作りたい料理に合うじゃがいもの品種は?男爵芋とメークインの違い

※記事内に広告を含む場合があります

当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。

※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

世界に2,000種類以上あると言われるじゃがいもは、品種によって形や色、甘み、食感がそれぞれ違います。

じゃがいもを選ぶときは「何の料理に使うのか」で、その料理に合った品種を選ぶことが大切です。

スーパーのじゃがいもコーナーに来て「どれを選べばよいの?」と悩んだときの参考になれば幸いです。

男爵イモとメークインの違い

男爵イモとメークイン

じゃがいもコーナーで隣同士に並んでいることが多い「男爵イモ(だんしゃくいも)」「メークイン」

まずは上記のじゃがいもの違いを知ることが「作りたい料理にあうじゃがいもの品種」を見極める手がかりになります。

男爵いも メークイン
見た目 丸型でゴツゴツ 細長くやや曲がり気味でツルッとしている
切ったときの色 黄色っぽい 白っぽい
皮のむき加減  凸凹が多く、ピーラーでも少し大変 凹凸がなく、包丁でもむきやすい
味・食感 ホクホク感と風味が強い 粘り気がある。風味は弱め
向いた料理 ◆潰すなど形が残らなくてもよい料理
マッシュポテト、コロッケ、いももち、ビシソワーズ、ポテトグラタン
◆ホクホク感や風味を味わいたい料理
じゃがバター、粉吹芋、ベイクドポテト、ジャーマンポテト、フライドポテト
◆じゃがいもがドロっと溶けた感じが好きな料理
カレー、おでん、みそ汁
◆じゃがいもの形を残したい料理
煮物(カレー、シチュー、肉じゃが、おでん)
◆シャキシャキ感を味わいたい料理
炒め物・焼き物(ジャーマンポテト、じゃがいもガレット)

男爵イモ(だんしゃくいも)

男爵イモ

丸型でゴツゴツした印象の男爵いもは、加熱するとホクホクした食感が特徴のじゃがいもです。

じゃがバター、粉ふきいもなど「ホクホクした食感を味わいたい料理」や、マッシュポテト、コロッケ、ビシソワーズなど「潰したり、撹拌したりして形が残らない系の料理」に向いています。

一方で煮ていくうちにじゃがいもが崩れていくので、煮込み系の料理に使うのは不向きです。

ただし煮崩れが心配でも「じゃがいもがドロっと溶けた感じが好き」や「口の中に入れたときに、とろけたり、ほどけたりするような食感を味わいたい」という場合は、やはり男爵いもを使った方が食べたい味に仕上がります。

ほかにも男爵いもは風味が強いので「じゃがいも単体で味わう料理は男爵いもが一番美味しくなる」という人もいます。

そのため、たとえばカレーや肉じゃが、おでん、みそ汁、フライドポテトに使うじゃがいもに関しては、最終的には「好み」で決めていいと思います。

ちなみに煮崩れ対策はいろいろとあるので、取り組める範囲で工夫してみると面白いです。

・大きめに切る(圧力鍋で調理するときにも有効)
・切ったあと、面取り(角を薄く切り取る)をする
スロークッカーなど、食材の煮崩れが少ない調理ができる調理家電を利用する。

ちなみに男爵イモは日本でもっとも生産量が多いじゃがいもの品種で、スーパーで「ばれいしょ」や「馬鈴薯」とだけ書かれているじゃがいもは、男爵イモでほぼ間違いありません。

◆こぼれ話:男爵いもはアイルランドの靴直し職人?

男爵いもはもともと「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler)」と呼ばれる品種で、日本語に訳すと「アイルランドの靴直し職人」という意味です。

アイリッシュ・コブラーは、アメリカ原産で、アメリカに住んでいたアイルランド人の靴修繕職人によって最初に栽培されたことが名前の由来と言われます。

明治時代(1908年)に川田龍吉男爵が、イギリスから持ち込み、普及を図ったことで、日本では「男爵いも」という名前で知られるようになりました。

メークイン

メークイン

細長で少し曲がった形のメークインは、粘り気があり、加熱しても煮崩れせず、炒めてもシャキシャキ感があるタイプのじゃがいもです。

表面がつるっとしているので、ゴツゴツの男爵イモと比較しても、皮が非常にむきやすく、調理が簡単なのが便利です。

煮物(カレー、シチュー、ポトフ、肉じゃが)のような「じゃがいもの形を残したい料理」や、炒め物(ジャーマンポテト)、焼き物(じゃがいもガレット)といった「シャキシャキ感を味わいたい料理」に適しています。

デンプン質が少ないので、男爵いも系のようなホクホク感がなく、滑らかな舌触りに仕上がります。

「ホクホクは、じゃがいもがノドが詰まりそうな感じがするので苦手」というときもメークインが向いています。

煮崩れを気にしなくていいので、じゃがいもを使う料理にオールマイティーに活躍できます

たとえば「今日はじゃがいもが安いから何個か買いたいけど、特にメニューを決めていない。メークインと男爵いもはどちらを選べばいいの?」と悩んだときは、メークインを選べば間違いありません。

メークインの生産量は男爵イモの次に多いので、スーパーでは、ほぼ必ずと言っていいほど「男爵イモ」と「メークイン」が隣同士で置かれています。

◆こぼれ話:メークインは「5月の女王」

メークインはイギリス原産のじゃがいもです。イギリス→アメリカ→日本とやってきました。

メークインは「メイクイーン(5月の女王)」とも呼ばれます。かなりイギリスらしいネーミングです。

ヨーロッパには「五月祭:May day(メイディ)」と呼ばれる祭りがあり、イギリスでは少女のなかから「5月の女王:May Queen(メイ クイーン)」を選び、選ばれた少女は花の冠をかぶります。

ちなみによく名前を間違えられやすいのが「メインクーン(Maine Coon)」で、こちらは巨大なイエネコの品種です。

そのほか、よく見かけるじゃがいもの品種

じゃがいもの2大品種は「男爵いも」と「メークイン」ですが、スーパーで見かける品種はほかにも多々あります。

「前々から気になってはいたけど、どう料理に使えばいい?」と思って、なかなか買わないことが多いのですが、男爵イモやメークインにはない魅力もたくさんあるので、一度食べてみる価値はありです。

キタアカリ(黄金男爵、栗じゃが)

キタアカリ

キタアカリは男爵イモの品種改良で誕生した品種です。

1975年に男爵いもと、じゃがいもの天敵となる害虫(線虫)に抵抗性のあるツニカ(Tunika)の交配で誕生しました。

キタアカリの名前が登録されたのは1987年で「北の大地を線虫からの被害から守る希望と明かるさ」という意味が込められています。

男爵イモと比較した違いは以下の通りです。

  • 中身の黄色が濃い
  • 甘みが強い
  • ビタミンCやカロテンが多い
  • 煮崩れしやすい

男爵イモと同じようにホクホク感があり、加熱時に煮崩れがしやすいので「形崩れや煮崩れを気にしない」「マッシャーで潰したり、ミキサーで撹拌したりする調理法」の料理に向いています。

たとえば、マッシュポテトを作りたいとき、売り場でメークインとキタアカリの二択だった場合は、キタアカリを選べば、理想的なマッシュポテトが作れます。

インカのめざめ

インカのめざめ

インカのめざめは、原産地の南米アンデス地域で、高級じゃがいもとして取引されている小粒な品種を日本でも栽培できるように改良したじゃがいもです。

数種類のじゃがいもを交配しており、2001年に登録された比較的新しい品種です。

小粒種だけあり、大きさはほかの品種よりも小ぶりで、半分や四等分すれば、使いたい大きさになります。

中は橙色に近い濃い黄色で、キタアカリよりも黄色みが強いです。

むいたり切ったりしたあとの変色もほとんど見られず、調理後もきれいな黄色を楽しめます。

独特の黄色は野菜の色素であるカロテノイド「ゼアキサンチン」によるもので、ほかのじゃがいもにはない強い抗酸化作用も期待できます。

インカのめざめは甘味が強くて濃厚な口当たりで、ナッツや栗に近い独特の風味(ナッツフレーバー)が特徴的です。

男爵イモ(ホクホクの粉質系)とメークイン(ねっとり粘質系)の中間のような食べ応えで、どのような料理にも万能に使えます。

煮崩れしにくいので、煮物(カレー、シチュー、肉じゃが)に向いており、調理時の色の変化が少ないことから、炒め物やフライドポテト、ふかし芋に使っても色鮮やかな仕上がりになります。

ほかのじゃがいもと比較して「独特な風味」があるので、その味をどう思うかで、インカのめざめの使い勝手が変わってくるように思います。

ちなみに「インカ」の名前が付いたじゃがいもはほかにもあり、食感がより滑らかで柔らかい「インカのひとみ」、皮が赤いインカルージュもあります。

皮が赤いじゃがいもの品種と特徴

皮が赤いじゃがいもも流通量的には少ないのですが、数多くの品種が栽培・販売されています。

今回は皮が赤いタイプのじゃがいもから「ホクホク系(粉質)」と「しっとり系(粘質)」に分けて、いくつか紹介したいと思います。

ホクホク系

◆アンデスレッド(レッドアンデス)

アンデスレッド

皮:赤 中身:黄
特徴:味は甘め。ホクホク感と滑らかさの両方が味わえます。
芽が出やすいので長期保存に不向きです。

◆ベニアカリ(紅あかり)

ベニアカリ

皮:赤 中身:白
特徴:男爵イモよりもホクホク感が強く、舌触りはちょっと粗い感じです。
マッシュポテトやコロッケなど、皮をむき、潰して使う料理に適しています。
一方でフライドポテトやポテトチップには不向きです。

しっとり系

◆レッドムーン

レッドムーン

皮:赤 中身:黄
特徴:楕円形で表面は滑らかです。加熱すると優しい甘みがあり、さつまいもっぽい感じです。
デンプンが少ないぶん、加熱しても形が崩れないので、メークインと同じような料理に使えます。

各料理に合うじゃがいもの品種まとめ

「男爵イモ、メークイン、キタアカリ、インカのめざめ」の4つの品種について、じゃがいもを使う各料理に合うものをまとめてみました。

  • ホクホク系・マッシュ向き:キタアカリ、男爵イモ
  • 中間・オールマイティー:インカのめざめ
  • しっとり系・煮物向き:メークイン
男爵イモ メークイン キタアカリ インカのめざめ
じゃがバター
マッシュポテト
ビシソワーズ
カレー ×
肉じゃが ×
炒め物 ×
フライドポテト

じゃがいもは品種ごとに味や食感に違いがあるので、いつものじゃがいも料理を違う品種で作ってみると、新たな発見があるかもしれません。

関連記事
この記事の執筆者
執筆者のおすすめ記事を読む
はじめての有機野菜と食材宅配の管理人を務めています。様々な食材宅配サービスやデリバリーサービスを体験し、気づいたことや学んだことをわかりやすく伝えていきます。どうぞよろしくお願いします。

より良い情報をお届けするため、疾風AI がメンテナンスを担当いたしました。(2023年11月10日 更新)

ありがとうございます。

Oisix
コープデリ