鋳物ホーロー鍋の大定番「ル・クルーゼ」使い方から考える種類とサイズの選び方

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ルクルーゼ

ル・クルーゼ(Le Creuset)は1925年にフランス北部の小さな村フレノワ・ル・グランで誕生したキッチンウェアメーカーです。

鍋やフライパン、ケトル、ストーンウェア(炻器)、ヘラ、スパチュラなど、さまざまな製品があります。

そのなかでもっとも代表的でル・クルーゼの原点なのが鋳物ホーロー鍋で、「ル・クルーゼ=鋳物ホーロー鍋」と言っても過言ではないほどの定番人気商品です。

直火、IHクッキングヒーター、オーブン、食器洗い機に対応しており(電子レンジはNG)、煮物、蒸し物、揚げ物、炒め物、オーブン料理、炊飯など、いろいろな料理にオールマイティに使えます。

ル・クルーゼの魅力

ル・クルーゼの鋳物ホーロー鍋は、本体の鋳物に複数層のホーローを焼き付けたもので、熱伝導性と保温性が高い構造になっています。

そのため、強火にしなくても、中火以下でも食材に充分な熱が伝わるので、ガスや電気の節約にもなります。

またフタには蒸気穴が空いていませんが、フタの側面3ヶ所に「スチームポイント」があります。

蒸気が均一にゆっくり抜ける構造になっているので、食材の雑味を逃して旨味を引き立てます。フタ自体も重いので、吹きこぼれの防止にもなります。

保温性も高いので、料理が冷めにくく、作ってからしばらく経っても温め直しの必要がありません。

特に長時間の煮込み料理に使い勝手がよい製品で「煮込み料理をするなら、ル・クルーゼが一番美味しく作れる」という人も多いです。

内側は「サンドホーロー」と「ブラックマットホーロー」の2種類あります。

◆サンドホーロー
内側:白くてツルツル。
特徴:煮汁の色や食材の様子が見えやすい。汚れが落ちやすい。

◆ブラックマットホーロー
内側:黒くて少しザラザラ。
特徴:熱効率がよく、焼き色を付けたい料理に最適。
鉄フライパンのように使っていくうちに油なじみがよくなるので、さらに焦げ付きにくくなり、育てる楽しみもある。

ル・クルーゼで作りたい料理や普段使っている鍋の使い勝手に合わせて選ぶとよいと思います。

用語解説

◆鋳物(いもの)
型の空洞部分に、高温で溶かした金属を流し込んで、冷やし固めた製品のこと。
マンホールや銅像、大仏(奈良の大仏が有名)、お寺の鐘(梵鐘)なども鋳物で作られています。

◆ホーロー(琺瑯)
金属素材(今回の場合だと鋳物)の表面に、ガラス質の釉薬を高温で焼き付けたもの。
工芸品のホーローには「七宝」や「七宝焼き」が有名です。

最新モデル「シグニチャー」は使いやすさがアップ

シグニチャー

ル・クルーゼでは、2016年8月から定番人気の「ココット・ロンド」「ココット・ジャポネーズ」「ココット・オーバル」に関しては、最新モデル「シグニチャー」にモデルチェンジをしています。

モデルチェンジにより変更された部分は以下の通りです。

今までル・クルーゼを使っているときに、感じやすかったデメリットが改善されていて、従来品よりも使いやすさがアップしました。

ハンドル部分

ハンドル(持ち手)

約45%サイズアップしました。

持ち手をつかんだとき、旧タイプは指3本分、シグニチャーは指4本分も入るようになりました。

そのため、鍋つかみをしたままでも、持ち手がつかみやすくなり、持ったときにより軽く感じます。

つまみ

つまみ

以前のフタのつまみは平べったい作りでしたが、モデルチェンジ後はふくらみが出て、さらに持ちやすくなりました。

全体的に大きくなり、フタに指が当たる心配も減ったので、鍋つかみがなくても、素手でつまみを持つのも安心してできます。

また耐熱性が200度から250度まで上がったので、200度以上のオーブン料理をするときでも、ステンレス製のつまみに取り替えなくてもよくなりました。

3本ライン

3本ライン

フタ部分の3本ラインが、よりくっきりしたデザインになりました。

エナメル加工

エナメル加工

最新のエナメルを使用することで、傷つきにくく、耐久性がアップしています。

見た目の変化はあまりないので、使い続けていくうちに違いを実感しやすいと思います。

ル・クルーゼの人気鋳物ホーロー鍋

ル・クルーゼの「鋳物ホーロー鍋」で人気が高く、定番の製品が以下の3シリーズです。

  • ココット・ロンド:超定番ホーロー鍋。オールマイティタイプ
  • ココット・ジャポネーズ:やや浅めの鍋。高さがない煮込み料理向け
  • ココット・オーバル:楕円形で、サイズの長い食材の料理向け

ほかにも「ビュッフェ・キャセロール」「ココット・レクタンギュラー」「ココット・ダムール」「ソースパン」「マルミット」などもあります。

まずは定番3シリーズの特徴を押さえて、自分にあったル・クルーゼの鋳物ホーロー鍋を選ぶことをおすすめします。

ココット・ロンド

ココット・ロンド

ル・クルーゼの超定番ホーロー鍋

煮物、蒸し物、揚げ物、炒め物、炊飯まで多用途に使いやすいのが「ココット・ロンド」シリーズです。

「ル・クルーゼの鍋」と言えば、ココット・ロンドを指すくらい定番人気のホーロー鍋で、サイズやカラーのバリエーションが豊富にあります。

サイズは20cm、22cm、24cmならどれがよい?

ココット・ロンドのサイズは、14cm、16cm、18cm、20cm、22cm、24cmまであります。

大きさに悩むならば20cm、22cm、24cmあたりだと思います。

16cmや18cmになると、片手鍋(雪平鍋やミルクパン)と同じようなサイズと容量になるので、正直「あえてル・クルーゼの鍋を買う必要はない」という結論に至りやすいです。

各サイズのスペックを公式サイトの情報を元に表にしてまとめてみました。

20cm 22cm 24cm
直径/持ち手含む 20cm/28.5cm 22cm/30cm 24cm/32.5cm
高さ/フタ含む 9.5cm/14cm 10cm/15cm 11cm/16.5cm
容量 2.4L 3.3L 4.2L
重量 3.1kg 3.7kg 4.3kg

ル・クルーゼの公式動画「ル・クルーゼのお鍋の選び方」では、20cmサイズが「はじめてル・クルーゼを手にされる方や新築祝い、結婚祝いなど、プレゼントにも人気のサイズです」としていますが、将来的なことを考えれば、大きいほど使い勝手がよいです。

◆20cm
1人~2人暮らし向け。ご飯は2合炊きがちょうどよいくらいです。
汁物やスープ4~5杯分、カレー5皿(カレールー半箱分)を作るのにちょうどよいサイズです。

ただし大量に作り置きしたいときはやや物足りず、カレーの1箱分(8~10皿分)は確実にあふれます。

◆22cm
2人~3人暮らし向け。数日分の作り置きもしやすくなります。
カレーの1箱(8~10皿)分の材料は何とか入りますが、かき混ぜる際こぼれやすいです。

「20cmと22cmだと、あまり変わらず、2個持ちしても役割が中途半端になりやすい」という口コミが多く「2個持つならば20cmと24cmが使い勝手がよい」と推奨する人もいます。

◆24cm
3~4人家族向け。
現在、2人暮らしで将来的に家族が増える予定があるならば、サイズアップして24cmの方が使い勝手がよいと思います。
カレーやシチュー、おでんなど「2、3日に分けて、たっぷり食べたい料理」を作るときは、24cmサイズが重宝します。

すでにお持ちの両手鍋のサイズや使い勝手、一緒にコンロに置く鍋やフライパンとの兼ね合いを考えながら、自分の家庭に合ったサイズを選んでみてください。

ちなみにココット・ロンドのような、ル・クルーゼの定番ホーロー鍋ともなると、長期間ずっと使い続けるものなので、値段で選ぶのは止めておいた方が賢明です。

ココット・ジャポネーズ

ココット・ジャポネーズ

やや浅めの鍋。鍋物やすき焼き、高さが必要のない煮込み料理向け

ココット・ジャポネーズは、ココット・ロンドよりも高さがなく、やや浅いタイプのホーロー鍋です。

ココット・ジャポネーズは「煮物やロールキャベツなど、使う鍋に高さが必要ない煮込み料理」「鍋など、食卓に置いて各人が取り分ける料理」へ使うのが向いています。

◆メリット
浅めの鍋で中身が見えやすく、食材がすくいやすい。
「卓上で鍋を囲む」という使い方がしやすい。

◆デメリット
同じ直径のココット・ロンドと比較して容量が少ない。
高さがないぶん、中身をかき混ぜたときに、汁物がこぼれやすい。

ル・クルーゼの鍋はデザイン性が高く、食卓にそのまま置いても見栄えがします。

ココット・ロンドがオールマイティに使える「万能タイプ」に対して、ココット・ジャポネーズは「いろいろと使えるが、少し使い方が限定される」と感じやすいと思います。

サイズは24cmがあり、同じ直径サイズのココット・ロンドと比較すると、高さが低く、容量も少ないことがよくわかります。

ココット・ジャポネーズ24cm ココット・ロンド22cm ココット・ロンド24cm
直径/持ち手含む 24cm/32.5cm 22cm/30cm 24cm/32.5cm
高さ/フタ含む 8.5cm/13.5cm 10cm/15m 11cm/16.5m
容量 3.1L 3.3L 4.2L
重量 3.9kg 3.7kg 4.3kg

容量的にはココット・ロンド22cmと、ほぼ変わらないので「両手鍋22cmサイズ≒ココット・ジャポネーズ24cm」と考えるとよいと思います。

ちなみにメジャーな土鍋だと9号サイズ(口径27cm前後、容量3.2L)に相当します。

一人が食べる量や食材にもよりますが、4~5人でお鍋を囲むのに、ちょうどよい感じのサイズです。

ココット・オーバル

楕円形で、サイズの長い食材の調理に向いている

ココット・オーバルは名前通り、楕円形(オーバル)の両手鍋です。

縦長のサイズなので、ローストチキンやアクアパッツァ、豚の角煮、さんまご飯など丸ごとの食材をそのまま煮炊きするような料理に使いやすいです。

サイズは17cm、23cm、25cm、27cmまで4種類あり、25cmはココット・ロンドの22cm、27cmはココット・ロンドの24cmと同じくらいの容量が入ります。

25cm 27cm
縦✕横(取っ手含む) 19.5cm/25(33)cm 23cm/27(35)cm
高さ/フタ含む 10cm/15cm 10cm/15cm
容量 3.2L 4.1L
重量 3.8kg 4.4kg

形が楕円形なぶん、いつも使っている丸型の両手鍋とは使い勝手が違うので、慣れるまでに少し苦労すると思います。

・コンロに置く際に、縦長に置かないと、隣の鍋やフライパンにぶつかる。
・丸型ではないぶん、五徳に置くときに安定性を取るのが少し大変。
・フタも鍋も楕円形なので、きちんと合わせて閉めないとフタが落ちやすい。
・楕円形なぶん、火のあたりが均一にならず、場所によって焼きムラが起きやすい。

初ル・クルーゼにはどれがいい?

ココット・ロンド

定番人気の3シリーズは2016年夏から新しいモデル「シグニチャー」に変更になったこともあり、利用する上で不評だったところはかなり改善されています。

そのため、今まで「欲しいとは思うけど、使い勝手的にどうだろう…」と思って買わずじまいだった人にとっても、かなり買うチャンスです。

ル・クルーゼ愛用者の体験談や口コミを見ると、もっとも普段使いしやすいのがココット・ロンドのサイズは20cmまたは24cmだと思います。

20cmと24cmでは、持ち手を含む長さ(28.5cmと32.5cm)や容量(2.4Lと4.2L)、重さ(3.1kgと4.3kg)に、かなり違いが出てきます。

今使っている鍋との兼ね合い(同じサイズで買い換えたいのか、サイズアップorダウンするのか)や、毎回作る料理の量、収納場所を考えながら選んでみてください。

「今ある両手鍋に加えて、ちょっと違うタイプの鍋が欲しい」というときは、ジャポネーゼやオーバルなどの購入を検討してみてもよいと思います。

一度購入すると、何年、十何年のお付き合いになるル・クルーゼだからこそ、失敗のない買い物ができることを願います。

ちなみにル・クルーゼと同じ鋳物ホーロー鍋には「ストウブ」や、日本製の「バーミキュラ」があります。

どちらも気密性が高く、無水調理が可能な鍋なので「水なしでカレーや肉じゃがを作りたい」というときに活躍します。

下記の記事では、ストウブやバーミキュラの紹介やル・クルーゼとストウブの比較をしているので、よろしければ合わせてご一読ください。

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