自宅で簡単にできる野菜・果物の残留農薬を落とす7通りの方法
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食の安全を考えたときに、気になるのが残留農薬です。
残留農薬とは「栽培中などに農薬を使用したあと、消失せずに農作物に残った農薬」を指します。
また輸入野菜や果物が運ばれてくる途中で傷まないよう、収穫後に食品添加物という扱いの農薬が散布されるポストハーベスト農薬も、よく話題に上がります。
農薬は葉や皮の表面に残りやすく、水やお湯で落ちるものが多いです。
そのため、残留農薬は水で洗って汚れを落としたり、皮をむいたり、熱を加えたりして調理すると落とせます。
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この記事の目次
野菜の残留農薬を落とす方法
- 外側の葉を取る
- 皮をむく
- 流水ですすぎ洗いをする
- 手やスポンジでこすり洗いをする
- 酢水、塩水、重曹水につける
- 下ゆでをして茹でこぼす
- 加熱(ゆでる、炒める、ゆでる)をする
外側の葉を取る
白菜・レタス・キャベツなど、葉が重なりあう結球野菜の場合は、外側の葉を1枚はがすだけでOK。
外側の葉は農薬が残留しやすい部分なので「1枚はがし」で、かなりの残留農薬を落とせます。
ネギも外側の皮を1枚むくだけで違います。
ちなみに玉ねぎは茶色の皮部分をむけば、農薬を心配する必要はありません。
皮をむく
野菜の皮や外側の葉をむくと、もっとも効果的に残留農薬を落とせます。
残留農薬は食材の表面に付着しているので、皮や外葉をむけば、ほとんど落とすことが可能です。
たとえば、じゃがいも、ニンジン、かぼちゃ、ゴボウ、リンゴ、ナシなどが当てはまります。
ただし、皮や皮の付近に多く含まれる栄養分も、一緒に除去されるのがデメリットです。
皮を剥かずに食べたい野菜や果物はしっかり洗います。
流水ですすぎ洗いをする
食材は食べる前、料理する前には必ず洗いましょう。
残留農薬だけではなく、食中毒の予防などの衛生面からも、洗うことは重要です。
食材の水洗いは下ごしらえの基本中の基本ですが、ボールに水を入れて、ためて洗うだけでは不十分です。
流水を使うことで、水に溶け出した農薬が再び野菜に付く心配がありません。
手やスポンジでこすり洗いをする
トマトやピーマン、キュウリなど、一つ一つ手で持って洗える食材は、手や食材用のスポンジを使って、流水の中でこすって洗います。
しっかりこすり洗いをすることで、表面に付着した残留農薬が落ちやすくなります。
ちなみにトマトは農薬の使用頻度が比較的高い野菜です。
そのため、沸騰したお湯に入れて冷水につけて皮をむく「湯むき」をするとさらに効果的です。
酢水、塩水、重曹水につける
酢、塩には野菜の水分やアクを抜く働きがあり、水分と一緒に残留農薬を排出する作用があります。
酢水は「酢1:水2」、塩水は「水に対して2%の塩」で作ります。
また最近は「重曹水に浸ける」という方法も良く利用されています。
元々アメリカの家庭で残留農薬を落とす方法として使われており、ボウルに水と小さじ2で重曹水を作ります。
それぞれ作った水に、食材を30秒~10分ほど浸した後、ボウルを空けて流水で洗い流します。
下ゆでをして茹でこぼす
「ゆでこぼし」とは、食材を水からゆでて煮立ったら(沸騰後2~3分ゆでたら)、お湯を捨てる調理法です。
野菜のアク抜きと一緒に、残留農薬を減らせます。
葉物野菜(ほうれん草や小松菜、白菜など)は、丸ごとではなく、ある程度の長さに切ったあとにゆでると、表面だけではなく中まで浸透した残留農薬が切った断面から落ちやすくなります。
加熱(ゆでる、炒める、ゆでる)をする
食材の温度が高くなれば高くなるほど、残留農薬が除去できます。
ちなみに加熱方法で農薬の除去効果が高いのは「揚げる>炒める>ゆでる」です。
「生で食べるのがちょっと心配」という野菜や果物は加熱して食べることをおすすめします。
参照:Q. 野菜や果物に残留した農薬を調理の段階で落とすことができますか。 – 農薬工業会
野菜類の洗浄・調理による農薬の残存率
では実際にどれだけの残留農薬が落ちるのでしょうか?
農薬工業会の実験結果を見ると、水に溶けやすい農薬は「水洗い」だけで半数近くが落ちていることが分かります。
同じ方法でも農薬ごとに「落ちやすい/落ちにくい」が変わってくるので、残留農薬を落とす方法は複数組み合わせてみるのが効果的だと思います。
【野菜類の洗浄・調理による農薬の残存率(%)】
農薬 | 処理前 | 水洗い | 煮る | 炒める | 焼く | 蒸す | 漬ける |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メチダチオン | 100 | 54 | ー | 79 | 35 | 29 | ー |
フェントエート | 100 | 63 | 49 | 63 | 69 | ー | 79 |
クロロタロニル | 100 | 37 | 1 | 11 | 69 | ー | 22 |
イプロジオン | 100 | 33 | 85 | 81 | ー | 88 | 83 |
プロシミドン | 100 | 52 | ー | 44 | 34 | 100 | ー |
(資料:日本食品化学学会誌2巻)
○農薬の特徴
【メチダチオン(DMTP)】
商品名は「スプラサイド」。有機リン系殺虫剤。
一日許容摂取量:0.0015mg/kg/日
【フェントエート(PAP)】
有機リン系殺虫剤。
一日許容摂取量:0.0029 mg/kg/日
【クロロタロニル(TPN)】
商品名は「ダコニール」。フェニル系殺菌剤。
一日許容摂取量:0.018mg/kg/日
【イプロジオン】
ジカルボキシイミド系の殺菌剤。
一日許容摂取量:0.06mg/kg/日
【プロシミドン】
ジカルボキシイミド系の殺菌剤。
一日許容摂取量:0.035mg/kg/日
残留農薬は食べても問題ない!?
基本的に農薬は使用法を守っていれば、基準を超えた残留農薬が付着する心配はありません。
ときどき「(名前)から基準を超えた残留農薬が検出された」というニュースを聞きますが、全体の出荷量から考えるとごくわすかな量です。
抜き打ち検査などで基準値超えが確認された農作物は出荷停止(自粛含む)になるので、その点でも安心度は高くなりますね。
要は「野菜や果物に残留農薬があっても、人の健康に害を与える量にはならないので、大げさに心配する必要はない」と言えます。
農作物の栽培のために欠かせない農薬ですが、それでも「できれば農薬の使用量や頻度が少ない方がいい」という人は少なくありません。
野菜や果物などを選ぶ際は、農薬の使用量が少ない「旬の農産物」や「有機・減農薬栽培」にも注目してみて下さい。
有機野菜系の宅配サービスでは、各野菜や果物の産地や生産者、使用される農薬の種類や使用頻度なども分かるので「少し高くても、安全な食材が食べたい」という心強いサポート役になってくれると思います。
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