シャトルシェフのおすすめの使い方は?種類・品番ごとの製品比較
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シャトルシェフは、加熱した鍋を保温容器に入れて、余熱で調理をする保温調理器です。
ステンレス製魔法瓶で有名な家庭用品メーカー「サーモス」が手がけており、魔法瓶の高い保温技術が活かされています。
火や電気を使わずに調理ができるぶん、小さな子どもがいる家庭でも使いやすく、ガス代や電気代の節約にもなります。
保温調理中はコンロが不要で、コンロ数が少ない家庭でも一度にいろいろな料理が作れます。
真空保温調理鍋はほかにもタイガーの「まほうなべ」や、パール金属の「エコック」もありますが、圧倒的に人気でバリエーション豊富なのが「シャトルシェフ」です。
※金額・手数料表記はすべて税込です。
この記事の目次
シャトルシェフ利用のメリット・デメリット
シャトルシェフは、食材や煮汁を加熱して充分に温かくなった調理鍋を、魔法瓶構造の保温容器に丸ごと入れて、フタを閉めれば、あとは何もせず待つだけでOKです。
調理開始から完成までの所要時間は、普通の両手鍋を使ったときと同じくらいで、普段の料理と変わらない使い勝手です。
加熱による食材の煮崩れが起こりにくく、角煮やカレーも形良く仕上がります。
ただし保温時間は8時間が限度で「放ったらかしでOK。温め直しの必要がない」にも限度があります。
たとえば「朝に食材を仕込み、夕飯に食べるまで保温容器に入れておく」という使い方は、特に夏場はおすすめできません。
調理鍋の温度が下がったあと、菌が繁殖しやすい温度が保たれることで、料理が腐るリスクが高くなります。
火加減を気にせず、放ったらかしで料理が作れる
余熱調理と言えば「キルティングの保温カバーに鍋を入れる」「鍋をタオルやタオルケットで包み、発泡スチロールやダンボールの箱に入れる」という方法も昔から利用されてきました。
それを応用・発展させたのが「シャトルシェフ」で、より保温性が高く、誰でも簡単に余熱調理で料理を作れます。
最初の沸騰さえ、きちんとすれば大丈夫なので「調理中の火加減が分からず、生煮えになったり、焦がしたりしてしまう」という料理下手の悩みも解消できます。
加熱中に鍋に付きっきりにならずに済み、保温調理中に外出したり、別の料理や家事ができたりするのは、実際に使うとありがたみを実感しやすいです。
「小さな子どもがいて、キッチンに長時間いるのが難しかったが、シャトルシェフのお陰で煮込み料理も気軽に作れるようになった」と子育て世帯にも人気があります。
調理鍋は各熱源で使える
シャトルシェフの調理鍋は各熱源に対応しており、引っ越しやリフォームで熱源が変わっても買い換える必要がなく、ずっと使い続けられます。
- ガス火
- 電磁調理器 (IH 200V対応)
- 電気プレート
- ハロゲンヒーター
- シーズヒーター
- ラジエントヒーター
調理鍋は普通の両手鍋と同じように「炒める、焼く、ゆでる、煮込む、蒸す」などさまざまな調理法に使えるので、シャトルシェフは「両手鍋に高性能な保温カバーが付いた両手鍋」とも言えます。
シャトルシェフは品番によって、調理鍋の材質や容量に違いがあります。
「どのような料理に使いたいか」や「ほかの両手鍋はどれくらいの容量を使っているか」によっても、シャトルシェフの選び方が変わってきます。
たとえばKBJシリーズは「アルミ製、内側フッ素コーティング」、それ以外は「ステンレス製」になっています。
フッ素加工は食材の焦げ付きやこびり付きの心配がなく、カレーやシチューの具材を炒めたり、肉に焼き色を付けたりもしやすいです。
サーモスのYoutube公式チャンネルではKBJシリーズを使ったポロネーゼの作り方を紹介しています。
ひき肉や刻んだ野菜を炒めたり、濃い色のルゥを入れて煮込んだりしても、焦げ付きや色移りを気にせずに使えるのは、フッ素加工ならではのメリットです。
温め直しをしなくてよい
保温容器に調理鍋を入れておけば、温かさが持続します。
帰りの遅い家族がいても、料理を温め直しをする必要がないのは、結構助かります。
再加熱によって、煮詰まって味が濃くなったり、煮汁が少なくて焦がしたりする心配もありません。
料理が煮詰まらない
シャトルシェフで料理を作ると「煮詰まらない」のは、メリットでありデメリットでもあります。
保温調理中は水分が多量に飛ぶことがないので、味が濃くなり過ぎる心配がなく、途中で煮汁が少なくなって水や調味料を足すこともないです。
そのため、パサつきやすい食材も、柔らかくジューシーに仕上がります。
一方で煮物や照り焼きなど、今まで最後の仕上げに煮詰めていた料理をシャトルシェフで作ると、いつまでも煮汁が残ったままの状態になります。
シャトルシェフの保温調理には、一定量の煮汁やスープが必要になるので「煮汁が余る」と感じることも。
レシピに「煮汁が少なくなるまで煮詰めます」と書いてある場合は、保温調理からシャトルシェフを取り出して、再加熱して煮詰める作業が必要です。
ただし調理鍋をそのまま火にかければいいだけなので、ほかの鍋やフライパンに移し替えるなど、面倒な手間がないのは助かります。
場所を取りやすい
シャトルシェフの本体(保温容器)は、容量のある両手鍋が丸ごと入るほどの大きさなので、両手鍋よりも一回り、二回り以上サイズが大きくなります。
そのため、余熱調理時の「調理場所」と、保管時の「収納場所」を用意しないと、利用する機会を逃しやすくなります。
特にサイズや構造的にほかの鍋やフライパンと一緒に重ねて収納することが難しくいです。
購入前には、収納予定場所のサイズを計って余裕がありそうか調べたり、毎日の料理に使えるように場所を確保したりすることをおすすめします。
保温調理中はフタ開けNG
シャトルシェフは「加熱した鍋と食材を保温性の高い容器に入れることで、余熱調理ができる」という製品なので、保温調理中は熱が冷めるような行為は、シャトルシェフの性能を充分に引き出すことはできません。
たとえば「保温調理中に何度もフタを開けて、料理の様子や味を確認する。途中で食材や調味料を追加する」という使い方は不向きです。
鍋の中身(煮汁)が少ないと保温効果が下がり、ぬるくなりやすいので、最低でも2人分の分量で作る必要があります。
ちなみに温度が下がって保温状態が保てない場合は、調理鍋を取り出して再加熱をして、沸騰させてから戻せばOKです。
シャトルシェフの商品によっては、再加熱のタイミングが一目でわかる「再加熱おしらせ表示」が本体のフタに付いている商品もあります。
長時間保温は腐るリスクあり
保温状態で長時間、温度が下がらないことは「菌の繁殖しやすい温度が保たれやすい」と同じことです。
シャトルシェフの保温時間は8時間が限度で、長時間の保温や再加熱なしでの飲食は、腐敗や食中毒のリスクが高まります。
特に気温の高い夏場や湿気が多い梅雨は、特に取り扱い注意です。
失敗談で「朝に料理をシャトルシェフに仕込んだあと、仕事へ行き、帰ってきてフタを開けたら、何か嫌なニオイがした…」というのはよく聞く話です。
私の母はシャトルシェフ利用者で、よくカレーやブリ大根を作るのですが、実際に「夕飯用のカレーが腐っていた」と報告を受けたことが何度かあります。
シャトルシェフはフタを閉めた状態がデフォルトなので、調理鍋が入れっぱなしなことを忘れやすいという欠点もあります。
◆腐るリスクを減らす方法
- 調理鍋はフタをして、所定時間の沸騰を行なう。
- 夏場や梅雨時はシャトルシェフの使い方を変える。
- 料理の量が少なく、調理鍋の温度が冷めやすいときは、長時間放置をしない。
- 長時間保温になりそうな場合は、早めに調理鍋を取り出す。
- 食後、残った料理はシャトルシェフに入れっぱなしにしない。
- 「再加熱おしらせ表示」付きのシャトルシェフを購入する。
- 食べる前に再加熱をする。
シャトルシェフの種類と違いを比較
シャトルシェフは1998年に登場以降、さまざまなシリーズの商品が発売されています。
基本の「保温調理」は変わりませんが、保温容器や調理鍋のスペックに違いがあり、何を買えばよいか悩んでしまいます。
今回は数あるシャトルシェフのなかでも家電量販店やAmazon.comなどの通販サイトで取り扱いの多い、以下の品番の違いをそれぞれ比較したいと思います。
◆KBJ-3001/KBJ-4501
最新モデル。調理鍋がフッ素加工。
◆KBG-3000/KBG-4500
ロングセラーの定番商品。
最新モデルのKBJシリーズ
KBJ-3001 | KBJ-4501 | |
---|---|---|
サイズ | 幅30×奥行24×高さ19cm | 幅30×奥行24×高さ24cm |
調理鍋最大内径 | 19.5cm | 19.5cm |
調理鍋容量 | 2.8L ごはん3カップ、3.3合まで対応 |
4.3L ごはん4.5カップ、5合まで対応 |
重さ | 2.3kg | 2.6kg |
メーカー希望小売価格 | 19,800円 | 22,000円 |
KBJシリーズは、今までのシャトルシェフの魅力を残しつつ、さらに使いやすいように改良された最新モデルのシャトルシェフです。
(発売開始日:2017年9月1日)
今までともっとも違うのが調理鍋で、KBJシリーズはアルミ製で内側がフッ素コーティング仕様になっています。
従来の調理鍋はすべてステンレス製で、焼き物系をすると、調理中も後片付けも手間がかかるのがデメリットでした。
KBJシリーズは、フッ素加工されていることで、食材を炒めたり焼いたりするときに、こびり付きや焦げ付きが起こりにくくなっています。
従来のシャトルシェフは調理鍋の底を5mmの厚底にすることで、焦げ付きなどを防いでいましたが、KBJシリーズはフッ素加工を採用したことで、底の厚さは2.9mmと薄めになっています。
本体カラーはKBJ-3000/KBJ-4500は「オレンジ」と「ブラック」の2種類でしたが、最新のKBJ-3001/KBJ-4501は「クールグレー」と「レッド」の2種類になりました。
メタリックなクールグレーなら、外側の汚れをさほど気にせずに使いやすいので助かります。
KBGシリーズとの違いは保温容器にも
注意したいのが、次に紹介するKBGシリーズとは違って本体(保温容器)に取っ手が付いてません。
商品画像を見ると取っ手付きに見えるのですが、これは調理鍋のハンドルです。
取り扱い説明書には「調理鍋をセットした状態で保温容器を移動させないで下さい。ヤケドやケガの原因になります」と注意書きがあり、調理鍋を入れた状態で保温容器ごとの持ち運びは推奨されていません。
保温容器フタは、保温容器に「置くタイプ」になっており、マグネットやヒンジ(蝶番)が付いていないので、比較的フタが外れやすくなっています。
そのため「保温調理中の持ち運びは止めてほしい」という意味があり、保温容器に取っ手を付けていないのではないか?と思いました。
またヒンジ式ではないので「保温容器フタの裏に調理鍋フタを置く」という使い方はできません。
KBJ-3001とKBJ-4501の違いは「調理鍋の容量」
KBJ-3001は2.8L、KBJ-4501は4.3Lと、0.5Lの差があります。
本体サイズで見ると、KBJ-4501の方が5cmほど高いくらいなので、どちらでも置き場所は変わりません(ただし高さには注意)。
家族人数やシャトルシェフで作りたい料理のタイプ、今現在使っている鍋の容量がどれくらいかを考えて選ぶと良いと思います。
超定番商品のKBGシリーズ
KBG-3000 | KBG-4500 | |
---|---|---|
本体サイズ | 幅31×奥行26.5×高さ19cm | 幅31×奥行26.5×高さ24cm |
調理鍋最大内径 | 20cm | 20cm |
調理鍋容量 | 3.0L | 4.5L |
本体重さ | 2.7kg | 3.1kg |
メーカー希望小売価格 | 22,000円 | 27,500円 |
シャトルシェフKBGシリーズは、2013年9月1日の発売以降、ロングセラーを続ける定番商品です。
カラーリングはクリアステンレス(CS)とクリアブラウン(CBW)の2種類あり、キッチンの雰囲気や外側の汚れの目立たなさで選べます。
上記のKBJシリーズとの大きな違いは「保温容器のフタと持ち手」と「調理鍋のデザインと素材」にあります。
◆保温容器
保温容器のフタはヒンジ(蝶番)式で、炊飯器と同じように、フタを開けた時に本体とフタがくっついた状態になります。
また保温容器フタの内側に、調理鍋のフタを置けるので、料理を皿に入れるときなど、各フタの置き場所に困らない仕組みが地味に便利です。
本体とフタに付いた上下のマグネットで、保温容器がしっかり閉まるようになっており、簡単にフタが外れる心配はありません。
調理鍋だけでなく、保温容器にも持ち手が付いており、調理鍋をセットしたまま保温容器ごと持ち運びも可能です。
保温容器は熱くならないので、ミトンや鍋つかみは不要。楽々場所移動できます。
ちなみに保温容器のフタは取り外し可能なので、お手入れも簡単です。
◆調理鍋
調理鍋の底面は、厚さ5mmの厚底で、三層構造(ステンレス鋼・アルミニウム・磁性ステンレス鋼)が特徴です。
フッ素加工とは違い、厚底で熱の伝わりを均一にすることで、食材などが焦げ付きにくい仕組みになっています。
また調理鍋は上部が少しくびれた感じのデザインになっており、丸っこい印象です。
RPE-3000はテイクアウト・アウトドア向け
※RPE-3000は2023年11月現在、生産終了しています。
RPE-3000 | |
---|---|
本体サイズ | 幅25.5×奥行25.5×高さ18cm |
調理鍋最大内径 | 20cm |
調理鍋容量 | 3.0L |
本体の重さ | 2.4kg |
RPE-3000はハンドル(持ち手)と安全ロック付きで、持ち運びがしやすいのが最大の特徴です。
テイクアウトや持ち寄り、アウトドアに適したシャトルシェフで、ハンドルがなければ「KBG-3000の少しだけ小型ver」という感じのスペックです。
保温容器はヒンジ式で、フタを開けたときの置き場所に困りません。また保温容器のフタ内部に、調理鍋フタを置くこともできます。
調理用のフタはステンレス製で、鍋の中身が見えないのが、KBGシリーズとの大きな違いです。
ハンドルを手前に倒すとロック、後ろ側に倒すと解除される仕組みになっており、簡単にフタが開かないようになっているため、子どものイタズラやヤケドなどの防止にも役立ちます。
◆たとえばこんな使い方
・実家や友人の家などで、料理を持ち寄る機会があるときは、事前に自宅でシャトルシェフで料理を作れば、そのまま持っていけるのは助かります。
・キャンプで活用しています。
お昼ご飯を食べ終わったあとくらいに、シャトルシェフにスープやカレーを仕込んでおけば、夕食の時間帯に食べごろに仕上がるので重宝しています。
・テイクアウトが可能なお店で、調理鍋に料理(おでんなど)を入れてもらっています。
保温状態で持って帰れるので、自宅で温め直しの必要がないのが便利です。
カラーは「キャロット」と「オリーブ」の2種類あり、他のシャトルシェフにはない色合いになっています。
その為、アウトドア以外にも「キッチンを明るい雰囲気にしたい」「部屋に白っぽい家電や家具がが多いので、アクセントを入れたい」という時にも使えます。
シャトルシェフの選び方のポイント
シャトルシェフは普段使っている両手鍋の大きさや両手鍋を買い替えたいときに欲しい容量に近いものを選ぶと使い勝手がよいです。
基本的に保温性の良し悪しは、調理鍋の容量よりも「料理の分量」が重要になります。
料理がたっぷり7~8分目になるくらいの大きさの調理鍋を選ぶと、シャトルシェフの持つ保温性を最大限に活用できます。
◆3~5人用:2.8L、3.0L
普段の料理作りに使いやすい大きさです。
品番:KBJ-3001(2.8L)、KBG-3000(3.0L)
◆4~6人用:4.3L、4.5L
カレーや煮物、おでんを作る時にも重宝するサイズです。
品番:KBJ-4501(4.3L)、KBG-4500(4.5L)
あとは「不要になったフタをどこに置きたいか(取り外し式/ヒンジ式)」「調理鍋の使い勝手(ステンレス製/アルミフッ素加工)」など、自分が重視する点を確認すると失敗しません。
シャトルシェフは各製品とも2~3千円の値段差しかなく、ずっと使い続けるものなので、あまり金額では考えず、自分が面倒くさがらず最も活用できそうなものを選ぶと良いと思います。
ちなみに火を使わずに食材を加熱するタイプの調理家電には「スロークッカー」や「大同電鍋」、「フュージョンクッカー」があります。
上記の製品は、シャトルシェフとは違い、保温調理ではないぶん、短時間で料理が作れて腐らせる心配がないのが大きなメリットです。
各調理家電については、下記の記事でくわしく紹介しています。よろしければご一読ください。