野菜や果物はビタミンDなし?植物性食品から取るにはキノコ一択
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ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて、丈夫な歯や骨を作ります。
一日に必要なビタミンDは「ビタミンDが含まれる食品を食べる」と「日光(紫外線)を浴びる」で充分にとれるので、普段の生活で不足する心配はありません。
ただしまったく日光を浴びなかったり、ビタミンDを含む食品を食べなかったりして、ビタミンDが不足すると子どもは成長障害、大人は骨粗しょう症や骨軟化症になる可能性があります。
植物性の食品からビタミンDがとれるのは、ほぼキノコ類に限定されており、野菜、果物、豆類、イモ類、穀類にはまったく含まれていません。
この記事の目次
1日の食事摂取基準
ビタミンDの1日の食事摂取基準は以下の通りです。
耐容上限量は目安量の約18倍と多いので、食事からの過剰摂取になる心配は低いです。
目安量 | 耐容上限量 | |
---|---|---|
成人男性 | 8.5μg | 100μg |
成人女性 | 8.5μg | 100μg |
妊婦 | 8.5μg | 100μg |
授乳婦 | 8.5μg | 100μg |
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より抜粋
ビタミンDが多いキノコ類は、乾燥きくらげで100gあたり85.4μgを考えても、食品からとり過ぎる心配はありません。
ビタミンDが多いキノコ類Best5
- きくらげ(乾):85.4μg
- 干ししいたけ:12.7μg
- マイタケ:4.9μg
- エリンギ:1.2μg
- ぶなしめじ:0.6μg
動物性食品でビタミンDが多いのが魚類です。カワハギやサケ、マス、ニシン、イワシ、うなぎなどに豊富に含まれています。
吸収率は魚のビタミンDの方が良いので、魚から取ることをおすすめしますが、魚料理がないときにはキノコで代用するという方法も使えます。
きくらげ
きくらげは味は淡白で、コリコリとした食感が面白く、中華料理にしばしば登場するキノコの一つです。
乾燥タイプのきくらげは1年中出回っており、夏~秋は生のものを見かけることもあります。
キノコのなかでもカルシウムが多く、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDと一緒にとれることで、より効率良く摂取できます。
またカリウム、リン、鉄分などのミネラルも多く、骨や血液を健やかに保ち、骨粗しょう症や高血圧の予防にもなります。
保存法
◆常温・冷蔵・冷凍
開封後は密閉できる保存袋に入れて、空気をしっかり抜いて、保存します。
料理法
乾燥きくらげは、水に浸して戻してから使います。
炒め物や中華スープに入れて、食べたときのアクセントにも使うことが多いです。
たとえば、玉ねぎ、ニラ、卵など柔らかい食材と合わせると、きくらげのコリコリした食感がより引き立ちます。
干ししいたけ
干ししいたけは、生のしいたけを乾燥させているぶん、栄養やうま味がギュッと濃縮されている状態です。
しいたけはビタミンB1やB2も多く、抗がん剤に使われる「レンチナン」や、抗ウイルス剤物質の「βグルカン」、うまみ成分で老化抑制の働きがある「グアニル酸」や「グルタミン酸」なども含まれているので、免疫力アップや老化防止にも役立ちます。
保存法
◆常温・冷蔵
開封後は密閉できる保存袋に入れて、空気をしっかり抜いて、保存します。
一度、煮物にしてから冷凍すると、いつでも使えて便利です。
料理法
料理に使うときは、水で戻して煮物や汁物の具材、出汁に利用します。
ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めるので、カルシウムを多く含む食品と一緒に料理することをおすすめします。
たとえば、ヒジキや大豆製品(高野豆腐、厚揚げ、油揚げ、豆腐)などは、干ししいたけとの相性も◎です。
マイタケ
キノコ類のなかでもマイタケに多く含まれている「βグルカン」には、免疫機能を回復したり、腸内環境を整えたりする作用があります。
血圧、血糖値、コレステロールを下げる効果も期待されています。
ビタミンB1やB2も多く含まれているので、炭水化物と組み合わせることで、エネルギー代謝にも有効的です。
選び方
肉厚で茶色が濃く、カサが密着しているもの。
軸の断面が真っ白で、ピンとしたハリがあるものを選びます。鮮度が落ちると水分が出てきます。
保存法
◆冷蔵(保存期間:1週間)
パックに入ったままの状態であれば、フォークで穴を開けて、通気性を良くします。
使いかけは、ペーパータオルに包み、ポリ袋に入れて、冷蔵室で保存します。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
小分けにして、冷凍用保存バッグに入れて冷蔵室で保存します。生、加熱(ゆでる、炒める)はお好みで構いません。
料理法
マイタケに含まれるうまみ成分は水溶性なので、汁物や炊き込みご飯、鍋など、煮汁ごと食べられる料理に向いています。
ほかにも天ぷらや炒め物との相性も良いです。
煮過ぎたり、炒め過ぎたりすると、独特の歯ごたえがなくなってしまうので注意が必要です。
エリンギ
エリンギは「白アワビタケ」とも呼ばれる、歯ざわりが良い食感が特徴的なキノコです。
味や香りは淡白なので、キノコ独特の味や香りが苦手な人でも食べやすいです。
キノコのなかでもビタミンB群やカリウムが多く、食物繊維も豊富に含まれているので、生活習慣病の予防にも効果を発揮します。
そのなかでも「βグルカン」という食物繊維には、免疫力を高める効果が期待されています。
選び方
カサの縁が内側に巻き込んでいて、開きすぎていないもの。
全体的に固さとハリがあり、軸は白く太くて短めを選びます。
エリンギはキノコのなかでも日持ちがしますが、食感が柔らかくなったり、軸が変色し始めたりすると、鮮度が落ちている証拠です。
保存法
エリンギは洗うと味が落ちるので、表面に汚れがついているときは、ペーパータオルで軽くふく程度で充分です。
◆冷蔵(保存期間:1週間)
パックに入ったままの状態であれば、フォークで穴を開けて、通気性を良くします。
使いかけは、ペーパータオルに包んで、ポリ袋に入れて保存します。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
薄切りにして、ラップで包み、冷蔵庫で保存します。
冷凍すると独特の歯ごたえや風味が落ちてしまうので、なるべく冷凍しない方が美味しく食べられます。
料理法
キノコのなかでも味、香りにクセがないので、いろいろな料理に使いやすいです。
加熱しても量が減らず、しっかりとした食べごたえがあるので、ダイエット食にも向いています。
繊維にそって切ると味が染み込みやすく、乱切りや斜め切りにすると、独特の食感が楽しめます。
ぶなしめじ
よく見かけるしめじは、かさが茶色くて丸い「ブナシメジ」と、かさが平たい「ヒラタケ」が代表的です。
ビタミンDが豊富なのはブナシメジですが、ビタミンB群や葉酸、パントテン酸などは、ヒラタケの方が優れています。
どの品種もうまみ成分が多く、食感が良いのが特徴的です。
もともとは苦味も感じやすいキノコでしたが、近年は人工栽培によって苦味が少なく、食べやすいものが出回っています。
選び方
一株にまとまっていて、全体的に締まりがある(カサが密着している)もの。
かさは開きすぎず弾力があり、軸は白く太いものを選びます。
保存法
◆冷蔵(保存期間:1週間)
パックのまま保存する際は、湿気がたまらず風通しが良いように、一カ所を開けておきます。
使いかけは、水気をふき取り、密閉容器やポリ袋に入れて保存します。石付きは料理をするときまで取り除きません。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
根本を切り落として小房に分けます。冷凍用保存バッグに入れて冷凍室で保存します。
加熱する場合は、電子レンジで1分ほど加熱して、粗熱が取れてから冷凍保存をします。
料理法
加熱をしすぎると、独特の香りや歯ざわりがなくなってしまうので、手早く料理することが大切です。
シイタケと同じく、料理前に石付きを取る必要がありますが、小房に分けてから切るようにすると、軸まで切り過ぎることがありません。
とり過ぎや不足によるリスクは?
ビタミンDの食事摂取基準の目安量は成人男性・女性は8.5μgです。妊娠中、授乳中も8.5μgとなっています。
日常の食生活でビタミンDを取り過ぎたり、不足したりする心配はありません。
過剰症:動脈硬化や腎不全
ビタミンDの1日の許容上限量は成人男性・女性で100μgです。
日常生活で取り除きになる心配はほとんどありません。
サプリメントやビタミンD製剤を飲んでいる人に過剰摂取のリスクがある程度です。
過剰摂取になると、血中のカルシウム濃度が増えることで、全身疲労や吐き気、食欲不振などの症状が現れます。
また血管にカルシウムが溜まり、石灰化が起こることで、動脈硬化や腎不全の原因にもなります。
欠乏症:骨軟化症や骨粗しょう症
ビタミンDが不足すると、骨の成長が妨げられることで、骨軟化症や骨粗しょう症の原因になります。
子どもは「くる病」のリスクが高まります。くる病は脊椎や四肢骨が湾曲したり、変形したりする成長障害の一つです。
紫外線対策で、普段から日光を浴びなかったり、日焼け止めや衣服で身体を覆ってたりする人は、ビタミンD欠乏症には要注意。
食生活にビタミンDを多く含む食品を取り入れたり、手のひらで良いので日光に当てるなどして、ビタミンDが不足にならないような対策が必要です。
またビタミンDはカルシウムと一緒に取ると、カルシウムの吸収率が高まります。
料理する時はキノコ単体よりも、切り干しダイコンや大根・カブの葉などのカルシウムの多い野菜と組み合わせることをおすすめします。
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