栄養を逃さず野菜を冷凍保存するための、上手なフリージング方法と解凍のコツ
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ほとんどの野菜は「冷蔵庫で1週間」が保存期間の目安ですが、冷凍にすると約1ヶ月も長持ちします。
「安売りで野菜を買ったけど、しばらく使う予定がなさそう」「大量に野菜をもらったけど、野菜室がいっぱいで入らない」というときは、冷凍保存を活用してみましょう。
新鮮なうちに使い切れずに傷みがちな野菜も、冷凍にすれば日持ちがして、最後まで美味しく食べ切れます。
この記事の目次
野菜を冷凍保存するメリット
野菜を冷凍して保存すると、長持ちする以外にもいろいろなメリットがあります。
料理の時間短縮になる
仕事や家事、育児で忙しいときは冷凍野菜が重宝します。
野菜を冷凍すると、細胞が壊れるぶん、味が染み込みやすく、短時間の加熱で火が通ります。
冷凍前に野菜を切ったり、ゆでたりしているので、あとは解凍したり加熱したりするだけでよく、全体的な料理時間の短縮が可能で、ガス代や電気代の節約にもなります。
ほかにも離乳食作りにも役立ちます。
あわせて読みたい:
離乳食作りに冷凍野菜は止めとくべき?市販品を使うメリットと利用時の注意点
冷凍室の蓄冷に役立つ
冷凍室は、ある程度詰め込んだ方が蓄冷効果が高まります。
冷蔵室や野菜室は室内がぎっちり詰まっていると、冷気がスムーズに流れず、温度が上がったり、ムラができたりする原因になります。
一方で冷凍室の場合は8~9割ほどは収納しても大丈夫なので、あまり冷凍食品を買わない家庭でも、野菜などを冷凍保存しておくと何かと役立ちます。
収納する際は、古いものを手前に、新しいものを奥に立てて入れていくと、使うべきタイミングがわかりやすいです。
金属製のブックエンド(本立て)があると、冷凍庫内の整理整頓が捗り、欲しい冷凍野菜が見つけやすくなります。
栄養が保たれる
冷蔵庫で野菜を長時間保存するよりも、冷凍した方が傷むスピートが遅くなるぶん、栄養価が減少しにくいです。
特売でまとめ買いした野菜を冷凍しておけば、天候不良などで野菜が高騰したときも野菜不足になりません。
キノコ類は冷凍してから加熱すると、酵素の働きでうま味成分がアップします。
買った当日中に使い切る予定がなければ、石づき(根元部分)を切り落として、使いやすい大きさになるように手でほぐして、冷凍用保存袋に入れておきましょう。保存期間の目安は、ほかの野菜と同じように1ヶ月です。
生よりもカサが減って量が食べられる
野菜はほとんどが水分です。
冷凍することで、かさが減るぶん、たくさん野菜が食べられるようになります。
また1食ずつ小分けにしておけば、少量ずつ使いやすく「今日の献立に、もう少し野菜が欲しいな」と思うときに活躍します。
冷凍保存に必要なもの
- キッチンペーパー
- 金属製のトレー
- ラップ
- 冷凍用保存袋
- ラベルシール、マスキングテープ
キッチンペーパー
野菜に付いた水分をふき取るときに使います。
水気が付いたまま保存すると、霜がつきやすく、傷みやすくなります。
また野菜同士がくっついて、使うときにバラバラにするのが大変だったり、炒め物をするときに油ハネしやすくなったりする原因にもなります。
金属製のトレー
熱伝導率の高い金属製トレーに、食材をのせることで、短時間で冷凍できます。
金属トレーはアルミとステンレスが多いですが、熱伝導率が高いのはアルミです。
ほかにも金属製のお菓子箱(フタや箱)、ケーキ型も代用品として使えます。
ラップ
一食ずつ小分けするときに役立ちます。
ラップは商品によって材質が異なり、耐冷性がないラップは冷凍時に破れやすいので、冷凍用保存袋に入れて2重にした方が安心です。
冷凍用保存袋
購入時の袋やラップで包んだだけでは、野菜に空気を通してしまい、品質の劣化(酸化や乾燥)の原因になります。
冷凍用の保存袋を使うことで、鮮度が保たれて長持ちします。
ラップで包んだ食材を、冷凍用保存袋に入れれば、におい移りや霜の発生を最小限に抑えられます。
ジッパー付きで「冷凍用保存バッグ」「冷凍用保存フリーザーバック」とパッケージにあるものを選びます。
洗って乾かせば、何度でも繰り返し利用できます。
ラベルシール、マスキングテープ
すぐに使う予定がない食材を保存するとき、冷凍用保存袋に「日付/食材名」を書く際にあると便利です。
保存袋に直接書かなくてもよいので、使い回しをする際に重宝します。
新鮮な食材を使う
冷凍保存は、野菜が鮮度がよく、美味しいうちに行ないます。
市販の冷凍野菜も旬の野菜を新鮮なうちに冷凍しているので、栄養や風味が保たれています。
冷蔵庫に入れっぱなしの食材は、日数が経つごとに味や栄養価が下がっていきます。
「安売りでつい買ったけど、しばらくは料理に使う予定がなさそう」というときに冷凍保存が活躍します。
野菜や用途に応じて生と加熱を使い分ける
野菜を冷凍するときは「生のまま冷凍する」と「加熱してから冷凍する」の2パターンあります。
食材はあとから使いやすいように、家族の人数や用途に合わせて、使う分だけラップに包んで小分けしたり、さいばしなどで溝を付けたりするとよいです。
生のまま冷凍する
水分の少ない野菜や、小口切りのネギ、ニラ、キュウリ、トマト、キノコ類などは、生のまま冷凍が可能です。
ショウガや山芋、ニンニクなどは、すりおろして冷凍しておけば、少量使いたいときにも重宝します。
「生のまま冷凍は不向き」と言われる野菜でも、千切りや薄切りにすれば、味や食感が変わらない場合も多いです。
◆千切りにする
キャベツ、にんじん、大根、ピーマン、パプリカなど
◆刻む
細ネギ、ショウガ、ニンニクなどの薬味
◆一口大に切る
アボカドや果物など
◆すりおろす
長芋、山芋、里芋、大根
◆塩もみする
きゅうり、キャベツ、白菜
加熱してから冷凍する
ブロッコリー、青菜(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、水菜など)、かぼちゃ、いも類の冷凍に向いた方法です。
基本的に生の野菜をそのまま冷凍すると、組織の水分が凍って膨張することで、組織を破壊します。
解凍すると水分が出てビチャビチャになったり、繊維が残って食感が筋っぽくなったりします。
「生のまま冷凍すると、味や食感がイマイチ…」と感じる野菜は、固めにゆでる(ブランチング)が向いています。
加熱すると野菜の酵素の働きがストップするので、殺菌作用があり、変色の防止にもなります。
固めにゆでるのは、解凍後に再加熱するときに、食感が柔らかくなりすぎるのを防ぐためです。
じゃがいもやさつまいも、かぼちゃは、ゆでてからマッシャーで潰すことで、解凍後の食感がボソボソになりません。
◆固めにゆでる
ブロッコリー、カリフラワー、にんじん、大根、青菜、ニラ、アスパラガス、インゲンなど
◆ゆでて潰す
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなど
ほかにも「炒める」「焼く」「電子レンジで温める」などの下処理が適した野菜もあります。
たとえば玉ねぎは、薄切りやみじん切りにして、あめ色になるまで炒めたあと、冷ましてから冷凍すると、ハンバーグの具材などに重宝します。
あわせて読みたい:
玉ねぎを腐る心配なしで長持ちさせる保存方法、新玉ねぎとの違いは時期にあり
素早く凍らせる
冷凍までの時間が短いほど、野菜の風味が落ちにくいので、なるべく急速冷凍できるように心がけます。
- 厚みをなくして、平べったく伸ばす
- なるべく野菜同士が重ならないようにする
- 1つの保存袋に多く入れすぎない
- 金属製のトレーに食材をのせて冷凍する
また野菜に余分な水分が残っていると霜が付いたり、冷凍焼けが起きたりする原因になるので、キッチンペーパーなどで水気をふき取っておきます。
空気があると酸化や細菌が繁殖しやすく、断熱効果があるので、冷凍用保存袋に入れたあと、中の空気をできるだけ抜いて、密閉状態にすることが大切です。
保存袋に日付と食材名を書く
ホームフリージング(自宅で冷凍)は、業務用よりも冷凍庫の設定温度が高く、開け閉めする回数も多いので、どうしても鮮度維持に限界があります。
冷凍野菜の保存期間は約1ヶ月が目安です。
いつから冷凍保存したのか忘れたり、中身の見分けが付かなかったりするのを防ぐためにも、保存袋に日付や食材名を書いておくと便利です。
美味しく食べるための5通りの解凍方法
冷凍した野菜を美味しく食べるには、解凍方法にも注意する必要があります。
解凍方法には「自然解凍」「流出解凍」「電子レンジ」「そのまま料理に使う」などの方法があります。
冷蔵室や室内で自然解凍
時間があるときは自然解凍がおすすめです。
おひたしや和え物に使うときは、前日~半日に冷蔵室に移して、自然解凍します。
金属製のトレーに乗せると、解凍時間が短縮でき、解凍時に出てくる水分で棚が濡れるのを防ぎます。
寒い時期は室内で自然解凍しても大丈夫ですが、梅雨や夏場は細菌が繁殖するリスクが高くなります。
保存袋ごと流水解凍
冷蔵庫と同じように低温で解凍できるのが流出解凍で、急いで解凍したい場合にも重宝します。
ボウルに水と保存袋を入れて、水道水を少しずつ流しながら、解凍していきます。
野菜に直接水がかかると栄養や風味が落ちるので、保存袋に破れがないか、袋口が空いていないかを確認しておきましょう。
電子レンジ解凍
より短期間で解凍できるのが、電子レンジで加熱する方法です。
電子レンジの弱モード(200W)や解凍モードを利用します。
保存袋に入れたまま電子レンジで加熱OKですが、通常の野菜よりも短時間で加熱されるので、加熱時間を短めに設定して様子を見ながら、加熱することが大切です。
ゆでて解凍
ブランチングしてから冷凍した野菜は、凍ったままの状態で、ゆでて解凍しても大丈夫です。
すでに一度ゆでてある冷凍野菜は、火の通りが早いので、ゆですぎには注意してください。
凍ったまま料理に使う
炒め物や煮物に使う予定の冷凍野菜に関しては、凍ったまま調理しても構いません。
野菜同士がくっついて固まりになっていても、そのまま入れて大丈夫です。徐々に氷が溶けてバラバラに離れていきます。
生のまま冷凍した野菜は、加熱時に水分が多く出やすく、炒め物に使うときは油ハネの心配があります。
鍋やフライパンに冷凍野菜を入れたあと、フタをして、油や水分が大きくハネる音が落ち着いてから炒め始めることをおすすめします。
解凍後の再冷凍はNG
冷凍によって野菜の組織が壊れているぶん、解凍前よりも傷みやすいので、解凍した野菜は残さず使い切ることが大切です。
食感や風味も落ちているので、使い切れなかったぶんの再冷凍はおすすめできません。
事前に小分けにしたり、別の料理に使ったりして使い切りを目指します。
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