漂白剤(食品添加物)の使用に危険性はある?亜硫酸塩などが人体に与える影響とは?

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ドライフルーツ

漂白剤(ひょうはくざい)は、食品を加工する際に変色したものを色抜きをしたり、脱色させてから着色することで食品の仕上がりをよくしたりする目的で使用されます。

酸化作用または還元作用により、色素を分解や変化させることで、漂白(脱色して白くすること)を行ないます。

漂白剤を使用する食品には、ドライフルーツ、かんぴょう、甘納豆、こんにゃく粉、寒天、水あめがあります。

また「品質や鮮度に対して消費者の誤解を招く恐れがある」として、ゴマや豆類、野菜への使用は禁止されています。

漂白剤の種類と特徴

食品添加物の種類

食品添加物で使用される漂白剤には、酸化漂白剤の「亜塩素酸ナトリウム」、「次亜硫酸ナトリウム」、還元漂白剤の「亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)」「二酸化硫黄」などが利用されます。

原材料名には「漂白剤(亜硫酸Na)」や「漂白剤(亜硫酸塩)」という形で、用途名と物質名が併記されます。

亜塩素酸ナトリウム:ハイターでもお馴染みの成分

亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)は、塩素のオキソ酸の一種である亜塩素酸のナトリウム塩です。

食品添加物の用途以外に、衣料用漂白剤(ハイター)や、哺乳びん用消毒液(ミルトン)にも用いられます。

漂白剤や殺菌料として柑橘類果皮(菓子製造用に限定)、さくらんぼ、ふき、ブドウ、桃、かずのこの加工品、生食用野菜類、卵類(殻部分に限定)、食肉、食肉製品に使用されます。

亜塩素酸ナトリウムは毒性が強いので、食品衛生法上「最終食品の完成前に分解または除去すること」いう使用基準があり、原材料名には表示されません。

ただし独特の刺激臭があるので、使用されているかどうかはわかりやすいと思います。

市販のカット野菜には、殺菌の目的で「次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)」が使用されることもあります。

カット済みの野菜を次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸けて殺菌を行なったあと、水でキレイに洗浄されるので、原材料名には「次亜塩素酸ナトリウム」の表記はありません。

亜硫酸塩、二酸化硫黄:ワインの保存料で有名

亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)は、亜硫酸のナトリウム塩です。

使用可能な食品は、かんぴょう、ドライフルーツ、こんにゃく粉、乾燥じゃがいも、ゼラチン、果実酒、糖蜜、水あめ、甘納豆、煮豆、えび、冷凍生かにがあります。

亜硫酸塩には食品衛生法上「使用量等の最大限度」があり、たとえば干しブドウの場合「二酸化硫黄としての残存量が1.5g/kg未満」という使用基準があります。

最終食品の段階で亜硫酸塩は残存しているので「原材料名:漂白剤(亜硫酸塩)」と表示されることが多いです。

ドライフルーツによっては袋や果物の表面が白っぽいことがありますが、これは糖分が固まって付着したもので、漂白剤とは関係がありません。

亜硫酸塩と二酸化硫黄の関係性

二酸化硫黄は硫黄や硫黄化合物の燃焼で得られる無機化合物で「亜硫酸ガス」とも呼ばれます。

水(H2O)と二酸化硫黄(SO2)とが反応することで「亜硫酸(H2SO3)」が生成されます。亜硫酸のナトリウム塩が「亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)」です。

食品によっては「漂白剤(二酸化イオウ)」や「酸化防止剤(二酸化硫黄)」と表示されている場合もあります。

漂白剤のほかにも、保存料や酸化防止剤の目的でも使用されており、変色や酸化の防止や防カビの効果も得られます。

ちなみにワインに使用されるpH調整剤や酸化防止剤は「亜硫酸塩(二酸化硫黄)」が用いられていることが多いです。

漂白の目的ではなく、ワインのpH値を調整することで、酸化を防止して、品質を高める効果が得られます。

漂白剤の表示が省略されている可能性も

漂白剤の表示免除

食品の加工の際に、漂白剤を使用していても、加工助剤やキャリーオーバーを理由として、原材料名への表示が免除される場合もあります。

◆加工助剤
最終的に食品として包装する段階で、漂白剤が残存していなかったり、残存しても量が少ないので食品への漂白作用や効果が期待されていないもの。

◆キャリーオーバー
原材料の加工の際に漂白剤が使われたが、その原材料を用いて製造される食品には使用されていない。
また原材料から持ち越された漂白剤が、効果を発揮される量よりも少ない量しか含まれていない。

漂白剤が残存していない(食品に含まれる量が少なく、その成分の影響を食品に与えない)のであれば「加工助剤」の扱いになり、原材料名への表示が省略できます。

加工助剤やキャリーオーバーの扱いになれば「原材料名:漂白剤」は表示されません。

そのため「このドライフルーツの原材料を見ても、漂白剤の文字がないから安全だろう」とは限らないのです。

たとえば亜塩素酸ナトリウムは毒性が強く、使用基準に「最終食品の完成前に分解または除去すること」があるので、加工助剤として表示されません。

ただし商品説明に「無漂白」や「漂白剤は使用していません」と説明があれば、漂白剤が一切使用されていないので安心です。

漂白剤の危険性:毒性があり、残存が微量でも避けたい

中リスク

漂白剤に含まれる物質には、胃腸や肝臓に負担をかけたり、喘息やアレルギー症状などを引き起こす可能性が指摘されています。

もともと強い毒性を持ち、劇物に指定されている物質も多く、最終食品への残存がまったくなかったり、微量だったりしても、人体への影響(危険性)がゼロとは限りません。

また漂白剤は強い刺激臭があるので、商品パッケージを開けたときに鼻につくニオイがするのは、食べるときの楽しみも減ってしまいます。

食品添加物は食品の品質を高めるために必要不可欠な部分もありますが、漂白剤の場合は「漂白剤を使ってまで、食品の色を良くする必要があるのか?」と疑問に思う面もあります。

食品によっては選択肢が限られており、漂白剤を使用した食品を避けられない場合もありますが、日常的に食べる食品で複数の商品から選べる場合は「漂白剤無添加」を選んだ方が安心です。

Oisix(おいしっくす)など有機野菜系宅配サービスでは、糖類、酸味料、保存料、漂白剤などの添加物を一切使用していない「オーガニック ドライフルーツ」などの取り扱いも多くあります。

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