【海外の有機事情】日本より厳しい?アメリカのオーガニック食品の認定基準

※記事内に広告を含む場合があります

当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。

※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

アメリカのオーガニック食品の事情

2013年9月に日本とアメリカとの間で「有機製品に関する同等性相互認証」が成立。

2014年1月1日から、有機JAS規格または米国有機規格(NOP)に認定された有機製品は、同等性相互認証の範囲内で、両国で「有機」「オーガニック」と表示して販売できるようになりました。

オーガニックの認定や基準は、国ごとによって異なります。

日本では農林水産省の「有機JAS」「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」(2001年「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に変更)。

アメリカでは米国農務省(USDA: United States Department of Agriculture)がオーガニック食品の認定を行なっています。

そのため、最近はアメリカからの「オーガニック食品」も見かけるようになりましたが「同等性」と言っても、日本とアメリカの基準に違いはあるのでしょうか?

アメリカのオーガニック基準

アメリカではオーガニック商品の認証は、全米オーガニックプログラム(NOP:National Organic Program)を用いて行なわれています。

NOPではオーガニックを以下のように定義しています。

オーガニックとは、食品や農産物が認可された方法で生産されたことを示す表示用語です。

その方法には、文化的、生物学的、機械的な利用を取り入れて、資源循環、生態系バランスの促進、生物多様性の保護を行ないます。

合成肥料や下水汚泥、放射線照射、遺伝子組み換えは利用できません。

作物や商品を「有機」として認定・表示されるためには、USDAオーガニック基準のすべての要件を満たす必要があります。

USDAオーガニックの定義

【農作物】
・オーガニック作物を栽培する土地で、少なくとも3年間、禁止物質を使用していない。
・土地の肥沃や作物の栄養は、耕作、輪作、被覆作物※の栽培、動植物性の廃棄物や認可された合成物質による補填によって管理される。
・害虫や雑草、病気は、おもに物理的、機会的、生物学的に管理される。それらが充分ではない場合、国が認めている生物、植物、合成物質を使用する。
・手に入る場合、オーガニックの種子や苗木を使用する必要がある。
・遺伝子組み換え、電離放射線、下水汚泥の使用は禁止。

※被覆作物:地面を覆うように茂る性質のある作物のこと。栽培地が風や雨水で侵食されるのを防ぐために植えられる。

【取扱い】
・すべての非農作物原料は、合成や非合成かどうかに関係なく、国の認可合成・禁止非合成物質リストに含まれている必要がある。
・「オーガニック」と表記する商品で、複数原料が使用されている場合、すべての農作物原料はオーガニック栽培されている必要がある。
・ただしその原料がオーガニックの形で市販されていない、または国の認可原料リスト(205.606)に記載されている場合を除く。
・取扱い業者は、オーガニック商品に非オーガニック食品が混入することや、禁止物質がオーガニック商品に摂食することを防ぐ必要がある。

(参照:Organic Production and Handling Standards

自分たちが生産者している作物や家畜物にオーガニック認定を受ける場合、USDAオーガニックの基準を満たしていること、計画書などの証明資料や商品の提出、検査官による現地視察が必要になります。

オーガニック商品の売上高が年間5,000ドル未満であれば、申請の必要はありません。

基準さえ満たしていれば、認証がなくても「有機」「オーガニック」表記が可能です。
ただしUSDA認証マークは使用できません。

3種類のオーガニック表記

オーガニック認定ラベルは「原材料にオーガニックがどれだけ含まれているか?」で、3種類に分類されています。

  • 100 PERCENT ORGANIC:100%オーガニック原材を使用。
  • ORGANIC:95%以上、オーガニック原材を使用。
  • “MADE WITH” ORGANIC:70%以上、オーガニック原材を使用。

日本だと「有機JAS」の1種類だけなので、アメリカの方がより細かい区分を設けていますね。日本の有機JASは「100 PERCENT ORGANIC」に相当します。

【100 PERCENT ORGANIC】
・すべての原材料、成分がオーガニック認定を受けている。
・任意の加工助剤(食品添加物)は有機である。
・製品ラベルに認定機関名を明記している。

【ORGANIC】
・すべての農作物の原料は、有機認定を受けたものを使用している。
・95%以上オーガニック原料を使用している(塩や水を除き、国に認可された非オーガニック原料は5%まで使っても良い)。
・有機食材と非有機食材は、*(アスタリスク)やほかのマークを使って区別する。
・製品ラベルに認定機関名やオーガニック認証を明記している。

【”MADE WITH” ORGANIC】
・70%以上、オーガニック原料を使用している(塩や水を除く)。
・残りの原料はオーガニック原料でなくてもよいが、国が認可した原料を使うこと。
・3種類までは容器の包装に、オーガニックの原料名を記載してもOK。
・有機食材と非有機食材は、*(アスタリスク)やほかのマークを使って区別する。

オーガニック原料が70%未満の場合は「SPECIFIC ORGANIC INGREDIENTS」となり、認定の対象外です。

容器包装に「USDAオーガニックシール」や「有機」と表示できませんが、成分表には原料名や成分の記載は可能です。

最後に

日本の有機認定に関してはやさしい有機野菜の説明で書きましたが、日本とアメリカの有機認定の基準は、ほぼ同じです。

  • 有機栽培する土地で、3年以上禁止物質を使用していない。
  • 合成化学物質や放射性物質、遺伝子組み換え物質を使用していない。

ただし「使用が認可されている農薬や食品添加物」に関しては、日本とアメリカで違いがあります。

なかには有機規格が相互承認されるまでは、認可されていなかった原料の使用が認められている場合も少なくありません。

アメリカ産のオーガニック食品を選ぶ際は「有機原料以外に何が使われているか?」を確認してから購入することをおすすめします。

「有機製品に関する同等性相互認証」によって、今後日本に入ってくるオーガニック食品はますます増え続けると思います。

今は有機食品を買うためには、有機野菜系の食材宅配サービスや、ちょっとお高めの高級スーパー、自然食品店に行く必要があります。

しかしながら、これからオーガニックが普及することで、将来的には気軽にオーガニック商品を購入できる機会が増えそうですね。

関連記事
この記事の執筆者
執筆者のおすすめ記事を読む
はじめての有機野菜と食材宅配の管理人を務めています。様々な食材宅配サービスやデリバリーサービスを体験し、気づいたことや学んだことをわかりやすく伝えていきます。どうぞよろしくお願いします。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2023年7月12日 更新)

ありがとうございます。

Oisix
コープデリ