ビタミンCが多い野菜ランキングTop5!損失を抑える保存・調理方法
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ビタミンCは血管、皮膚、粘膜を強化する働きがあります。
細胞と細胞を結ぶコラーゲンの合成に関わるため「美容に必要不可欠なビタミン」としても知られています。
抗酸化作用が強い「ビタミンACE(エース)」の一つで、体に有害な活性酸素の働きやコレステロールの増加を抑えることで、老化現象や動脈硬化の予防にも役立ちます。
ほかにも鉄の吸収を促進したり、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンの生成を促すことでストレスを緩和させたりなど、さまざまな機能を担っています。
ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質があるので、ビタミンCが多い食品を食べたり、ビタミンCを損失させない調理法をするなどの工夫が必要です。
この記事の目次
1日の食事摂取基準
ビタミンCの1日の食事摂取基準は、成人男女で100mgが推奨量です。
水溶性ビタミンで、多少取りすぎても体内から排出されるので過剰摂取の心配はありません。
推奨量 | |
---|---|
18~29歳 | 100mg |
30~49歳 | 100mg |
50~69歳 | 100mg |
妊婦 | 110mg |
授乳婦 | 145mg |
赤ピーマン
ピーマンは青、黄、赤などカラフルな色合いが特徴の実野菜ですが、もっともビタミンCを多く含むのが赤ピーマンです。
100gあたりのビタミンC含有量
赤ピーマン:170mg
黄ピーマン:150mg
青ピーマン:76mg
赤ピーマンは1個あたり中サイズで約40gなので、2個食べるだけで1日に必要なビタミンCが摂取できます。
ピーマンには「苦い」「青臭い」などのマイナスなイメージがありますが、赤ピーマンは甘みがあり、独特のにおいもなく、肉厚で食べごたえがあります。
また独自の栽培方法で、ピーマン独特の苦味やくさみを抑えたOisixのアップルピーマンなど、より食べやすいカラーピーマンも登場しています。
また全体的な栄養価を見ても赤ピーマン>黄ピーマン>青ピーマンで、ビタミンC以外にもビタミンAやビタミンEも多い野菜です。
カロテノイドの1成分「βカロテン」や「βクリプトキサンチン」は、体内でビタミンAに変換されると、呼吸器や鼻の粘膜を守ったり、目の健康を維持したりする働きがあります。
またビタミンAに変換されなくても、体内に過剰発生した活性酵素を除去する抗酸化作用で、生活習慣病の予防や老化防止に役立ちます。
抗酸化力の高いビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれており、一緒に取ることで相乗効果が生まれます。
赤ピーマンにはすべてのビタミンが多く含まれているので、高い抗酸化作用が期待できます。
選び方
- 色が均一で色ムラがない。
- 表面にシワがなく、ハリがある。
- ヘタがピンとしており、切り口が鮮やかな緑色。
保存法
◆常温(保存期間:1週間)
1個ずつ新聞紙やペーパータオルで包み、冷暗所で保存します。
◆冷蔵(保存期間:10日~2週間)
丸ごとはペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて、軽く口を閉じてから冷蔵室に入れます。
カットしたものは、中の種とワタを除いて、ラップでぴっちり包み、2~3日中に使い切ります。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
細切りなど、使いやすい大きさに切り、小分けにして、ラップに包みます。
冷凍室に入れて、凍ったら冷凍用保存バックに入れます。生、ゆでる、炒めるはお好みで。
ゆでたパプリカを和え物に使う場合は、前日に冷蔵室に移して自然解凍させます。
炒め物や汁物には、凍ったままの状態で使えばOKです。
料理法
スライスしてサラダの彩りにしたり、油で炒めたり、オーブンで焼いたりと、いろいろな料理で使えます。
もともと青ピーマンのような独特の苦味も少ない上、加熱すると甘味が出るので、さらに食べやすくなります。
ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、パプリカのように肉厚で繊維組織がしっかりしているものは、加熱しても損失しにくいと言われます。
赤ピーマンをオリーブオイルで炒めたり、オイルを使ったマリネ液に漬けたりすると、植物性油に含まれるビタミンEとの相乗効果でさらに抗酸化力がアップします。
芽キャベツ
芽キャベツはベルギー原産のキャベツの仲間です。
葉の付け根の芽(側芽)が球状になったもので、大きさは1口程度と小さいのですが、キャベツよりも栄養価が優れています。
特にビタミンCはキャベツの4倍、ほかにもビタミンB群(B1、B2、B6、葉酸)や、健康的な骨を作るビタミンKも多く含まれています。
選び方
- 小ぶりサイズで固い。
- 葉の巻きがしっかりしている。
- 葉の緑色が鮮やかで、黄色っぽくない。
保存法
◆冷蔵(保存期間:1週間)
ペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて、口を軽く閉じて、冷蔵室で保存します。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
さっと固めにゆでて、使う分ごとにラップで包んで小分けにして、冷凍用保存バックに入れて冷凍庫で保存します。
料理法
おもに煮込み料理に使うことが多く、スープやシチューの具材にするのが定番の食べ方です。
いろいろな食材を一緒に入れることで、さまざまな栄養が摂れます。
芽キャベツは、キャベツとは違い、生のままだと苦味を感じやすいです。
和え物やお浸しなどに使うときは、下ゆでをして、アクを抜くことで、苦味が抑えられて食べやすくなります。
外側の葉をむしり取り、軸芯の部分に十字の切り込みを入れてから、約1分下ゆでをすればOKです。
加熱しすぎると、芽キャベツ独特の歯ごたえがなくなってしまい、美味しさが半減してしまうので、調理中は目を離さないようにします。
なばな
なばな(菜の花)は、各種ビタミンとミネラルを豊富に含むアブラナ科の野菜です。
つぼみと茎、葉を食べる東洋種(和種)と、茎と葉を食べる西洋種(洋種)がありますが、ビタミンCが多く含まれるのは東洋種の方です。
◆100gあたりのビタミンC含有量
和種なばな:130mg
洋種なばな:110mg
スーパーで菜ばなが複数種類、並んでいるときは「つぼみの有無」で見分けられます。
なばなには鉄欠乏性貧血を防ぐ鉄分と巨赤芽球性貧血を防ぐ葉酸も多く含まれているので、各貧血の予防にも役立ちます。
抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンEも多く含み、骨の健康を維持するカルシウムも見逃せない栄養素です。
選び方
- 葉や茎がやわらかい。
- 切り口がみずみずしく、変色していない。
- つぼみが固く閉まっている。
つぼみ付きのなばなは、黄色い花が咲くと、独特のエグみが増し、栄養価も下がってしまいます。
保存法
◆冷蔵(保存期間:1週間)
水を入れたボウルにつけたあと、水気をよくふき取り、ペーパータオルで包みます。
ポリ袋に根本を下にした状態で入れて、袋の口を軽く閉じます。
深めの容器(上部分を切ったペットボトルなど)に入れて、冷蔵庫に立てて保存します。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
塩を入れたお湯でさっとゆで、冷水にさらしたあと、水気をしぼります。
食べやすい大きさに切り、小分けにして、ラップに包みます。
金属のトレイに置いて急速冷凍した後、冷凍用保存バックに入れます。
料理法
生で食べることはなく、ゆでてお浸しや和え物にして食べるのが一般的です。
なばなは茎が太い割に、ゆでる時間がかなり短い葉野菜なので、ほかの野菜と同じ感覚でゆでると、かなり柔らかくなってしまいます。
またゆでると水溶性ビタミン(ビタミンCや葉酸)が水に溶け出してしまうので、丸ごとをさっとゆでて、水にさらす時間を短くすることが大切です。
栄養の流出を防ぎ、適度な歯ごたえが残ったなばなが茹で上がります。
ほかにも生のなばなを油炒めにすれば、抗酸化成分のβカロテンやビタミンEの吸収率がアップします。
たんぱく質が豊富な食材、たとえば「菜の花とベーコン炒め」や「菜の花と卵の炒め物」などと組み合わせると、コラーゲンの生成に役立ち、ハリのある肌作りに役立ちます。
とうがらし
とうがらしは辛味成分のカプサイシンが多く、鷹の爪など、おもに香辛料として用いられることが多い野菜です。
カプサイシンには、消化吸収を促して代謝を促進させる働きがあり、特にダイエット成分としても注目されています。
抗酸化作用のあるビタミンACEやカリウム、食物繊維も多く含み、全体的に栄養価の高い野菜の一つです。
辛味がない「シシトウ(甘辛唐辛子)」になると、ビタミンCが半分以下になります。
100gあたりのビタミンC含有量
とうがらし:120mg
シシトウ:57mg
青ピーマン:76mg
ただし、とうがらしは、辛くて少ししか食べられず「辛味付け」で使われることが多いので、実際の栄養効果は過度に期待できません。
同じ調理法で食べるならば、辛さのないシシトウの方がより多くの量が食べられます。
選び方
- 皮が色鮮やかで、ハリとツヤがある。
- ヘタがピンとしている。
- 感触が柔らかい(固いと鮮度が落ちている)。
保存法
◆冷蔵(保存期間:1週間)
水分をふき取り、ポリ袋に入れて、冷蔵室で保存します。
◆干す
1週間以内に食べ切れない程の量や、長期保存したい場合は、天日で干して乾燥させると日持ちします。
枝ごと風通しの良い場所に、とうがらしの実を下にして吊るしたり、実を外して重ならないようにザルに入れて陰干ししたりして乾燥させます。
料理法
そのまま生食は不向きなので、油と一緒に炒めたり、オイルに漬けたりするのが一般的です。
とうがらしは辛味が強く、どちらかと言うと「料理に辛さを加える」目的で使われることが多く、少量しか使いにくいです。
そのため、辛いのが苦手な人は、シシトウ(甘辛とうがらし)を使うことをおすすめします。
栄養価は下がりますが、そのぶん、量が食べられるので「ちりめんじゃこの煮浸し」や「なすとシシトウのみそ炒め」など、いろいろな食材と組み合わせて食べられます。
ブロッコリー
ブロッコリーは菜ばなと同じアブラナ科の緑黄色野菜です。
抗酸化力の高いβカロテンやビタミンC、ビタミンE、辛味成分(スルフォラファン)が多く、生活習慣病やガンの予防に有効的です。
ブロッコリーやほうれん草に含まれる「ルテイン」は、カロテノイドの一つで、光の刺激から網膜細胞を守り、目の健康維持に役立ちます。
ほかにも貧血予防に効果的な鉄や葉酸、骨の形成に必須のカルシウム、高血圧予防になるカリウムなど、野菜に含まれるほぼすべてのビタミンが豊富な万能野菜です。
選び方
- 濃い緑色
- つぼみが固く、黄色くなっていない。
- 茎が太くしっかりしている。
- 切り口に空洞がなく、スが入っていない。
ブロッコリーでおもに食べる部分は、花のつぼみの部分です。花のつぼみが集まったものを「花蕾(からい)」と呼びます。
つぼみが黄色っぽくなっているものは、鮮度が落ちて、栄養価が下がっている証拠です。
保存法
ブロッコリーは、野菜や果物を追熟させる植物性ホルモン「エチレン」に弱い野菜です。
ほかの野菜や果物から排出されるエチレンガスを吸収しないためにも、生のまま冷蔵保存するときは、何重にも覆うことで長持ちします。
◆冷蔵(保存期間:2週間)
ブロッコリー全体をペーパータオルで包み、ラップで覆います。
その上からポリ袋をかぶせて軽く口をしばり、茎を下に立たせて冷蔵庫で保存します。
◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
ブロッコリーを小房に分けて、短時間で塩ゆでにします。
冷めたら水気を切り、小房が重ならないように、冷凍保存バッグに入れて、なるべく空気を抜いてから冷凍室で保存します。
サラダや和え物に使うときは、前日に冷蔵室に移して自然解凍をします。炒め物や煮込み料理には、凍ったまま調理すればOKです。
料理法
ブロッコリーは生食せず、ゆでて食べるのが一般的な食べ方です。
ただし水溶性ビタミンは、ゆでると流出してしまうので、調理法に工夫が必要になります。
たとえば「熱湯で短時間ゆでる」や「電子レンジで加熱する」などが有効的です。
ブロッコリーはアクが少ないので、ゆでたり加熱したりしたあとは、水にさらさなくてもよいです。
そのまま冷ますことで、栄養価の流出を防ぐだけではなく、味や香りも保ちます。
ブロッコリーはたんぱく質との相性が良い野菜なので、豚肉、鶏肉、ベーコンなどと一緒に調理することで、コラーゲンの生成にも役立ちます。
過剰摂取や欠乏によるリスクはある?
過剰症:心配なし
ビタミンCは体内に蓄積されない水溶性ビタミンなので、多少取りすぎても過剰症の心配はありません。
欠乏症:免疫力の低下、壊血症、肌荒れ
ビタミンCが不足すると、免疫力が低下して風邪を引きやすくなったり、歯ぐきから出血する「壊血症」が起きたりします。
コラーゲンの合成に関わる成分でもあるので、肌荒れや髪がパサつく原因にもなります。
ストレスや喫煙によって、体内のビタミンCが消費されるので、特にストレス過多や喫煙習慣がある人は多めに摂取することが大切です。
ビタミンCの損失を抑える保存・調理方法
ビタミンCは光や熱に弱く、水に溶けやすい性質があり、ほかの栄養成分と比べても、かなりデリケートです。
たとえばゆでるとビタミンCの含有量は、生野菜の半分まで下がるので、意識的に多く取った方が不足せずに済みます。
保存法
ビタミンCはほかの栄養成分と比較しても、保存中に減りやすい成分です。
・各野菜に合った適切な温度帯や保存法で保存する。
・冷蔵保存するときは、湿度の高い野菜室に入れておく。
・手に入れたら早めに調理して食べ切る。
調理法
ビタミンCは野菜の切り口から水に溶け出すので、なるべく流出を防ぐ調理法が必要不可欠です。
・皮付き、丸ごとの状態でゆでてから、むいたり切ったりする。
・1度に大量ではなく、数回に分けて、短時間でさっとゆでる。
・ゆでたあと、水にさらす時間を短くする。
・アクの少ない野菜は、水にさらさずに冷やす。
・水をなるべく使わない調理法(電子レンジ、蒸すなど)をする。
・煮汁やスープごと飲むような料理に使う。
ほかにも抗酸化成分に関する記事も書いています。