着色料の安全・危険を見分ける方法とは?おもな原料の種類一覧
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着色料は食品に色をつけるために使われる食品添加物です。
加工食品を作るときは、食品に加熱処理などを行なうことで色が変わる(変色・退色)場合があります。
その際に着色料を使用することで、食品本来の色を取り戻したり、食品を美味しそうに見せて食欲をそそったりするのに効果的です。
着色料の「安全性、危険性」が問われるのは、着色料のなかには毒性や発がん性など体に悪影響を与える可能性があるからです。
食品添加物としての着色料には、大きく分けて「合成着色料(食用タール色素)」と「天然着色料」があります。
それぞれの原料や特徴と安全性、危険性について紹介します。
この記事の目次
- 1 合成着色料(食用タール色素)
- 2 天然着色料
- 2.1 アナトー色素
- 2.2 ウコン色素
- 2.3 オレンジ色素
- 2.4 カカオ色素
- 2.5 カキ色素
- 2.6 カラメル
- 2.7 カロブ色素
- 2.8 クチナシ色素
- 2.9 コチニール色素
- 2.10 タマネギ色素
- 2.11 タマリンド色素
- 2.12 トウガラシ色素(カプシカム色素、パプリカ色素)
- 2.13 トマト色素(トマトリコピン)
- 2.14 ニンジンカロテン(キャロットカロテン、抽出カロテンなど)
- 2.15 ビートレッド
- 2.16 ブドウ果皮色素(エノシアニン)
- 2.17 ベニコウジ色素
- 2.18 ベニバナ色素
- 2.19 マリーゴールド色素
- 2.20 ラック色素(ラッカイン酸)
- 2.21 ムラサキイモ色素
- 2.22 ムラサキトウモロコシ色素(ムラサキコーン色素)
- 2.23 ムラサキヤマイモ色素
- 3 天然着色料だから安全とは限らない
- 4 着色料の安全・危険を見分ける方法はない?
合成着色料(食用タール色素)
食用タール色素とは、食品に色をつけるのに使われる合成着色料です。
もともとはコールタールから抽出される有機化合物の1種を原料に「アゾ染料(アゾ加工物)」が合成されたので「タール色素」という名前が付きました。
ただし現在はコールタールはほとんど使用されておらず、原油から得られる「ナフサ」を原料とした化学品から作られています。
食品添加物として使用されているタール色素(食用タール色素)は以下の12種類あります。
いずれも色が鮮明で、均一な色の食品が作れるのが特徴的です。
◆赤色2号(アマランス)
食品例:ゼリー、いちごシロップ、シャーベット、アイスクリーム、飲料、羊かん
◆赤色3号(エリスロシン)
熱に強い性質があり、加熱して作られる加工食品への使用が多いです。酸性に弱いので、赤色102号と併用されることもあります。
食品例:焼き菓子、生菓子、かまぼこ、ケチャップ、レッドチェリー
◆赤色40号(アルラレッドAC)
食品例:キャンディ、ゼリー、ジャム
◆赤色102号(ニューコクシン)
食品例:キャンディ、ゼリー、ジャム、梅、紅しょうが
◆赤色104号(フロキシン)
食品例:焼き菓子、生菓子、かまぼこ、ソーセージ、アンコ
◆赤色105号(ローズベンガル)
食品例:みつ豆、寒天、レッドチェリー
◆赤色106号(アシッドレッド)
食品例:キャンディ、ゼリー、漬け物、焼き菓子
◆黄色4号(タートラジン)
食品例:キャンディ、ゼリー、アイスクリーム、シャーベット、漬け物、たくあん、飲料
◆黄色5号(サンセットイエローFCF)
食品例:キャンディ、ゼリー、飲料、アンコ、佃煮、漬け物
◆緑色3号(ファストグリーンFCF)
食品例:キャンディ、一般飲料
◆青色1号(ブリリアントブルーFCF)
食品例:お菓子、一般飲料
◆青色2号(インジゴカルミン)
食品例:お菓子、アンコ
ちなみに食用タール色素は、以下の食品への使用が禁止されています。
1.(加工食品を除く)野菜、豆類、食肉、わかめ類、こんぶ類
2.きなこ、しょう油、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、みそ、カステラ、魚肉漬け物、鯨肉漬け物、食肉漬け物、スポンジケーキ、マーマレード、めん類(ワンタンを含む)
また食用アルミニウムレーキ色素の8品目を含めると20種類になります。
食用アルミニウムレーキ色素とは、水溶性タール色素を水酸化アルミニウムに吸着させて、水や油、有機溶剤に溶けなくしたもの(レーキ顔料化)です。
- 食用赤色2号アルミニウムレーキ
- 食用赤色3号アルミニウムレーキ
- 食用赤色40号アルミニウムレーキ
- 食用黄色4号アルミニウムレーキ
- 食用黄色5号アルミニウムレーキ
- 食用緑色3号アルミニウムレーキ
- 食用青色1号アルミニウムレーキ
- 食用青色2号アルミニウムレーキ
食用アルミニウムレーキ色素は、糖衣菓子(ガム、チョコレート、アメ)、チューインガム、粉末食材、油脂食品などに使用されます。
食品以外の用途だと、錠剤のコーティング、オモチャやプラスチック製食器の色づけ、印刷用インキがあります。
安全性は確認済みだが、海外では使用禁止の色素も
昭和40年代(1960年~1970年代)には、複数の食用タール色素に発がん性や肝障害が発見されて、使用禁止になったため「食用タール色素=発がん性のリスクがある」というイメージがいまだに根強くあります。
過去に使用禁止になった食用タール色素
赤色1号:肝障害、肝がん
赤色4号:副腎球状帯萎縮
赤色5号:肝・腎球状帯萎縮
赤色103号:安全性資料不足
橙色1号:肝臓充血
橙色2号:肝・心障害
黄色1号:結腸腫瘍、胃障害
黄色2号:貧血、心・肝など障害
黄色3号:発がん性
緑色1号:肝障害、肝腫瘍
紫色1号:発がん性
参考資料:日本の消費者は食品添加物のどの部分に不安を感じているのか – 日本食品添加物協会
※現在は赤色101号、緑色2号も使用可能食品添加物から削除されています。
現在、使用が認められている食用タール色素は、長年、繰り返し行なわれてきた安全性試験(反復投与毒性試験 発がん性試験、変異原性試験)により、安全性が確認されたものです。
また合成着色料の使用量はごく微量なので、ADI(1日の摂取基準量)と比較しても、着色料を含む食品を食べても、安全性に問題はないと考えられています。
参考資料:福岡市における食事からの着色料一日摂取量調査(PDFファイル) – 福岡市
ただし日本では使用が認められていても、海外諸国では「体へ悪影響を及ぼす」「危険性の疑いがある」として使用を禁止したり、メーカーに使用を自主規制を要求したりする場合も多く見られます。
指摘される危険性 | 食品への使用禁止国 | |
---|---|---|
赤色2号 | 変異原性 (染色体に損傷を与えて突然変異を起こす)、染色体異常 |
アメリカ |
赤色3号 | 赤血球の減少、染色体異常、甲状腺腫瘍、発がん性、アレルギー | ドイツ、ポーランドなど |
赤色40号 | アレルギー、肝臓疾患 | |
赤色102号 | アレルギー、染色体異常 | |
赤色104号 | 発がん性、遺伝子損傷、染色体異常 | 多くの国 |
赤色105号 | 発がん性 | 多くの国 |
赤色106号 | 発がん性、遺伝子損傷、染色体異常 | 日本以外の国(使用は日本のみで許可) |
黄色4号 | 染色体異常、 (アスピリン喘息患者への)アレルギー |
オーストリア |
黄色5号 | アレルギー、発がん性 | |
緑色3号 | 発がん性、染色体異常 | EU諸国、中国、香港 |
青色1号 | 発がん性 | ドイツ |
青色2号 | 発がん性、染色体異常 |
※赤色104号、赤色105号、赤色106号に関しては、世界保健機関(WHO)/国際食糧農業機関(FAO)で安全性が評価されていません。
※ノルウェーは以前はEU諸国と異なる規制を行っていましたが、現在はEUの規制を採用しています。
調査機関や研究結果によっては、長期的な毒性や発がん性が認められていなかったり、確認できていなかったりするものもあります。
そうは言っても、合成着色料には「安全性が疑われる」「発がん性の可能性がある」という考え方が根強くあります。
そのため、近年は食品に色づけを行なうときは、天然着色料を使うことが多い傾向にあります。
天然着色料
天然着色料とは植物(野菜、花など)や昆虫から抽出された天然の色素のことです。
原料によって「ポルフィリン系」「カロテノイド系」「フラボノイド系」「キノイド系」「その他」に分類されます。
◆ポルフィリン系
緑色、青色の色素。
葉緑素由来の「クロロフィル(緑色)」や、スピルリナの全藻から得られた「スピルリナ色素(青色)」があります。
◆カロテノイド系
黄色、赤色の色素。
主成分は抗酸化成分として知られるカロテンやキサントフィルで、植物や野菜などから抽出されます。
◆フラボノイド系
赤色、黄色、褐色、紫色などの色素。
主成分はポリフェノールで、ブドウ果汁色素やムラサキイモ色素などの「アントシアニン系色素」が代表的です。
◆キノイド系
赤色の色素。
カイガラムシ科の昆虫から抽出される色素です。
同じ天然色素でも食品への原材料名表示への名称はさまざまあり、表記によっては何が原料の色素かわからない場合もあります。
たとえばウコン色素は「ターメリック色素、着色料(クルクミン)、着色料(ウコン)」、トマト色素は「トマトリコピン、カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)、野菜色素」というように、別名や簡略名で表記されるケースも多いです。
天然着色料は非常に種類が多いので、今回は食品によく使われることが多い色素をピックアップして紹介します。
アナトー色素
アナトー色素はベニノキの種子から抽出された色素です。酸性で黄色、中性で赤色になります。
色:黄色~赤色
食品例:乳製品(レッドチェダーチーズが有名)、加工食肉(ハム、ソーセージ)、水産加工品(エビ、カニ)
原材料名の表示例:アナトー、カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)
系統:カロテノイド系(キサントフィル)
ウコン色素
ウコンの根茎から得られた色素です。
主成分はクルクミンで、原材料名には「ウコン色素」のほかに「クルクミン」や「ターメリック色素」と表記されることもあります。
色:黄色
食品例:カラシ、漬け物、清涼飲料水、ソーセージ、果実シロップ漬け
原材料名の表示例:クルクミン、ターメリック色素
系統:フラボノイド系(その他)
オレンジ色素
ミカン科アマダイダイ(甘橙、オレンジ)の果実や皮から抽出した色素です。
色:黄色
原材料名の表示例:カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)、果実色素
系統:カロテノイド系(キサントフィル)
カカオ色素
カカオ豆(カカオの種子)を発酵後、焙焼した色素です。別名「ココア色素」とも呼ばれます。
色:褐色
原材料名の表示例:カカオ、フラボノイド(色素)
食品例:チョコレート菓子
系統:フラボノイド系(フラボノイド重合体)
カキ色素
柿の果実から得られた色素です。主色素はフラボノイド。
色:赤褐色
原材料名の表示例:果実色素、フラボノイド(色素)
食品例:キャンディ
系統:フラボノイド系(フラボノイド重合体)
カラメル
デンプン加水分解物や食用炭水化物(糖蜜または糖類)を熱処理したものです。
着色料のなかでも幅広く使用されています。
色:茶褐色
原材料名の表示例:カラメル色素
食品例:三温糖、チョコレート、プリン、清涼飲料水(コーラ)、調味料(ソース)、カレールウなど
カロブ色素
カロブ色素はイナゴマメの種子の胚芽を粉砕したものです。
かん水(アルカリ塩水溶液)を含む弱アルカリ性のめん類に、カロブ色素を加えると黄色に発色します。
色:淡黄色
原材料名の表示例:カロブ、フラボノイド(色素)
食品例:めん類、ホットケーキミックス
系統:フラボノイド系
クチナシ色素
クチナシ色素はクチナシの果実から抽出される色素で、生成方法によって「青色」「赤色」「黄色」が作れます。
クチナシ青色素とベニバナ色素やベニコウジ色素と調合することで、緑色の色素も得られます。
クチナシ青色素
色:青色
原材料名の表示例:クチナシ(色素)
食品例:ラーメン、酒類(リキュール、ビール)、お菓子(キャンディ)
クチナシ赤色素
色:赤色
原材料名の表示例:クチナシ(色素)
食品例:魚肉ソーセージ
クチナシ黄色素
色:黄色
原材料名の表示例:カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)、クチナシ(色素)、クロシン
食品例:中華麺、栗きんとん、漬け物、清涼飲料水
系統:カロテノイド系(キサントフィル)
コチニール色素
昆虫の「エンジムシ(コチニールカイガラムシ)」から抽出した色素です。
主成分がカルミン酸なので「カルミン酸色素」とも表記されます。
色:赤色
原材料名の表示例:カルミン酸、コチニール
食品例:飲料(いちご飲料)、菓子(キャンディ、グミキャンディ、せんべい、いちご系お菓子)、魚肉ソーセージ、かまぼこ
系統:キノイド系(アントラキノン)
タマネギ色素
玉ねぎのりん茎から抽出した色素です。
色:黄色
原材料名の表示例:フラボノイド(色素)、野菜色素
系統:フラボノイド系
タマリンド色素
マメ科タマリンドの種子(タマリンドシード)を焙煎して作られた色素です。
日本では馴染みが薄い果実ですが、東南アジアやラテンアメリカでは食用(調味料やデザートなど)として親しまれています。
色:茶褐色
原材料名の表示例:フラボノイド、フラボノイド色素
食品例:チョコレート菓子、コーラ菓子、和菓子(アンコ)
系統:フラボノイド系
トウガラシ色素(カプシカム色素、パプリカ色素)
とうがらしの果実から抽出された色素です。「パプリカ色素」や「カプシカム色素」とも呼ばれます。
色:赤色
原材料名の表示例:パプリカ色素、カプシカム色素、カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)
食品例:スナック菓子(とうがらし系)、カニカマ
系統:カロテノイド系(カプサンチン)
トマト色素(トマトリコピン)
トマトの果実から得られた色素です。「トマトリコピン」とも表記されます。
色:赤色
原材料名の表示例:トマトリコピン、カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)、野菜色素
食品例:ソーセージ、カニカマ
系統:カロテノイド系(リコピン)
ニンジンカロテン(キャロットカロテン、抽出カロテンなど)
にんじんの根を乾燥させて生成された色素です。
主成分はカロテノイドで「キャロットカロテン」や「抽出カロテン」とも呼ばれます。
色:赤色~橙色
原材料名の表示例:キャロットカロテン、抽出カロテン、カロテノイド(色素)、カロチノイド(色素)、カロチン、カロテン(色素)
食品例:バター、マーガリン
系統:カロテノイド系
ビートレッド
ビートの根を搾汁した色素です。主成分はベタニン、イソベタニンです。
色:赤色
原材料名の表示例:アカビート、野菜色素
食品例:チョコレート(ストロベリー系)、デコペン(ピンク)
系統:その他(ベタレイン)
ブドウ果皮色素(エノシアニン)
ブドウやアメリカブロウの果皮から得られた色素で「エノシアニン」とも呼びます。主成分はアントシアニンです。
色:赤色~赤紫色
原材料名の表示例:アントシアニン(色素)、ブドウ色素
食品例:グミ、ぶどうゼリー、ぶどう系飲料
系統:フラボノイド系(アントシアニン)
ベニコウジ色素
ベニコウジ(紅麹)カビの培養液から抽出した色素です。主成分はモナスカスで、別名に「モナスカス色素」があります。
紅麹は中国や台湾、沖縄で、豆腐よう(紅豆腐)や紅酒などの発酵食品に使われています。
ベニコウジ色素を中和させたものが「ベニコウジ黄色素」です。
ベニコウジ色素
色:赤色
原材料名の表示例:ベニコウジ色素、紅麹色素、モナスカス色素、着色料(紅麹)、着色料(モナスカス)
食品例:菓子、冷菓(アイスクリーム、シャーベット)、飲料(ジュース、スープ)
系統:その他(モナスカス)
ベニコウジ黄色素
色:黄色
原材料名の表示例:ベニコウジ黄色素、モナスカス黄色素、着色料(紅麹)、紅麹色素、着色料(モナスカス)、モナスカス色素
食品例:飲料、グミ
系統:その他(モナスカス)
ベニバナ色素
紅花(ベニバナ)の花から得られた黄色の色素で「カーサマス黄色素」とも呼ばれます。
クチナシ青色素と調合することで緑色に変化します。
黄色色素を除去後に抽出されるのが「ベニバナ赤色素」で、別名は「カーサマス赤色素」です。
ベニバナ赤色素
色:赤色
原材料名の表示例:ベニバナ黄色素、カーサマス黄色素、着色料(フラボノイド)、フラボノイド色素、着色料(紅花黄)、紅花色素
食品例:キャンディ、飲料、調味料
系統:フラボノイド系(カルコン)
ベニバナ黄色素
色:黄色
原材料名の表示例:ベニバナ赤色素、カーサマス赤色素、着色料(フラボノイド)、フラボノイド色素、着色料(紅花赤)、紅花色素
食品例:キャンディ、飲料
系統:フラボノイド系(カルコン)
マリーゴールド色素
マリーゴールドの花から抽出した色素(黄)です。
同じ天然色素のトウガラシ色素やβカロテンと比較して、黄色みが強く、鮮やかな色なので、レモンやゆずなどの柑橘系の食品に使われることも多いです。
色:黄色
原材料名の表示例:カロチノイド(色素)、カロテノイド(色素)、マリーゴールド
食品例:飲料、ケーキ、クッキー、バタークリーム、チョコレート
系統:カロテノイド系(キサントフィル)
ラック色素(ラッカイン酸)
ラック色素は、カイガラムシ科ラックカイガラムシの分泌液(樹脂状の物質)から作られた色素です。
ラッカイン酸類が主成分なので「ラッカイン酸」や「ラック」とも呼ばれます。
コチニール色素で使われるエンジムシ(コチニールカイガラムシ)とは、同じカイガラムシ科の仲間で、色合いも似ています。
ただしラック色素の方が少し暗みと黄みがあります。
色:橙色~暗紫赤色
原材料名の表示例:ラック色素、着色料(ラッカイン酸)、着色料(ラック)
食品例:菓子、ハム、ソーセージ、かまぼこ、いちごシロップ
系統:キノイド系
ムラサキイモ色素
紫芋を乾燥、粉砕して作られた色素で、原料にはおもに『山川紫』という品種が使用されています。
pH数によって紫赤色や紫青色に変化します。
色:紫赤色
原材料名の表示例:ムラサキイモ色素、着色料(アントシアニン)、アントシアニン色素、野菜色素
食品例:ゼリー、飲料、食用色素(紫)
系統:フラボノイド系(アントシアニン)
ムラサキトウモロコシ色素(ムラサキコーン色素)
ムラサキトウモロコシの種子から作られた紫色の色素で「ムラサキコーン色素」とも呼ばれます。
色:紫色
原材料名の表示例:ムラサキコーン色素、アントシアニン(色素)
食品例:スナック菓子、ガム
系統:フラボノイド系(アントシアニン)
ムラサキヤマイモ色素
紫山芋の根塊から抽出された紫赤色の色素です。
色:紫赤色
原材料名の表示例:アントシアニン(色素)、ムラサキヤマイモ野菜色素
系統:フラボノイド系(アントシアニン)
天然着色料だから安全とは限らない
天然色素の原料は動植物から抽出されるので、何となく「体に悪影響がなさそう」と思っている人が多いと思います。
ただし原料から色素を抽出するためには、化学薬品や溶剤を使用することもあります。
水に浸けるだけで色素を抽出できる原料もありますが、短時間に濃い色素を作り出すには、薬品や溶剤を使った方が効率がよいです。
そもそも、天然着色料は、合成着色料と比較して「淡くて渋い色」になりやすいです。
草木染めやハーブティーの色合いをイメージしてもらうと、わかりやすいかと思います。
そのため、天然着色料で食品にはっきりとした色を付けるには、化学薬品や溶剤で抽出された天然着色料を大量に使用することになります。
食品の原材料名には着色料の種類は表示されますが「この色素は何の薬品で抽出されたのか」「どれくらいの量を使用しているのか」まではわかりません。
合成着色料はごく微量で均一に色が付くことを考えても「合成着色料と天然着色料はどちらの方が安全か?」は、正直、答えを出すのは難しいところがあります。
また天然由来のアカネ色素が、2004年に「腎臓がんを発症する危険性がある」として使用が禁止されたように、合成着色料だから危険、天然着色料だから安全とは言いにくいのです。
着色料の安全・危険を見分ける方法はない?
着色料の摂取に関しては、いろいろな危険性(発がん性、アレルギー、障害など)も指摘されていますが、基本的に適切な量や用途で着色料が使われていれば、体への影響や危険性は低いです。
それでも不安に思うならば、スーパーで商品を選ぶときに、食品パッケージの原材料名を確認して「(色素名)が入っている食品は避けよう」と自分の判断で選ぶしかありません。
着色料は、食品の色合いをよくするために使われるものなので、入れなくても問題なく、メーカーにとっては、比較的簡単に外しやすい食品添加物です。
同じ食品だけど、違う商品が複数あるときは、着色料の使用数が少ないもの、この色素名ならば安心だと思うものを選択します。
ただし着色料の代わりになるのが「食材や調味料本来の色」くらいしかないので、見た目は地味や悪くなりやすいです。
着色料無添加のハムやソーセージ、漬け物などはわかりやすい例だと思います。
ちなみに日本生協連では食品添加物の使用が厳しく、着色料の不使用や留意使用に細かい自主基準を設けています。
「やっぱり子どもへのアレルギーの心配はあるし、なるべく着色料の摂取は減らしたい」と考えるのであれば、生協を利用するのも一つの方法だと思います。
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