にんじんの下ごしらえと11種類の切り方、むいた皮や葉の活用方法

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にんじんの切り方

にんじんは色鮮やかな見た目で、さまざまな料理の彩りとして使われることも多い根野菜です。

今回はにんじん料理で使う機会が多い「切り方」と、切る前に欠かせない「下準備」について紹介します。

にんじんの下準備

にんじんの下準備に必要なのは「洗う」「皮をむく」くらいです。

切り口から変色することはないので、切ったあとに水に浸けておく必要もありません。

水でよく洗う

にんじんを洗う

表面に付いた汚れを水で洗い流します。

特に皮付きのまま料理に使うときは念入りに洗います。

ときどき見られる「皮の黒ずみ」は、乾燥が原因で、その部分をむけばまったく問題ありません。

にんじんは乾燥すると黒ずみが増えたり、シワシワになったりするので、保存する際は湿気と乾燥に気をつけます。

ピーラーや包丁で皮をむく

にんじんの皮むき

必要に応じて、にんじんの皮をピーラー(皮むき器)や包丁でむきます。

◆ピーラー(皮むき器)
にんじんを縦に持ち、太い方(葉の部分)から先端にかけて、まっすぐ引いて、皮をむきます。

◆包丁
1.持ちやすい長さに切り、片手で持ちます。
2.包丁を持った方の親指をにんじんに添えて、太い方から細い方へ向かって、縦に皮をむきます。
3.むくときは、刃元(持ち手近くの刃)を使うと安定感があります。
ピーラーよりも皮が厚めにむけるので「皮を使った料理を作りたい」というときにも使えます。

皮はむくべき?皮ごと使った方がよい?

にんじんの皮は非常に薄く、出荷の際に、にんじんに付いた泥を落とすための洗浄で皮がはがれます。

(にんじんは土の有無によって保存期間に差が出ないので、ほとんどは洗浄されて、泥無しの状態で売られています。)

私たちが「皮」だと思って、ピーラーでむいている部分は、実際は「身」の部分です。

とは言え、そのままにんじんをむかずに調理すると「皮の部分の色が悪くなる」「食感に差が出る」というデメリットもあります。

特に煮物料理は、皮付きのままだと見た目と味がイマイチに感じやすいです。

たとえば「キンピラやすりおろし、カレーなど皮付きでも気にならない料理にはそのまま使う」というように、にんじんを使う料理に合わせて「皮をむく/むかない」を使い分ければよいと思います。

むいた皮は、ベジブロスやかき揚げ、ふりかけなど、余すところなく使えます(あとでくわしく作り方を紹介します)。

料理別にんじんの切り方

にんじんを切る(輪切り)

にんじんは固くて火が通りにくい根野菜です。

どの切り方でも形、大きさ、厚みをそろえることで、味と加熱具合が均一になり、盛り付けもしやすくなります。

輪切り:煮物

1.にんじんを横長に置き、切り口(断面)が円形になるように切ります。

輪切りには厚みに関する基準が特にないので、使う料理や食材によって切る幅(厚み)を変えます。

煮物に使うときは、幅1~2cmを目安に切ります。女性の人差し指の幅よりも細いか太いかくらいです。

半月切り:煮物

半月切りは輪切りを半分に切った形です。

輪切りと同じく煮物でよく使われる切り方ですが、輪切りと比較して切り口が多くなるぶん「火が通りやすい」「食べやすい」「調理しやすい」というメリットがあります。

切り方:その1(輪切りを半分にする)
1.切り口が円形になるように輪切りにします。
2.輪切りにんじんを切り口から半分に切ります。

切り方:その2(縦半分に切って端から切る)
1.必要な長さに切ります。
2.切り口を下にして(にんじんを縦に置く)、縦半分に切ります。
3.半分になったにんじんを、端から一定の幅で切ります。
4.もう半分も同じように切ります。

いちょう切り:汁物、煮物

輪切りを十字に切る(四つ割りにする)のが「いちょう切り」です。

野菜スープや煮物など「半月切りだと、にんじんのサイズが大き過ぎる」という場合に使うことがあります。

切り方:その1(輪切りを十字に切る)
1.使いたい量になるように輪切りにします。 
2.輪切りにんじんを切り口から半分に切ります。

切り方:その2(縦4等分に切り、端から切る)
1.使いたい長さに切ります。
2.切り口を下にして、まな板に置き(にんじんを縦に置く)、十字に切ります。
3.縦半分のにんじんを並べて、端から一定の幅で切ります。
薄いイチョウ切りにしたいときに使いやすい方法です。

乱切り:煮物

乱切りは食材を少しずつ回しながら斜めに包丁を入れる切り方です。

形は不ぞろいですが、切り口が大きいので、火の通りがよく、味が染み込みやすいのが特徴の切り方です。

「にんじんを乱切りにする」という場合は、特にカレーや肉じゃがなど煮物を作るときに使われます。

にんじんが太くて、乱切りが大きくなり過ぎる場合は「乱切りにしてから半分に切る」、「最初に縦半分に切ったあと、切り口を下にして左右交互に斜めに切る」という方法でもOKです。

1.にんじんの先端から包丁を斜めに入れて切ります。
2.にんじんを手前(自分の方)に1/4(90度)回して、切り口が真上に来たら、同じように斜めに切ります。
前に切った切り口の真ん中に包丁を入れるようにすると、大きさがそろいます。
3.2を繰り返します。

ちなみに、どうしても乱切りが上手くできないなら、にんじんの太さに合わせて半月切りやイチョウ切りでも代用できます。

拍子木切り:煮物、ベーコン巻、ピクルス

拍子木切りは、細長い柱形に切る方法で、サイズの目安は長さ4~5cm✕幅1cm✕厚さ1cmです。

煮物以外にも、ベーコン巻きやピクルス、バーニャカウダなど「少し太めなにんじん」を料理に使いたいときに用いられます。

1.4~5cm幅の輪切りにします。
2.輪切りににんじんの切り口を下にして、幅1cmの厚さに切ります。
3.何枚か重ねて、繊維に沿って縦に幅1cmに切ります。

さいの目切り:スープ、煮物

さいの目切りは、サイコロのように縦1cm✕横1cm✕幅1cmの正四角形に食材を切る切り方です。

さいの目切りの1/10サイズが「みじん切り」になります。

野菜スープやミートソース、キーマカレー、ピクルスなど「ほかの野菜も同じ大きさに切って調理する」というときに使われます。

1.拍子木切りしたニンジンを揃えます。
2.繊維に逆らって、1cm✕1cmの四角形になるように角切りにします。

短冊切り:炒め物、汁物

短冊切りは、細長い紙(短冊)状に切る方法で、拍子切りの厚みを約2~3mmの薄切りにしたものです。

横幅はありますが、厚みは薄いぶん、火が通りやすいので、野菜炒め、焼きそば、みそ汁などによく使われる切り方です。

1.幅4~5cmの輪切りにします。
2.にんじんを縦に置き、1cm幅に切ります。
3.切り口が大きい方を下にして、繊維に沿って薄切りにします。

細切り:炒め物(きんぴら)、揚げ物

細切りは、長さ4~5cm✕幅3mm✕厚さ3mmが目安で、短冊切りよりも細く、千切りよりも太くなる切り方です。

歯ごたえがよく、食べやすく、味も染みやすいので、キンピラ、にんじんシリシリ、揚げ物などに使うのにちょうどよいサイズ感です。

1.にんじんを幅4~5cmに切ります。
2.幅3mmの縦長に切っていきます。
3.板状になったにんじんを少し重ねるか、そろえて、端から幅3mmに切ります。

千切り:サラダ、なます、マリネ

千切りは線状に細かく細く切ることです。

長さ4~5cmに切ってから、ごく薄く切っていきます。

にんじんサラダやなます、マリネなど、生に近い状態で食べるレシピで使われることが多いです。

1.にんじんを斜め薄切りにする。
真っ直ぐに切る輪切りだと「にんじんが短い」と感じやすいです。
斜めに切ることで長さが出て、ほかの食材の長さと合いやすくなります。
2.にんじんを少しずらして並べて、端から細く切ります。
ズラして並べて切るが難しければ、何枚か重ねてまとめて切っても大丈夫です。

千切りを束ねて端から細く切ると「みじん切り」になります。

花ニンジン(ねじり梅):正月用煮物

花ニンジン(ねじり梅)は、正月用の煮物に使われることの多い「飾り切り」の代表的な一つです。

にんじんの大きさと合えば、途中までは「梅の型抜き」を使うと楽です。100円ショップでも取り扱いがあり、気軽に買えるようになりました。

切り込みを入れたり、段差を付けたりする際は、果物包丁やペティナイフなど小さいサイズの包丁を使うとやりやすいです。

1.幅2cmくらいの輪切りにします。
2.輪切りの円形から五角形になるように切り落とします(☆の頂点を結んで切るイメージです)。
3.五角形の頂点と頂点との間に切り込みを入れて、V字形に切り、全体の形を整えます(湾曲させると花びらっぽくなります)。
または、梅の型抜きを輪切りにしたにんじんの上に置き、手で押して形をくり抜きます。
3.花びらと花びらの間から、中心に向かって切り込みを入れます(深さは1/3くらい)。
4.(包丁を持つ手が右の場合)花びらの右側から左の切り込みへ向けて、包丁を斜めに入れます。
5.4を右回りまたは左回りで全部行なえば完成です。

シャトー切り:にんじんグラッセ

ステーキやハンバーグの付け合せに使う野菜(にんじん、じゃがいも)に利用される切り方です。

1.にんじんを横長に置き、4cm幅に切ります。
2.にんじんを縦に置き縦半分に切ります。
3.断面が大きい面を下にして、縦半分または3等分に切ります。
にんじんが太い場合は3等分、細い場合は半分にします。
4.切り口の角を面取り(角を薄くけずり取り滑らかにする)します。
面取りすることで、見栄えが良くなり、煮崩れを防止する効果があります。

ちなみにシャトー切りは「シャトーブリアン(牛のヒレ肉のもっとも太い部分を使った最高級ステーキ)」の付け合せのじゃがいもが、上記の切り方なことから名前が付きました。

「シャトーブリアン」ステーキについては、フランスの政治家「フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン」が好んで食べていたことから、シャトーブリアンと呼ばれるようになりました。

またシャトー(Chateau)とはフランス語で「城、大邸宅」の意味です。

にんじんの皮や葉の活用方法

にんじんの葉と皮

皮をむいたにんじんは、傷みさえなければ、充分に食べられます。

皮付近には抗酸化作用のあるカロテノイド(αカロテン、βカロテン)などの栄養も多く含まれているので、そのまま食べずに捨てるのはもったいないです。

また葉付きにんじんは、葉が柔らかいうちに収穫される「早穫りにんじん」なので、葉も柔らかい部分は余すところなく食べられます。

にんじんの葉には、脂溶性ビタミンの「ビタミンK」が多く含まれており、丈夫な骨の形成を助けたり、止血を促進したりする作用があります。

葉付き大根と比べて、にんじんの葉には独特の風味と苦味があり、1本あたりの量は少なめです(直売所で購入したにんじんの葉は2本で15gくらいでした)。

そのため、にんじんの皮やほかの食材と一緒に彩りや風味付けに使うと、葉のよさが引き立ちます。

にんじん葉と皮のかき揚げ

にんじんに多く含まれるビタミンAは油との相性がよく、細く切ってかき揚げにすると美味しいです。

皮や葉の量的に少ないときは、玉ねぎやごぼう、三つ葉などを一緒に入れてかさ増しします。

ただし「脂溶性ビタミン」は名前通り、油に溶ける性質があります。

そのまま素揚げにすると、油にビタミンAが流出してしまうので、必ず和え衣をからませるのを忘れずにしてください。

◆材料
にんじんの皮と葉:1本分
天ぷら粉と水:適量
揚げ油:適量

◆作り方
1.にんじんの皮は細切り、葉はざく切りにする。
2.天ぷら粉と水を混ぜて和え衣を作り、にんじん全体と混ぜる。
3.170℃の中温に熱した油に、食べやすい大きさ(一口大)にして入れる。
4.形を整えながら、表面がカリッとなるまで揚げる。

野菜ふりかけ

ご飯のお供になる「野菜ふりかけ」に、にんじんの皮を入れると彩りと栄養価がアップします。

にんじんの葉や皮だけでは量が足りないときは、ほかの葉野菜(大根葉、小松菜、野沢菜)や、ちりめんじゃこ、細切り昆布などを入れてみるのもアリです。

◆材料
野菜の皮、葉、切れ端など:50g
ごま油:少々
しょうゆ:小さじ1
酒:小さじ1

◆作り方
1.にんじんや大根、カブの葉や皮、切れ端などを、みじん切りにする。
2.フライパンにごま油を入れて火にかける。
3.温まったら火加減を中火にして、みじん切りにした野菜を入れて、しんなりするまで炒める。
4.しょうゆと酒を入れて混ぜ合わせる。
他にもちりめんじゃこや白ごまを入れても美味しく仕上がります。

ほかの野菜クズと一緒にベジブロスにする

ベジブロス

ベジブロスとは「野菜で作るダシ」のことです。

野菜の皮や葉、茎、ヘタ、切れ端など、食べるには不向きな部分を使って作ります。

野菜クズが出るたびにポリ袋に入れて、冷蔵または冷凍で保存しておき、ある程度の量がたまったらベジブロスにします。

塩コショウで味を整えればそのままスープとして飲めます。ほかにも煮込み料理の煮汁として使うと、あっさりとした味わいに仕上がります。

用意した野菜に対して、3倍の水の量を入れて、加熱して煮詰めて、入れた水が半分の量くらいになったら完成です。

◆材料
野菜の皮、葉、軸、切れ端など:200g
水:600cc
塩:少々

◆作り方
1.野菜は2~3cm幅に切ります。
切った方が味が出やすいが、そのままでもOKです。
2.鍋に野菜、水と塩を入れて、中火にかけます。
3.煮立たったら弱火にして、約20分~1時間かけて煮詰めます。
4.野菜をザルでこして、容器に入れて冷蔵で保存します。
細かい野菜クズがあるときは、ザルにキッチンペーパーを置くと、きれいにこせます。

日持ちは冷蔵で3~4日が目安です。大量に作って1回で使い切れそうにないときは、製氷皿やタッパー、冷凍用保存袋に入れて冷凍保存(保存期間:1ヶ月)します。

にんじんの葉とベーコンときのこ炒め

にんじんの葉が少量だけある場合は、炒め物の彩りや風味付けに使うと存在感が出ます。

◆材料
にんじんの葉:2本分
ベーコン:20~30g
きのこ(シメジ、マイタケ、エノキなど):1パック分
おろしニンニク:少々
オリーブオイル:適量
塩コショウ:適量

◆作り方
1.にんじんの葉はざく切り、ベーコンは0.5cm~1cm幅に切ります。きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに分けたり切ったりします。
2.フライパンにオリーブオイルとおろしニンニクを入れて、ベーコンをじっくり炒めます。
3.キノコを入れて全体的に炒まってきたら、にんじんの葉を入れて、少し炒めたら、塩コショウで味を整えます。

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