時期や産地に違いあり!新じゃが、早春じゃがいも、越冬じゃがいもの特徴とおすすめレシピ

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新じゃが

じゃがいもは年中スーパーで見かける野菜ですが、時期によっては「早春じゃがいも」「新じゃが」「越冬じゃがいも」などの名前で売られていることがあります。

これらの名称は、男爵イモやメークインといった品種名ではなく、収穫の時期ごとに変わる呼び名です。

新じゃがの特徴

◆特徴
収穫後、すぐに出荷されるので、皮が薄く、ビタミンCや水分量が多い。

◆食べ方
じゃがバター、フライドポテト、煮っころがしなど

◆時期とおもな産地
3~6月:長崎県、鹿児島県
6~7月:茨城県、千葉県
7~8月:北海道
11~12月:長崎県、鹿児島県

新じゃがには、明確な定義がなく、おもに以下に当てはまるジャガイモを「新じゃが」と呼んでいます。

  • 掘りたてて、長期的に貯蔵されずに、すぐに出荷されたもの。
  • 春先から初夏(3月~6月)にかけて出回るもの。

おもな新じゃがの産地は長崎・鹿児島(年2回)

長崎や鹿児島は温暖な地域で、年に2回(春・秋)のじゃがいもの収穫が可能です。

3~6月頃は「春(掘り)じゃがいも」、11~12月頃は「秋堀り(新)じゃがいも」とも呼ばれます。

秋じゃがいもは春じゃがいもと比較して、少し乾燥気味で、みずみずしさが少ないのですが、ホクホクとした食感があります。

九州から出荷される春じゃがいもの品種は「ニシユタカ」や「デジマ」が主流です。味は「ニシユタカ>デジマ」。

ニシユタカは煮崩れしにくく、カレーやシチューの具材としても使いやすいです。

デジマは粉ふきいもやポテトサラダ、コロッケなどに向いており、加熱しても多少煮崩れる程度なので、肉じゃが、煮物などにも合います。

早春じゃがいもとの違いは?

早春じゃがいも

収穫時期:1月~2月
植え付け:9月~10月
産地:長崎県、鹿児島県

1~2月頃になると「早春じゃがいも」と呼ばれるじゃがいもが並びます。

早春じゃがいもは、長崎や鹿児島などの温暖な地域で、秋(9~10月)に植え付けを行ない、1月下旬頃から収穫後、すぐに出荷されたじゃがいもです。

一般的には「新じゃがの一種」ですが、新じゃがには「春先から初夏にかけて出回るじゃがいも」のイメージが強いので、1~2月に収穫された新じゃがは「早春じゃがいも」として店頭に並びます。

◆収穫時期で異なる九州産の新じゃが名称
早春じゃがいも→春掘りじゃがいも→(千葉・茨城、北海道産の新じゃが)→秋堀りじゃがいも

水分量は品種によって違いがありますが、早めに収穫されたじゃがいもは、でんぷんの量が多くなります。

でんぷんが多いほど、食べたときの食感が「ホクホク」になり、煮崩れしやすい傾向にあります。

早春じゃがいものパッケージには「皮が薄くポテトサラダやコロッケなどにおすすめ。新物の美味しさをどうぞ」とありましたが、新じゃがはマッシュポテト系の料理が苦手です。

食べ方について長崎県農林技術開発センターに問い合わせたところ、「長崎産のじゃがいもはコロッケにするとベチャっとするので、肉じゃがコロッケのように、しっかり味をつけた方がよい」とのことでした。

一方で、いわゆる「新じゃが」の始まりになる、3~4月に収穫されたじゃがいもは、でんぷんが少ない傾向で、メークインのような、ねっとり系の食感に近くなります。

夏の新じゃがは北海道産

国内のじゃがいも生産量の約8割を占める、北海道産のじゃがいもは、収穫時期によって「新じゃが」と「通常のじゃがいも」に分かれます。

北海道産の新じゃがは7~8月に出回ります。

9~10月頃に収穫されたじゃがいもは、倉庫などで貯蔵後、翌年5月頃まで出荷されます。こちらが一般的なじゃがいもです。

そのため、北海道産のじゃがいもは6~7月は出荷量が少なく、この時期は茨城県・千葉県産のジャガイモ(新じゃが)が出回ります。

保存期間は1週間~10日と短い

新じゃがは、通常のじゃがいもと比較して、皮が薄く、水分が多いぶん、長期保存にはまったく向いていません。

すぐに使い切らないときは、新聞紙やキッチンペーパー、根菜用保存袋にまとめて入れて、冷暗所で1週間~10日を目安に保存します。

冷暗所とは、一日中日が当たらず、通気性がよく、涼しい(温度1~14℃)場所のことです。

日が当たると皮が緑色に変色して、中毒症状を引き起こす天然毒素(ソラニン、チャコニン)が増えるので、特に「日当たり」には注意します。

皮が緑色になっている場合は、皮ごと使うのはリスクが高いです。緑色の部分がなくなるまで、皮を厚めにむいてから料理に使います。

ちなみに新じゃがは収穫した直後のじゃがいもなので、発芽の心配はありません。

新じゃが・早春じゃがいもの美味しい食べ方

新じゃがや早春じゃがいもは、収穫後は風通しのよい所で1週間ほど乾燥させて、長期に貯蔵せずに出荷するため、手で簡単にむけるほど皮が薄く、水分が多く、中身が柔らかいのが大きな特徴です。

そのため、じゃがいもを潰して作る料理(マッシュポテト、ポテトサラダ、コロッケなど)は、ベチャベチャな仕上がりになるので不向きです。

また水分が多いぶん、干しじゃがいもにするときは、普通のじゃがいもよりも乾燥するまでに時間がかかりやすいです。

普通のじゃがいもよりもビタミンCが多く、皮付近には食物繊維やビタミンB6などの栄養も豊富に含まれているので、皮付きで食べた方が栄養を逃しません。

丁寧に洗い、皮付きのまま調理したり、煮っころがしにしたりするのが定番の調理方法です。

ただし新じゃがの皮が緑色だと、じゃがいもの天然毒素であるソラニンなどが多い証拠なので、緑色がなくなるまで皮を厚くむくことをおすすめします。

じゃがバター

じゃがバター

◆材料
じゃがいも:1個
バター:10~15g
塩:少々

◆作り方
1.じゃがいもをよく洗う。
2.竹串がすっと入るまで加熱をする。
電子レンジ:ラップに包み、1個あたり約5分加熱する(途中でひっくり返す)。
蒸し器:蒸し器の下段に水を張り、じゃがいもを並べて、10~15分ほど蒸す。
鍋:じゃがいもが浸る以上の水を入れて、水からゆでる。
3.余分な水気を取り除き、十字に切り込みを入れる。
4.切込みの中心に、バターを乗せて、全体的に塩を振る。

フライドポテト

フライドポテト

◆材料
新じゃが:3個
油:適量
塩:少々

◆作り方
1.新じゃがを皮ごと流水でよく洗う(必要あれば皮をむく)。
2.クシ型または細切りにする。
3.水を張ったボウルに切ったじゃがいもを入れて、しばらく水に浸ける。
水に浸ける時間が長いほど「外カリッ、中ホクッ」な食感に仕上がる。
4.ザルにあけて、キッチンペーパーで水気をよくふき取る。
5.油を入れたフライパンに、じゃがいもを入れて中火にかける。ときどきくっつかないように混ぜる。
6.表面が膨らんできたら、火を強めにして、よい焼き色がつくまで揚げる。
7.油から取り出し、キッチンペーパーの上に置くなどして油を切る。
8.塩を振って完成。

煮っころがし

ジャガイモの煮っころがし

◆材料
新じゃがいも(小粒):400g
※中サイズだと4個くらい
しょうゆ:大さじ2
みりん:大さじ2
酒:大さじ2
砂糖:大さじ1
水:100cc~200cc

◆作り方
1.じゃがいもを水に浸けたあと、1個ずつよく洗う。
サイズが不ぞろいな場合、大きいものは半分に切る。
2.じゃがいもを全部入れたときに、重ならない程度の大きさの鍋やフライパンを用意する。
3.鍋やフライパンも調味料とじゃがいもを入れる。水は新じゃがが少し浸かるくらいの量を入れること。
4.火にかけて、煮立ったら落としフタをして弱火にして10分ほど煮る。
5.竹串を刺したときに、すっと入れば、フタを外して、煮汁を煮詰める。
6.ときどき鍋をゆすって、新じゃが全体にとろりとした煮汁を絡める。

越冬じゃがいも

越冬野菜

収穫:秋、晩秋
出回る時期:1月~5月(春に近付くと減少)
産地:北海道

越冬じゃがいもとは、秋や晩秋に収穫したじゃがいもを、低温で長期保存(越冬)することで、甘みを高めたじゃがいものことです。

本州(長崎、鹿児島など)の新じゃがの時期と重なるので、あまり知名度は高くありませんが、ほかのじゃがいもと比較して甘くて柔らかなのが大きな特徴です。

品種はインカのめざめ、きたあかり、メークイン、男爵イモなどがよく見かけます。

低温状態で、ゆっくり保存・熟成することで、じゃがいものデンプンが糖化されて、しっとり甘くなります。

じゃがいもを越冬させる方法は農家さんによって、冷蔵庫、低温貯蔵庫、氷室・雪室(氷や雪を利用した貯蔵庫)などいろいろとあります。

イモ系のホクホク感はデンプンによるものなので、デンプンが糖に変わるぶん、甘みが強くなりますが、反対にホクホク感は減ります。

また収穫から長期的な保存なので、じゃがいもから水分が抜けるぶん、柔らかめの食感になります。

表面に弾力がなかったり、シワが寄ったりしている場合も多いですが、問題なく美味しく食べられます。

ちなみに皮をむいたときに、黒ずみやアザが見られる場合がありますが、そのときは厚めにむいたり、切り取ったりしてください。

これは成長や保管の過程で自然に発生したもので、貯蔵期間が長いほど、起きやすくなります。

甘くないのは保存環境にあり

温度

「越冬じゃがいもが甘くない」というときは、産地から出荷されたり、店頭に並んだりする際に「非冷蔵状態」だった可能性があります。

デンプンが糖化されるのは「低温状態」の環境に置かれているためで、保管場所の温度が上がれば糖は分解されて、甘みが薄まります。

0℃近い温度になれば、じゃがいもは凍らないように、またデンプンを糖化させるので「甘さがイマイチ」と感じたときは、冷蔵室(0~5℃)に入れて何日間か保存することで、越冬じゃがいもらしい甘さが戻ります。

越冬じゃがいもは、なぜ芽が出やすい?

越冬じゃがいもでよく聞くデメリットとしては「すぐに芽が出る」というのもあります。

考えられる理由は「品種」と「休眠期間」があります。

◆品種
じゃがいもの品種によって、芽が出やすい、出にくい品種があります。
越冬じゃがいもが「インカのめざめ」や「インカのひとみ」だと、もともと芽が出やすい品種なので、どうしても芽が出やすくなります。

◆休眠期間
じゃがいもの休眠期間とは「芽が出ない一定期間」のことです。
品種によって長い短いが違いますが、休眠期間は2~3ヶ月が目安です。

休眠期間中は発芽する条件がそろっていても発芽せず、芽が出ない環境を整えることが長期保存には必要不可欠です。

越冬じゃがいもは長期的に貯蔵するため「自分の手元に届いたときには休眠期間が明けている」と考えた方がよいと思います。
そのため、発芽に適した15~20℃の温度で保存していると、あっという間に芽が出てきます。

越冬じゃがいもは、基本的にずっと保存したままにせず、早めに使い切ることが、栄養を残さず美味しく食べるコツです。

越冬じゃがいもの食べ方

じゃがバター

越冬じゃがいもの「甘さ」や「柔らかさ」を堪能するならば、やはり「じゃがバター」のような素材の味を活かしたシンプルな料理が向いています。

じゃがいも料理の定番であるフライドポテトは「ホクホク感」があった方が美味しく感じるので、越冬じゃがいもとの相性はイマイチかもしれません。

品種ごとに得意・苦手な調理法はあるので、各品種に適した料理で作るのがおすすめです。

男爵イモ メークイン キタアカリ インカのめざめ
じゃがバター
マッシュポテト
ビシソワーズ
肉じゃが ×
炒め物 ×
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