破壊を抑えたりすることで、食感や旨味をキープします。

ちなみに三菱電機の一部の冷蔵庫には、冷却時の細胞の破壊を最小限に抑える「切れちゃう瞬冷凍」という機能を備えた冷凍室があります。

細胞破壊の原因となる氷核を一瞬で食品全体に形成して、均一に微粒子の氷結晶を作ることで、解凍しても食感やうまみ成分を維持できます。

マッシュポテトにする

マッシュポテト

じゃがいもを潰して冷凍保存するメリットは、解凍後も食感が損なわれにくくなることです。

すでにマッシュ済みなので、ポテトサラダやコロッケ、ビシソワーズ、グラタンなどの料理にすぐに使えます。

1.ゆでるor電子レンジで加熱します。皮は完全に取り除きます。
2.マッシャーなどを使って、じゃがいもを形がなくなるまで潰します。
バターや牛乳を加えると、より滑らかに仕上がります。
3.冷めたあと、使いやすい分量に分けて、それぞれラップで薄く平たくした状態で包み、空気を抜きます。
4.冷凍保存用袋に入れて保存します。
または冷凍保存用袋にそのまま入れたあと、平らに伸ばして、使い切る分に合わせて、菜箸を押し当てて、小分け状にする方法もあります。

保存目安期間:1ヶ月(できれは2週間程度で使い切る)
解凍:自然解凍、電子レンジで加熱、調理時に加熱

そのままor半加熱で冷凍

冷凍ポテト

1.クシ型切り、細切りなどにカットします。
2.加熱処理(色付かない程度に素揚げ、半ゆでや電子レンジで加熱)をして、油や水気を切ります。
またはそのままの状態で3へ。
3.なるべくじゃがいも同士が重ならないように、冷凍保存バッグに入れて保存します。

じゃがいもは解凍時時に水分が抜けることで、ボソボソの状態になるので、凍ったまま高温で調理すると、食感や味が損なわれにくくなります。

保存目安期間:1ヶ月
解凍:調理時に加熱

フライドポテト、炒め物などが定番の使い方ですが、ほかにも一口大に切って煮物に使うこともできます。

冷凍しているぶん、早く火が通りやすく、中まで味が染みやすいのですが、特に表面部分は煮崩れしやすいので、調理には注意が必要です。

個人的にもっともハズレがない調理法だと思うのは、冷凍状態で揚げること(フライドポテト)です。

ちなみに業務用の冷凍じゃがいも(乱切り、フライドポテト、クオーターカットなど)は、事前にゆでるなど加熱処理をしたあと、急速冷凍されています。

「生や半調理の冷凍じゃがいもって美味しく食べられるの…?」と疑問に思うのであれば、冷凍ポテトを買ってみて、色々と試してみるのもよいかもしれません。

天日干しで美味しさアップ

野菜は干すと生とは違った食感になり、甘みや旨味が増します。

干しじゃがいもの切り方は、クシ型切り、輪切り、薄切りが定番で、切り口の断面が大きいほど、水分が抜けやすくなります。

切り方を変えることで食感や使える料理に幅が広がります。

干し野菜は皮ごとが基本ですが、じゃがいもの皮には、中毒症状を引き起こす原因となるソラニンやチャコニンが多く含まれているので、できれば皮をむいてから干した方が安心です。

◆半干し
1.ザルや網に、野菜同士がくっつかないように並べます。
2.日当たりがよく、風通しが良い場所に置きます。
3.数時間~半日ほど干します。
途中で上下をひっくり返して、全体的に水分が抜けるようにします。
4.表面にシワが寄ったり、しんなりしたら完成です。

冷蔵室で1週間を目安に保存が可能です。

半干しのじゃがいもは、素揚げにして塩を振ってフライドポテトにしたり、フライパンで炒めたりして食べます。

◆電子レンジで加熱
1.耐熱皿に薄切りにしたじゃがいもを並べます。
2.電子レンジで約3分、ひっくり返して約2分加熱します。

仕上げに塩をふれば、野菜チップスとしてそのまま食べられます。

じゃがいもの保存方法をおさらい

じゃがいもは日持ちがするぶん、いつから保存したか分からなくなりやすい野菜でもあります。

美味しいうちに食べ切ってしまえるように、メモ用紙やマスキングテープなどを使って「保存開始の日付/保存期間/個数」を書いておくことで、使い忘れを防げます。

◆冷暗所
用途:じゃがいもの通常保存。
方法:新聞紙で包み保存。
保存期間:約3ヶ月

◆冷蔵室
用途:切ったじゃがいもの保存。
方法:タッパーにじゃがいもと浸る程度の水を入れる。
保存期間:数日

◆野菜室
用途:丸ごとじゃがいもの長期保存。夏場の保存場所。
方法:新聞紙で包み、ポリ袋に入れて、軽く袋の口を閉じる。
保存期間:約6ヶ月

◆冷凍室
用途:加工したじゃがいもの保存。
方法:マッシュポテトや切ったじゃがいも(生or加熱処理)を冷凍用保存袋に入れる。
保存期間:約1ヶ月

関連記事
この記事の執筆者
執筆者のおすすめ記事を読む
はじめての有機野菜と食材宅配の管理人を務めています。様々な食材宅配サービスやデリバリーサービスを体験し、気づいたことや学んだことをわかりやすく伝えていきます。どうぞよろしくお願いします。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2023年11月10日 更新)

ありがとうございます。

Oisix
コープデリ