作りたい料理にあう種類や品種は?西洋かぼちゃと日本かぼちゃの違いと見分け方
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幅広い料理で使われるかぼちゃは、大きく分けて西洋かぼちゃ、日本カボチャ、ペポカボチャの3種類あり、それぞれ特徴に違いがあります。
今回はスーパーや野菜の直売所で見かけることの多い「西洋かぼちゃ」と「日本かぼちゃ」の違いや見分け方について紹介します。
この記事の目次
西洋かぼちゃ(栗かぼちゃ)
西洋かぼちゃは「栗かぼちゃ」とも呼ばれており、日本で一般的に流通しているかぼちゃになります。
日本かぼちゃと比較すると、表皮の溝が浅く、加熱するとホクホク(粉っぽさ)感があり、甘味が強いのが特徴的です。
黒皮栗かぼちゃ
品種:えびす、みやこ、味平、くりゆたか、メルヘンなど
西洋かぼちゃのなかでもっとも一般的なのが「黒皮栗かぼちゃ」です。
皮の色は緑~濃緑色で、溝は浅く、触ったときに少し凹凸を感じる程度です。
果肉は濃い黄色で、やや粘り気があり、ホクホクした食感が味わえます。
おもに夏頃に収穫されるかぼちゃで、1月~4月はメキシコやニュージーランドから輸入された黒皮栗かぼちゃが店頭に並びます。
もっとも代表的な品種は「えびす」で、環境に順応して安定生産で充分な収穫量がとれるので「日本でもっともよく食べられているかぼちゃ」と言えば、えびすかぼちゃです。
小玉かぼちゃ
品種:坊っちゃん、栗坊、小菊、プッチィーニ
手のひらサイズのミニカボチャは、食べ切りサイズの栗かぼちゃとして重宝します。
煮物以外にも手頃な大きさを活かして、中身をくり抜き、グラタンやスープ、プリンの器にしても見栄えがします。
水洗い後、丸ごと電子レンジに入れて加熱すると、種や中身がくり抜きやすくなります。
皮は緑~濃緑色が主流ですが、プッチィーニのように黄色い皮のかぼちゃもあります。
小玉かぼちゃのなかでも「小菊かぼちゃ」に関しては、能登伝統野菜の一つで、日本かぼちゃに分類されます。
◆坊っちゃん、栗坊、プッチィーニ
食感・味:粉質(ホクホク)。甘味が強い。
料理法:グラタン、スープ、プリンなど。
◆小菊
食感・味:粘質(ねっとり)。甘味が少なく淡白。
料理法:煮崩れしにくく、味がしみやすいので、和風の煮物に向いています。
ちなみに、鈴かぼちゃやコリンキー、Oisixのかぼっコリーなど「生のまま食べられるかぼちゃ」は、若いうちに収穫したかぼちゃなので、完熟しても小さい小玉かぼちゃとは別物です。
赤皮栗かぼちゃ
品種:打木赤皮甘栗、赤ずきん
皮が濃いオレンジ~朱色のかぼちゃと言えば「赤皮栗かぼちゃ」で、ヘタの部分が凹まずに、玉ねぎのように突き出している姿が特徴的です。
加賀野菜の「打木赤皮甘栗(うつぎわせあかぐり)」が有名で、石川県金沢市打木町がおもな産地です。6~8月頃に出回ります。
一般的な栗かぼちゃよりも小ぶり(片手で持てるくらいのサイズ感)で、大きさは1kg前後になります。
「西洋かぼちゃと日本かぼちゃの中間」といった感じの肉質で水っぽさがあり、ねっとり、しっとりした食感で、甘味も強いです。
煮崩れしにくいので料理法は煮物や炊き合わせが一般的ですが、色合いがキレイなのでスープやパスタソース、スイーツにも用いられます。
皮が薄いので色や汚れが気になる部分は削ぎ落として使えば、皮近くに含まれる栄養もたっぷり取れます。
青皮栗かぼちゃ
品種:芳香青皮甘栗(東京かぼちゃ)、近成芳香G
皮がやや灰色っぽい薄めの緑色の「青皮栗かぼちゃ」は、西洋かぼちゃの元祖ともいわれる種類です。
芳香青皮甘栗南瓜(ほうこうあおかわあまぐりかぼちゃ)は、品種改良をしていない固定種から栽培された青皮栗かぼちゃで「東京かぼちゃ」とも呼ばれます。
一般的な栗かぼちゃと同じく、夏頃(6~8月)に市場に出回ります。
黒皮栗かぼちゃと比較すると、ホクホク感が少なめです。料理法は煮物や天ぷらに合います。
白皮栗かぼちゃ
品種:雪化粧、伯爵、味夢
名前通り、皮が白い「白皮栗かぼちゃ」は、北海道や新潟など寒冷地で栽培されているかぼちゃです。
皮は固くて肉厚で、丸ごとであれば長期保存にも向いており、3ヶ月経っても食べられます。
白皮栗かぼちゃの収穫時期は8~9月なので、冬至(毎年12月21日・22日)まで充分に持つほどです。
そのため、一般的な黒皮栗かぼちゃが店頭に並ばなくなった頃に見かけることも少なくありません。
長期保存すると、水分が抜けて、かぼちゃに含まれるでんぷんが糖質に変わるので、ホクホク感が強く、長期熟成させるほど甘味が強くなります。
ちなみに、収穫してから間をあけずに食べると、甘味が少なく、しっとり感があります。
皮が固くて肉厚なぶん、そのままだと切るのが大変なので、きれいに水洗いしてから、電子レンジで2~4分ほど加熱すると、切りやすくなります。
白い皮の秘密は「でんぷん」で、皮ごと加熱すると皮の色が少し緑色に変わります。果肉の色は黄色みがかっています。
料理法は白皮栗かぼちゃの素材そのものの美味しさを活かすような、シンプルな味付けがおすすめです。
たとえば、だし汁で炊いた煮物、薄切りにしてローストして塩コショウをまぶす、かぼちゃサラダ、ポタージュなど。
日本かぼちゃ
日本かぼちゃは日本に最初に伝わったかぼちゃで、全国各地の伝統野菜として扱われるかぼちゃは、日本かぼちゃなことが多いです。
食感はしっとり粘り気があり、甘味が少なく味わいは淡白で、料理法としては煮物や蒸し物に向いています。
黒皮かぼちゃ
品種:日向かぼちゃ、宮崎早生1号・2号
日本かぼちゃのなかで代表的なのが黒皮かぼちゃです。
おもに宮崎県で生産されており、宮崎の伝統野菜としても知名度があります。
鮮やかな黒色とゴツゴツとした表皮が特徴的で、一般的な栗かぼちゃよりも小ぶりなサイズです。
見た目の割に皮は柔らかいので、事前に電子レンジで加熱しなくても、そのまま包丁で切れます。
粘質で煮崩れにくく、しっとり上品な甘味があるので、煮物料理に適しています。
ちりめんかぼちゃ
品種:愛知縮緬かぼちゃ、砂子かぼちゃ
ちりめんかぼちゃは、おもに愛知県で栽培されている日本かぼちゃであいちの伝統野菜に選定されています。
成長とともに表皮が小さなコブで覆われて「ちりめん状」になることから「ちりめんかぼちゃ」という名前が付けられました。
海部郡大治村砂子で栽培されていた「砂子かぼちゃ」を改良したものが「愛知縮緬かぼちゃ」になります。
色は白、オレンジ、黄、緑、まだら模様など、バラツキがあります。
旬は6~7月で、一般的な大きさは約30cm、重さは2.5kgと、栗かぼちゃと同じくらいのサイズ感です。
水分が多くねっとりした食感と、甘さ控えめのあっさりした上品な味が特徴的で、煮物に使われることが多いです。
あいちの伝統野菜には「鶴首南瓜(つるくびかぼちゃ)」というかぼちゃもあります。細長い形がツルの首に似ていることから名前が付きました。
宿儺かぼちゃやバターナッツかぼちゃとも形が似ています。
鹿ヶ谷かぼちゃ
鹿ヶ谷南瓜(ししがたにかぼちゃ)は、京野菜の一つで、「おかぼ」とも呼ばれています。
独特のひょうたん型が特徴的ですが、もともとは一般的な日本かぼちゃと同じ形でした。栽培をしていくうちに今のような形になったと言われています。
江戸時代に津軽から持ち帰った種を、鹿ヶ谷の農家が栽培したことから「鹿ヶ谷かぼちゃ」と呼ばれるようになりました。
今でも安楽寺(左京区鹿ヶ谷)では毎年7月25日のかぼちゃ供養の際に、参拝者に振る舞われています。
現在の産地は洛北以外に、亀岡市、綾部市、京丹後市でも作られており、例年7月上旬~8月中旬に出回ります。
煮物、そぼろあんかけ、天ぷらなど、煮たり揚げたりする料理法が適しています。
形の面白さや、完熟すると黄褐色になることから、食用以外にも飾り物や画材としても利用される機会もあります。
宿儺かぼちゃ
宿儺南瓜(すくなかぼちゃ)は、岐阜県高山市丹生川地域で栽培されているかぼちゃです。
名前は岐阜の伝承に残る人物「両面宿儺(りょうめんすくな)」から取られています。
皮は灰緑色に緑色の縞が入ったような色合いで、凹凸がなくツルッとした細長い形をしています。
ヘチマや加賀太きゅうりのような見た目ですが、れっきとしたかぼちゃの一種です。
長さは50~80cm、重さは2.5~5kgと大型なので、スーパーではカットされた状態で売られています。
皮が薄いので、事前に加熱しなくても、難なく切りやすく使い勝手がよいです。
日本かぼちゃの一種ですが、甘味が強く、食感がホクホクしています。
栗かぼちゃよりも繊維質が少なく、かぼちゃペーストにするような料理(ポタージュやパイ、プリンなど)に使うと、こさなくても滑らかな仕上がりになります。
バターナッツかぼちゃ
バターナッツかぼちゃは、原産は南アメリカ大陸ですが、植物学的には「日本かぼちゃ」に分類されます。
縦長のひょうたん型が印象的で、下の膨らんだ部分に種が入っています。
色は黄褐色~肌色で、触っても凸凹がなくツルッとした形をしています。
大きさは20~30cm、重さは500~1kgと、それほど大きくないので、宿儺かぼちゃとは違い、丸ごと売られていることが多いです。
旬は秋(9~11月頃)と一般的な栗かぼちゃよりも出回る時期が後になります。
ナッツのような風味とねっとりした食感があり、果肉は濃いオレンジ色で鮮やかです。
皮が薄く、凸凹がなく、細長いのでピーラーで簡単に剥けるのも、バターナッツかぼちゃの良いところです。
料理法はポタージュが一般的ですが、縦に半分に切って具材を乗せてオーブンで焼いたり、食べやすい大きさに切ってフライパンで焼いたりすると、見栄えのする一品ができあがります。
種間雑種かぼちゃ
種間雑種かぼちゃとは、西洋かぼちゃと日本かぼちゃを交配したかぼちゃを指します。
おもにキュウリ、メロン、スイカの台木(接ぎ木)用として使われることが多いですが、そのなかでも「万次郎かぼちゃ」は食用として流通しています。
万次郎かぼちゃ
万次郎南瓜(まんじろうかぼちゃ)は、おもに熊本で生産されているかぼちゃです。
ラグビーボール型で、大きさは30~40cm、重さは1.5~3kgくらいが主流です。
丸ごとだと大きくて重いので、スーパーではカットされた状態で売られています。
収穫時期は9~11月と秋頃ですが、貯蔵期間があるので、実際に店頭に並ぶのは秋~冬頃になります。
水分が多くて柔らかいぶん、煮込むと煮崩れしやすいので、ポタージュやプリン、パイなど、ペースト状にする料理に適しています。
逆に煮物にするとグズグズになって鍋の中が大変なことになったりするので、いっそのこと全部潰して和風ポタージュにした方がよいです。
一般的なかぼちゃよりも甘味が強いので、万次郎かぼちゃの甘味を活かしたレシピで使うと美味しさが引き立ちます。
西洋かぼちゃと日本かぼちゃの見分け方
スーパーや野菜の直売所で売られている「かぼちゃ」が、西洋かぼちゃか日本かぼちゃか分からないときの見分け方を紹介します。
見た目
代表的な西洋かぼちゃと日本かぼちゃに関しては、皮の色と見た目で見分けられます。
◆西洋かぼちゃ(黒皮栗かぼちゃ)
緑~濃緑色で、表皮の溝は浅く、凸凹が少ない
◆日本かぼちゃ(黒皮かぼちゃ)
黒緑色で、表皮の溝が深く、見た目がゴツゴツしている
ただし、例外も多いので、すべてに当てはまる判断法とは言えません。
品種名
西洋かぼちゃと日本かぼちゃを見分けるもっとも簡単な方法は「そのかぼちゃの品種名が何かを知る」ことです。
「栗」の文字があれば100%西洋かぼちゃで、「伝統野菜」の肩書があるかぼちゃは基本的に日本かぼちゃです。
◆西洋かぼちゃ
・黒皮栗かぼちゃ:えびす、みやこ、味平、くりゆたか、メルヘン
・赤皮栗かぼちゃ:打木赤皮甘栗、赤ずきん
・青皮栗かぼちゃ:芳香青皮甘栗(東京かぼちゃ)、近成芳香G
・白皮栗かぼちゃ:雪化粧、伯爵、味夢
◆日本かぼちゃ
・黒皮かぼちゃ:日向かぼちゃ、宮崎早生1号・2号
・ちりめんかぼちゃ:愛知縮緬かぼちゃ、砂子かぼちゃ
・鹿ヶ谷かぼちゃ
・宿儺かぼちゃ
・バターナッツかぼちゃ
◆種間雑種かぼちゃ
・万次郎かぼちゃ
栄養価は西洋かぼちゃが高い
ちなみに栄養価は西洋かぼちゃの方が全体的に高いです。
特にかぼちゃに多く含まれるビタミンAは日本かぼちゃの5倍以上で、健康や美容的な面を考えると、西洋かぼちゃを食べた方が役立ちます。
でんぷんやショ糖の数値も高いのも「西洋かぼちゃの方が甘味が強い」というわかりやすい証明になっています。
西洋 | 日本 | |
---|---|---|
エネルギー | 91kcal | 49kcal |
ビタミンA | 330μg | 60μg |
ビタミンC | 43mg | 16mg |
葉酸 | 42μg | 80μg |
食物繊維 | 3.5g | 2.8g |
でんぷん | 8.6g | 3.1g |
ショ糖 | 5.2g | 1.9g |
日本かぼちゃは西洋かぼちゃと比較して流通量が少なく、珍しいかぼちゃの品種もたくさんあります。
Oisixやらでぃっしゅぼーやなど、有機野菜系食材宅配サービスでは、そのような珍しい伝統野菜も数多く取り扱っています。
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