酸っぱい味の「ルバーブ」の食べ方は?ジャムやタルトのレシピ紹介

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ルバーブ

ルバーブ(Rhubarb)はシベリア南部原産のタデ科の野菜です。

一見「フキ」に似ていますが、強い酸味があり、加熱すると溶けてしまうので、煮物や佃煮には不向きです。

そのため、砂糖で甘くして食べる系の料理法が多く、ジャムやシロップ、お菓子作りなどに使われています。

赤毛のアンシリーズには「ルバーブゼリー」や「ルバーブパイ」など、ルバーブを使った料理も出てくるので、当時憧れた人も多いのではないでしょうか。

日本では明治初期に西洋野菜の一つとして伝わりましたが、強い酸味や渋みがあるからか、当時はあまり普及しませんでした。

近年では長野や北海道など、シベリア南部と気候や栽培条件が近い環境で、ルバーブが栽培されています。

収穫時期は春~秋頃(5月~9月)で、大手スーパーや自然派食品店、生産地近くの道の駅、直売所などで見かけることがあります。

栄養・効能

◆ルバーブの食品成分表
カリウム:400mg(2,000mg)
カルシウム:74mg(650mg)
マグネシウム:19mg(290mg)
リン:37mg(800mg)
葉酸:31μg(240μg)
ビタミンA:3μg(700μg)
ビタミンC:5mg(100mg)
食物繊維:2.5g(18g以上)

()内は成人女性の推奨量または目安量

参照:ルバーブ(葉柄、生) – 食品成分DB

食品成分表を見てもわかるように、ルバーブは栄養価の高い野菜ではありません。

水分が90%以上あり、カリウムやカルシウム、食物繊維がやや多い以外は、栄養的な価値は全体的に低いです。

かなり酸味が強いので「ビタミンCが豊富なのでは?」とも思うのですが同じく酸っぱい果物と比較しても、非常に少ないです。

◆100gあたりのビタミンC
ルバーブ:5mg
アセロラ:1700mg
キウイ:140mg
レモン:100mg

ルバーブの葉は毒性あり

ちなみに葉の部分は、毒性があったり、シュウ酸が多く渋みが強かったりするので、食べません。

生のルバーブが販売されているときも、葉の部分は切り落として、葉軸だけ売られていることがほとんどです。

※シュウ酸=毒ではなく、ルバーブに含まれる「アントラキノン」という成分が、胃痛、下痢、吐き気、嘔吐などの中毒症状を引き起こす原因として考えられています。

生薬の「大黄」は近縁種

大黄

ルバーブの和名は「ショクヨウダイオウ(食用大黄)」ですが、ルバーブの呼び名が一般的です。

漢方薬の生薬に「大黄(ダイオウ)」があり、ルバーブとは近縁種にあたります。

生薬で使われている大黄は、根や根茎を乾燥させたもので「瀉下」の効能があり、おもに便秘解消に使われます。

フキとの違いは?

フキ

ルバーブと見た目が似ている野菜にフキがありますが、まったく別物です。

◆分類
フキ:キク科フキ属
ルバーブ:タデ科ダイオウ属

◆原産地
フキ:日本原産
ルバーブ:シベリア南部原産

◆色
フキ:緑色
ルバーブ:濃い赤、緑、赤と緑のグラデーション

◆味
フキ:独特の苦味やエグミ
ルバーブ:強い酸味

◆栄養
全体的な栄養価はフキ・ルバーブともに低い。ただしルバーブの方がやや栄養価が高い。

◆葉
フキ:アク抜きをしっかりすれば食べられる。天ぷら、塩漬け、葉味噌など。
ルバーブ:毒性があるので、食べられない。

◆料理法
フキ:煮物や佃煮など。しょう油やみそで味付けをする。煮ても形が残る。アクがあるので生で食べることはない。
ルバーブ:ジャムやシロップ、パイなど。砂糖で甘くする。煮るとドロドロになる。欧米ではサラダで食べる習慣がある。

ちなみに、フキの葉軸をシロップ煮にして乾燥させたアンゼリカは、製菓用の材料として使われています。

味は「フキを甘く煮た味」なので、ルバーブの酸っぱさとはまったく違います。

選び方

ルバーブ

葉柄(軸)の色が鮮やかでみずみずしいものを選びます。

葉は食べないので、葉は切り落とした状態で売られていることが大半です。

ルバーブの軸は「濃い赤」「緑」「赤と緑の2色混合」とさまざまな色がありますが、味や栄養価には違いがほとんどありません。

ただし色によってジャムやシロップを作ったときの仕上がりの色が違い「濃い赤→赤」「緑→緑~茶」「赤と緑の2色混合→茶系」になるので、濃い赤が多いものを選んだ方が、完成時の見栄えが良いです。

保存方法

ルバーブは日持ちがしないので、手に入ったときは、できるだけ早めに料理にしたり、冷凍保存をしたりします。

◆冷蔵(保存期間:1週間)
ラップに包んだり、ポリ袋に入れたりして、冷蔵室で保存します。

◆冷凍(保存期間:1ヶ月)
1cm幅に切り、冷凍保存用袋に入れて、冷凍室で保存します。

気になる味と食べ方は?

ルバーブの食べ方

生は酸味が大変強いので、砂糖で煮てジャムにするのが一般的な食べ方です。

それでも酸味は強く感じますが、クセがない味で、パンやパンケーキに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたり、炭酸水と混ぜたりしても美味しいです。

ほかにもタルトやパイの具材にしたり、生のままサラダに使ったりもできます。

ちなみに、フキに近い見た目なので「めんつゆで煮てみる」という料理エッセイマンガがありました。

「ひたすらすっぱいです。めんつゆの味は完全に死んでいます」
「でもうめぼしに近い味とも言えます」
「ただこれをおにぎりに入れられたらキレます」

『ブスだけどマカロン作るよ(カレー沢薫)』

作品内ではほかにも「ルバーブのカレー炒め」という料理も登場しましたが「圧倒的酸味の後をカレー風味が追いかけてきます…」という感想だったので、やはり甘くして食べるのが美味しく食べるコツと言えそうです。

ジャム

ルバーブジャム

◆材料
ルバーブ:100g
砂糖:40~50g
レモン汁:小さじ1

◆作り方
1.ルバーブを水でよく洗い、1cm幅に切ります。
2.鍋にルバーブと砂糖を入れて、5分ほど置きます。
3.ルバーブから水分が出てきたら、中火で煮詰めて、アクを取ります。
4.繊維がほぐれてとろみが出てきたら完成です。
5.煮沸消毒した耐熱容器やびんに入れて保存します。

レモン汁を入れるタイミングは「砂糖と一緒」または「ルバーブからとろみが出てきたとき」とレシピによって違うので、このあたりはお好みでどうぞ。

電子レンジで作る場合は、2のあと、電子レンジで500W約7分加熱が目安です。

シロップ

ルバーブシロップ

◆材料
ルバーブ:100g
砂糖:40~100g(ルバーブの半分量~同量)

◆作り方
1.ルバーブをよく洗い、1cm角の大きさに切ります。
2.煮沸やアルコール消毒をした耐熱容器やびんに、ルバーブと砂糖を入れて、冷暗所で保存します。
3.数日経つと、水分が出てくるので、時々揺すったりかき混ぜたりします。
4.完全に砂糖が溶けきったら、冷蔵庫で保存します。

炭酸水やトニックウォーター、レモネード、各種アルコールで割ったりして飲みます。

サラダ・添え物

ルバーブ(付け合せ)

欧米では脂たっぷりの肉を食べたあと、口の中や後味をすっきりさせるために、サラダや添え物として食べられることが多いです。

生のルバーブをサラダにすると、歯ざわりのよい食感が味わえます。レモン汁をかけると、酸味が抑えれて、食べやすくなります。

◆材料
ルバーブ
野菜(きゅうり、玉ねぎ、パプリカなど)
ドレッシング

◆作り方
1.ルバーブの皮を剥き、繊維に沿って、薄切りや千切りにします。
2.水でさらしてアク抜きをします。
3.ほかの野菜と混ぜてドレッシングをかけます。

タルト・パイ

ルバーブタルト

ルバーブのフィリング(タルトやパイに詰める中身)を、タルトやパイに使います。

フィリングはいろいろとありますが、以下の3つが代表的です。
・ルバーブをジャムにしたもの
・カスタードクリームとルバーブ(生/ジャム)を合わせたもの
・アーモンドクリームとルバーブ(生/ジャム)を合わせたもの

作り方や材料、分量は一般的な果物のパイやタルトと同じです。
「加熱するときは、ルバーブが煮崩れ過ぎないうちに火を止める」「酸味が強いので、砂糖の量で味を加減する」の2つに気をつけてください。

ルバーブの量が足りなさそうなときは、リンゴやイチゴ、ベリー系でかさ増しします。

どこで手に入る?

ルバーブ

生のルバーブは、5月~9月頃に、大手スーパーや自然食品店、直売所、ファーマーズマーケットなどで見かけることがあります。

まだまだ珍しい野菜で市場に出回ることが少ないので「売っていたときに買う」が鉄則です。

もっとも確実なのは通販で買うこと。収穫時期になれば、Oisix(おいしっくす)などの野菜宅配サービスで、取り扱いがあります。

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